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55 ラバコダイル


溶岩から出てきたワニたちは陸に上がるとノソノソと地面を這いずりながら近寄ってくる。冷えて温度が下がったのだろうか、体全体のオレンジ色の発光が徐々に収まり鱗の先端辺りは黒く変色し始めた。赤から黒へのグラデーションがきれいな鱗の間からは変わらずオレンジ色の光が出ていた。全長は4m以上はあるだろうか、かなりの体格のモンスターだ。ただ、全身の半分くらいは尻尾が占めている。閉じている口からは大きな歯が剥き出している。ギョロリとしている大きな黄色い目はこちらをしっかり睨んでいた。

と、悠長に観察していると真ん中の1匹が口を大きく開け火球を作り出している。どうやら火魔法を使えるみたいだ。


「ファイヤーボール跳ね返します!」


放ってきた火球の前にポータルを出して吸い込み、いつものように反射する。反射した火球はそのままラバコダイルに激突した。しかし全く効いてないのか怯まずこちらに近づいてくる。


「反射したらダメ…、回復される…。」


効いていないどころか回復までしてしまうらしい、聞いてない。


「わかりました、別の方向に返します。」


「中央はカスミさんに攻撃してもらって~。ユウは右を~、私は左を相手するわね~。アカリさんは攻撃の無力化に専念して~。」


ルリさんの指示に従って魔法の準備をしながらモンスター達に指示を出す。


「カスミ、ウォーターボール!マルも針千本!」


真ん中のラバコダイルに向けて遠距離組の集中攻撃をしてもらう。水が弱点なのか大きく怯んだ。そうこうしていると、ルリさんが接近していってるラバコダイルがファイヤーボールを撃とうとしている。


「ルリさん、ポータルで弾きます!」


ルリさんは走りながらこちらを向き頷き、そのまま進んでいく。さっきまで持っていたピッケルから銃に切り替えて突き進む。また新しい銃を作ったみたいで見たことない形をしている。飛ばしてきた火球の前にポータルを展開して防ぐ、ルリさんはそのポータルを盾にして裏から射撃とリロードを繰り返している。そんな使い方するんだ、頭いいな。

ルリさんの方は一旦安心かなとユウさんの方を見ると既に接敵してラバコダイルと格闘している。大きな口を開けて噛みつこうとしたり、体を降って尻尾を払ったりするのを見切ってユウさんは避けながら短剣で斬りつけている。危なげなく攻防を繰り広げている、あまりサポートいらないかもしれないな。

と、目をそらしていると中央にいたラバコダイルがこっちに向かって大きく口を開け突進してきている。だが、慌てずポータルを出してルリさんが相手しているラバコダイルの上から落とすように出口を出す。思った通りにラバコダイル同士をぶつけることに成功した。そんなゴタゴタしたところに向けてカスミのウォーターボールが炸裂して2匹ともノックダウンしてアイテムになって消えた。

どうやらユウさんの方ももう終わったみたいでアイテム回収をしていた。なんとか無事終わったみたいでよかった。


一応警戒で探知の確認をしたが、反応はなく一旦は安全になったようだ。警戒態勢を解くとカスミがアイテムを掴んで持ってきてくれた。


【ラバコダイルの皮:火属性に耐性のあるラバコダイルの皮】


赤と黒のグラデーションがきれいなまま皮になっていた。鰐皮って現実だと高級品だけど、ゲーム内だとどうなんだろうか。


「ルリさん、このアイテムって高いんですか?」


「ん~?結構大量に手に入るからそうでもないかな~。皮装備としては人気だけど~?」


そんなうまい話じゃなかったようだ、残念。


「魔導書の更新にも使えるから集めとくといいかもね~。」


あ、その使い道があったね。そろそろ更新したほうがいいんだろか。



その後も採掘と戦闘を交互に繰り返し、この広場の採掘ポイントはすべて取り終えた。

|ω・) 暖かったり寒かったり、ラジバンダリ

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