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76 マドレーヌ


マドレ、どんな意味なんだろう。ユウさんのことだからなにか意味があるんだろうけど、音の響きは好きかもしれない。


「いっそのことマドレーヌでいいんじゃない?美味しそうだし!」


「うわっ、びっくりしたー。」


気づけば私の背後にルンがいた。どこからでてきたのやら。


「はい、てことでみんなにマドレーヌあげる。はい、アカリん。ユウっち。ルリりん。」


そう言って本当にマドレーヌを配りだすルン。そしていつの間にか他の二人にも変なあだ名がついていた。


「にしてもデカい蜘蛛だねー、こんなのもいるんだね。」


「もっとでかいのもいますけどね。」


「うげー、戦いたくないわー。」


ルンはこっちに来たばっかりでまだ探索をほとんどしていない。というか、本人は探索よりもお弁当屋の経営が楽しいようで基本的にそっちに熱中している。


「んー、私はマドレのほうが好きだな。決めた、君の名前はマドレだ!ありがとう、ユウさん。」


そう言って名前の設定を始めると、視界の端でユウさんがちっちゃくガッツポーズをしていた。クールなユウさんにしては珍しい反応だった。


「それじゃ~、早速で悪いんだけどマドレちゃんも放牧しといて~。あと二人はネットスパイダーのドロップ品を私にくれるかしら?」


言われたとおりにポーチからあるだけの粘着糸と硬化糸を出して渡した。ちょうど両手で抱えれるくらいの量だった。しかし、それ以上にユウさんのポーチからは出てきた。小さな糸の山ができるほどだった、どんだけ倒してきたんだろうか。


「じゃ、私は放牧場にマドレを配置してきますね。」


「私も一緒に行くわ~。ユウとルンはちょっと待っててね~、あとで話たいことがあるから~。」


そうして私はルリさんと二人で城壁の外へ出た。そのまま真っすぐ放牧場の柵まであるいて早速マドレを配置した。


「じゃ、マドレちゃんはこれを全部布にしてもらっていいかしら~。」


そう言ってさっき集めた硬化糸をすべてマドレに渡した。マドレも了解とばかりに右前脚を頭の上に持っていき、敬礼のポーズをとった。


「あ、リーダー~。この放牧場なんだけどね~、あの辺に牛舎みたいな感じの大きめの建物建てようと思うんだけど、なにかリクエストはあるかしら~?」


「そうですねー、クーちゃんは流石に入らないと思いますけどなるべく大きめでお願いします。みんなの休憩スペース的な感じになればいいかな。」


「了解~、じゃクランハウスの方が終わったら作っておくね~。あとモカちゃんちょっと借りるわね~。おいで~モカちゃん~。」


ルリさんはモカさんを連れて城壁の中へ帰っていった、放牧場のいいところはこれである。放牧しておけば、敷地内ならクランメンバーの言うことを聞いてくれる。つまり、私がいないところでもモンスターの力を借りる事ができるのである。他にもモカさんが牛乳を作り出したりするような生産系のスキルを自動でしてくれたりもする。今いるメンバーで生産できるのはモカさんとマドレくらいかな、ウサ吉とマルの収集はどうなんだろうか?えっと、2匹を放牧にセットしてみよう。って手持ちが3匹しかいなくなるじゃん、んーカスミを回収しておこう。放牧を考えるともっとテイムモンスター増やしてもいいのかもしれないな。


用事も済んだし、私も放牧場から城内へと帰った。帰るとさっき連れてったモカさんが縄で繋がれた丸太を運んでいた。みんなのために働いてくれてるようで私としては鼻が高いよ。そして城壁沿いにメンバーの3人は固まって何か紙を広げて見ていた。リーダーとして状況把握のために近づいて確認する。


「キッチンのここに冷蔵庫を置いて、その反対側に流し台と調理スペースが欲しいかな。その横にできればコンロを3つ。」


「う~ん、そうなるとここをこうしてこんな感じかな~?」


「そうそう、そんな感じ!」


「私は特に要望はないかな…。」


「ま~、ユウはそうだよね~。部屋とかシンプルだもんね~。」


「何の話してるんですか?」


「クランハウスの図面みながら細かいとこを相談してたの~。リーダーも何か欲しいものとかある?」


そう言って見せられたのは3枚の図面だった、それぞれの階層ごとに分かれていた。1階には鍛冶場とキッチンに会議室、そしてエントランスホールとなっていた。2階には個室が8部屋ほど並んでいた。3階は屋根裏部屋って感じになるみたいで、共有倉庫にするみたいだった。にしてもわかってたけど、面積だけ見ても広いきがする。ルリさんがんば。


「私も特にないかな、会議室の机が円卓なのが気になるくらいで。」


「かっこいいでしょ~。」


たしかにかっこいいが、なんだか今の人数に対してとても大きな円卓になっているのがものすごーく気になる。このままだとスッカスカになりかねないけどいいのかな。


「じゃ、このまま作っちゃいますね~。たぶん明日にはできると思うから待っててね~。」


「手伝いとかはいらないんですか?」


「ダイジョブダイジョブ~、足りないものはユウが集めてくれるから~。」


「おい…、まー、いいけど…。」


「それよりもリーダーは新しく出没しだしたモンスターを調べてきて~、アクセス周辺の情報は集まったからそっちから調査をお願いします~。あとで情報送っとくね~。」


「じゃ、私はラヘルの店に戻るわね、何かあったら呼んでちょうだい。」


各々やることも決まって今日は解散することになった。

|ω・) 断食終わって痩せました

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