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61 クラウディーセタス


さっきのパーティーがいつ帰って来るのかわからないので近場の岩陰で座って待つことにした。腰を下ろして卵を抱きかかえる。ウサ吉は卵の上に飛び乗り一緒に温めてくれようとしているのかそのまま座り込んだ。


いい天気だし、なにか食べ物持ってくればよかったな。そういえばさっき大量にアイテム取ってきてくれてたしちょっと整理しないとなあ、ポーチの中がいっぱいだ。とりあえず中身を減らしたいし、ポーチの中からさっき採取してもらったものををすべて出し広げた。ヒールベリーとクラウドフラワーがほとんどだった。


「よーし、ウサ吉これ食べなー。」


大量に出したヒールベリーをウサ吉の口へ次々放り込む。一心不乱にもぐもぐするウサ吉がまた可愛いんだな、これが。そしてどんどん兎毛がもこもこと増えていく。久々に私はハサミを取り出して毛刈りをする。最初の頃を思い出すなあ、右も左もわからないなかなんとかウサ吉を仲間にしたんだったっけ。懐かしいなあ。今やいっぱいの仲間に囲まれて強くなってる。ま、今も結局右も左もわかってないんだけど。


色んなことを振り返りながら、卵に向かって一人ごとのように思い出を話しかけていた。あとはウサ吉の毛にクラウドフラワーを刺して遊んだりしていた。その時だった、さっきまでお日様が登っていたのに急に辺りが暗くなってしまった。


「えっ、なに?!」


空を見上げると山頂の辺りを中心に星空が広がっていた。そして急に閃光のように光ったと思ったら、閃光と共に夜空は消え去り元の青空に戻ってしまった。

急な空の変化にびっくりし、私は安全のためにも卵をしまってウサ吉と山頂の様子を確認しに動いた。念の為、隠密を発動してそろりそろりと坂を登っていく。あれから特に変化はなくきれいな青空のままだ。何事もなくさっきの入り口までたどり着き、パネルを操作することができた。



《特殊ボス:クラウディーセタスに挑戦しますか?》



あれ?挑戦できるようになってる。さっきのパーティーはクリアしたのかな?だからさっきのはクリア後の演出だったのかな?んー、とりあえず挑戦できるみたいだし、行ってみようかな。クラウディーセタス一体どんなクジラさんなのかな。


ウサ吉を抱えてはいのボタンを押して見る。すると目の前の壁が消え、先に進めるようになった。進んだ先には平らな広場に大きめの岩がいくつか散らばっている。そして正面の空には優雅に泳ぐ大きなクジラがこちらを見て待っていた。


ギイイイィィィィィィーーーーーー!!


不快な鳴き声に耳を塞いでその場に伏せてしまった。音にびっくりしたのかウサ吉は腕の中でうずくまっている。鳴き終わったのを確認してやっとまともに動けるようになった。隠密の効果がないようで、さっきからクラウディーセタスに睨まれている。にしてもきれいな色をしているな。背中は星空のように転々と光りを放ち、逆に腹の方は青空に浮かぶ雲のような色合いをしている。んー、なんかどこかで聞いた気もするけど気のせいか。


少し観察していると大きく口を開け、空気を吸い始めた。やばい、そう感じ取ってしまったのか体が勝手に岩陰に向けて走り出した。その感はあたっていたようで直後にものすごい量の空気が濁流ように流れ込んできた。うわー、こんな攻撃当たるなんて無理だよ。絶対に痛いよ、これ。なんだか急に死ぬのが怖くなってきた。いやいや、もうちょっと優しい攻撃をください、そう願いながら岩陰でやり過ごすのだった。

|ω・) 今日も短め、次も短め

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