48 ミストオウル
帰り道でルリさんが置いてきたモカさんの荷車を回収した。中には大量の丸太が積んであった。二人で探索しにいった間にこんだけの木を切ってたのか、ルリさんどうやったんだろ。手慣れた手付きでモカさんに荷車を繋げてさっさと帰る。
「にしてもルリさん、こんなに木材必要なんですか?」
「ん~、多分これでも足りないくらいだよ~。また時間あったら手伝ってほしいくらいだよ~。もちろん報酬ありで~。」
これでも足りないらしい、家建てるのにどんだけ必要になるんだろうか。今後もこの森にはお世話になるみたいだった。ネットスパイダーのテイムはその時でもいいかな。
「時間ある時ならいいですよ。」
そんなやり取りをしながら森を歩き進む。
今日はあれだけ戦闘したし、このまま何もなく帰りたいな。と考えてしまったのがいけなかったのか探知に反応があった。ま、そう上手く行かないよね。探知の反応にはモンスターのアイコンが不明で表示されてるんだけど。
「前方からモンスターの反応が!あっ、でもネットスパイダーじゃないみたい。」
あれ?この森ってネットスパイダーだけじゃないの?
慌てて戦闘態勢を取ると周囲には白い霧が立ち込めてきた。これってまさか。
「ミストオウルだね…。」
やっぱりそうか。でも探知で反応するようになったのね、未だに実際には出会えてないのだけど。
そう、前回の戦闘では結局霧の中で仕留めてしまったため姿を見れてないのだった。
「戦闘は私に任せてもらっていいですか?できればテイムしたいので。」
その提案に二人共すぐに了承してくれてた。私はみんなより前にでて、頭にはマルを乗せて戦闘に挑む。前回の戦闘で対処法は分かっている、魔導書を開いてポータルの準備をする。あとは敵の出方を伺うだけ。前回と違い今回は探知で敵の方向がわかっているため迎撃は簡単だろう。
身構えていると前方から水魔法の攻撃が飛んできた。それに合わせてポータルで反射する。霧の中に撃ち返した水魔法は鈍い音を立てて何かに当たる、そのあとに地面に何かが落ちる音がする。急いで音のする方へ走りながらマルに指示を出す。
「マル、見つけたら倒さない程度に攻撃して!」
霧を裂きながら進むとやっとミストオウルがお目見えした。地面に落ちたミストオウルは透き通るような白く光沢のある羽根に包まれており、少し神々しささえある。
癖で観察をしているとマルは容赦なく針千本で攻撃を始めた。地面に無数の針が突き刺さりながらミストオウルを攻撃する。ある程度攻撃し終えると針を飛ばすのをやめ、マルが私の頭を叩く。きっと弱ったのだろう。
「よし、じゃテイム!」
《テイムに成功しました》
予定外だったけどミストオウルのテイムに成功した。名前はどうしようかな、二人にもきいてみよう。
テイムが終わると霧が消えていった。二人のもとに戻ってテイムしたことを報告する。
「おかえり…、おめでとう…。」
「おつかれ~」
「名前何かいい案ありませんか?」
そんな提案をしつつまた帰路についた。
|ω・) 短くてすまん
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