表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
80/142

75 加速…


昨日はクーちゃんに乗れたのはラッキーだった。ペタペタとした手触りが気持ちよかった。背中に乗ってみて気付いたことだけど、あの背中の光る模様少しづつ動いている。多分間違いないと思う、不思議な模様だ。しかも、光ってない部分は逆に光を一切反射しないからなのか吸い込まれるような黒に足を吸い込まれそうな勢いだった。それにとにかく大きい体のわりに細部まで作り込まれていた。やはりこのゲームのモンスターは私がやってきた他のどのゲームよりもモンスターの作りが細かい。たぶん制作陣に動物好きがいるに違いない、そう感じる。

と、そんなこと話は置いといて、たぶん今日もルリの手伝いの約束だ。昨日は城壁だけ作り終わった状態だ。張り切ってたからたぶんかなり作り込む気なんだろうな、やれやれ。彼女は凝り始めると切りが無いから見張っとかないとな。とりあえずログインしてから考えよう。


ログインすると、城壁の中に出た。昨日ここでログアウトしたんだった。近くでトンテンカンと音が鳴り響いていた。音がする方を見るとルリが地面に向けて何やら作業をしていた、やはり彼女だったか。なるべく気配を消して後ろからそっと近づく。少し脅かしてみよう。


「ルリ…インしたよ…。」


後ろから急に声をかけてみた。


「うん、知ってたわよ~。あなたがインしたところから見えてたからね~、脅かそうとしてたこともわかってましたよ~。」


「なら声かけてよ…。」


「今、手が離せないから仕方ないでしょう~。」


「それで…、私は何すればいいの…?」


「さっきリーダーにネットスパイダーのテイムをお願いしたんだけど~、ユウもついでにネットスパイダーの糸大量に欲しいから行ってきて~。」


「わかった…。」


何に使うのかわからないけど、ネットスパイダーならすぐ倒せるからいっか。転移用の魔法記録装置に移動してラヘルに瞬間移動してダッシュで行ったら追いつくかな。移動する際に柵で囲われたスペースにアカリのテイムモンスターが何匹か居たけど、あとでどういう場所なのか聞こう。

魔法記録装置を操作し、ラヘルへ飛んだ。そして小走りで町のゲートまで走る。ゲートを潜り、スキルを発動する。


「加速…」


最近取った移動用のスキルだ。スタミナを消費し、一定時間移動速度が向上する。体感だが、全力で走ると車くらいのスピードはでてると思う。しかも、走り出した瞬間から最高速度まで一気に加速するのが爽快だったりする。そして攻撃速度も上昇するのもあって、ダメージも合わせて上昇する。更に回避などの行動も速く動けるおかげでしやすくなった。軽装のスピード特化のプレイヤーにはほんとおすすめなスキルだ。


森を駆け抜け、探知で敵を探しては駆けつけて切り刻む。格下相手なのでほとんどすれ違いざまに数回斬れば倒せてしまう。ポリゴンになって消えたのを確認して、アイテムを取りに行くのが少し面倒だったりする。にしてもアカリが見当たらない、森を1周し終えた。たぶんマップ内のモンスターほとんど倒しちゃったんじゃないかな。途中で出会うだろうなんて思ってたけど、どこにいるんだろう。ポーチもいっぱいになったし一度帰ろう、もしかしたらもう既にアカリも帰ってるかもしれないし。


加速が解けないうちにラヘルに戻り、クランハウスまでそのまま帰宅する。


「帰ったよ…、リーダー見つからなかった…。あとこれ…、糸大量に取ってきたよ…。」


「おつかれさま~、リーダーはさっきマザースパイダーってモンスターをテイムしたみたい~。聞いたことないモンスターだけど、どんな子なんだろうね~。」


「聞いたことないね…、私は普通のネットスパイダーしか見なかったけど…。」


「掲示板で調べた限りでも情報はないわね~、でも各地で新しいモンスターの報告が上がってるわね~。何なアプデで追加されたのかしら~。」


「調べた方がいいかもね…。厄介な敵がいるかもしれないし…。」


「そうだね~、調べておくわ~。」


すると城壁の扉が開き、誰か帰ってきた。


「戻りましたよー。」


「あら~、お帰りなさ~い。」


「おかえり…。」


アカリが帰ってきたようだった。そしてアカリが唐突なことをいい始めた。


「あ、ユウさんちょうどいいところに!名前考えて欲しいんですよ、この子の!」


でてきたのは真っ白な蜘蛛だった。体格的にはネットスパイダーより少し小さいだろうか、でも色以外の外観はネットスパイダーそのものだった。


「あー、さっきルリが言ってたマザースパイダー?だっけ…。考えとく…。」


考えている間にアカリはルリと情報交換を始めたみたいだった。にしても名前かー、母はイタリア語でマードレだけどどうしようかな。砕けた感じだとマッマだったっけか。マードレ、んー。マドレとかどうだろう、呼びやすいしいいかもしれない。あとはリーダーが気にいるかだけど。


「この子の名前は…、マドレでどうかな…。」

|ω・) 断食中

誤字脱字等ありましたら報告いただけると助かります。

感想や評価、ブックマークやいいね等していただけると喜びます。

更新は毎週火曜と金曜を予定してます。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ