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54 真っ赤な鱗


一行は荷車に揺られながら火山に向かっていた。森を抜けていつもの道を今日は反対側へ曲がり、鉱山とは真逆の山へ進んでいく。山の頂上火口付近からは黒い煙が立ちこめており、今にも噴火しそうな赤々しい光が漏れていた。

っと、ナレーションっぽいことを心の中でやってみた。今はみんなでしゃべりながら向かってます。


「もふもふ…、気持ちいい…。」


ちなみにユウさんはウサ吉に顔を埋めている。結局圧に負けてウサ吉を犠牲にしてしまった。ま、ウサ吉も満更でもない顔してるからいっか。


「それで火山エリアってどんなとこなんですか?」


「ん~、基本的には一本道なんだけど~。周りが溶岩だから落ちちゃうと大変かな~。」


それは大変で済むことなんだろうか?めちゃくちゃ熱かったりしたりしないの?


「それってもし落ちちゃったら?」


「大丈夫…、ちょっと熱いお湯くらいだから…。」


「けっこうダメージ食らっちゃうので落ちないようにしてくださいね~。」


諸注意を受けたところで火山エリアの入り口までたどり着いた。一旦荷車からみんな降りて、バックに荷車はしまった。今はモカさんとウサ吉のみ召喚しているので、残りの枠でカスミと社員さんにマルを出して準備完了。マルは私の頭に乗せ、カスミは私に追従するように指示し、社員さんはルリさんとユウさんの二人のサポートに回るように言っておいた。今日は二人共近接装備で来ているらしいのでそのサポートを私達でやるという段取りだ。


中に入るとムワッとした熱気が顔に襲ってきた。道の左右は少し段差になっており、下には一面溶岩が広がっていた。ポコポコと泡が吹き出る溶岩からは、ちょっと熱い程度で済むのか心配になるような風景だった。


「さてと~、今日の予定はアイテム集めがメインなんだけど~。モンスターは耳が良いから寄って来ちゃうのよね~。」


「はい!モンスターって何が出るんですか?」


「それは~、出てきてからのお楽しみかな~。」


と、勿体つけるルリさんに付け加えるようにユウさんが呟いた。


「もふもふじゃない…。」


どうやらユウさんのもふもふ判定には引っかからないモンスターらしい。どんなモンスターか楽しみだね。


「じゃ~、足元に気をつけて出発~。」


ルリさんの号令に従って道なりに進んで行く。先頭はルリさんでその後ろに私たち、最後尾にユウさんと言う布陣だ。探知は一応常時発動しておく、警戒しておくことに越したことはない。3分ほど歩いたところで野球場くらいの広場に着いた。至るところに黒い岩が隆起している。よく見ると岩にはオレンジ色に光る線が不規則に伸びていた。


「じゃ~、ここで一旦採掘しよ~か~。アカリさんとユウは周囲警戒しててね~。あとマルちゃん借りるわね~。」


どうやらこの岩が今回の目的のアイテムらしい。私の頭からマルをさっと流れるように取ってルリさんは採掘に向かった。岩の横にマルを置いて、ルリさんはピッケルを出した。


「それじゃ~、よっと~。」


勢いよくピッケルを振り採掘を始めた。マルもそれを見て丸くなり岩に向かって転がりゴリゴリと採掘を始めてくれた。がんばれマル。カンカンとゴリゴリが辺りに響き渡っていた、このセッションを聞いていたら急に周囲にモンスターの反応が出てきた、しかも3匹もだ。よくよくマップを見ると反応は溶岩の中からだった。


「モンスターの反応が出ました!正面奥の溶岩の中に3匹です!」


情報を二人に伝え戦闘態勢を取る。ルリさんとマルも採掘を中断して警戒態勢を取る。モンスターの反応はだんだんとこちらに近づいて来ている。あと少しで広場の上に上陸してくる。魔導書を構えて身構えると、溶岩の中からは真っ赤な鱗に覆われたワニが勢いよく出てきた。


「ラバコダイル?」

|ω・) バック?バッグ?

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