38 はぁ、イケメン
荷車を置いていたゲートの外まで移動した。そう言えば使い終わった荷車ってどうすればいいんだろうか。ずっと引いてくわけにもいかないし。
「ルリさん、この荷車って普段はどうすればいいんですか?」
「便利なことに小さなアイテム化ができて、ポーチなんかにしまっておけるわ~。荷車の側面に触ったらメニューが出るから操作してみて~。」
言われた通りに触ってみると、見慣れたパネルが出てきてアイテム化というボタンが表示された。押して見ると目の前の荷車が小さくなり、ミニチュアみたいになった。確かにこれなら持ち運べそうだ。
「ありがとうございます、こんな便利な機能まで。」
「いや~、それは元々ある機能よ~。少し大きめのアイテムなんかは大体小さくできるわ~。」
そんな便利な機能があったとは知らなかった。まだまだゲームのことほとんどわかってないんだなって改めて感じた。
とりあえず、改めて社員さんとレイを召喚して見る。道中渡してもらったサドルと取り出して、それぞれに装備していく。
社員さんのサドルはやはりバイクのサイドバックのような感じになっており、ちゃんと似合っている。映像で見せてもらった通りに背中部分の斑点模様が見える設計なので個人的チャームポイントの光る模様が見えてグッジョブって感じだった。
レイの方はというと、首下から背中を覆うような皮ベストでレイのサイズが小型犬くらいならとても可愛いのだろうけど。どちらかというとなんだか紳士服を着た巨大なわんこって感じでこれはこれで似合っているが、少しサイズ感的に面白くも思う。これに乗れるのかと思うと少しワクワクもする、走ったら気持ちいいんだろうなあ。はぁ、イケメン。
どちらもとても似合っており、これでダメージが抑えられるのはとてもありがたい。ルリさんのデザインは私の好みにピッタリで大好きだ。
「どっちも似合っててほんとありがとうございます。」
「いえいえ~、こっちもちゃんと手伝ってくれて助かったわ~。ほんとは荷車に屋根とかつけたかったんだけど、素材が足りなかったからそれはまた今度ね~。」
荷車の方はまだ改良の余地があるらしい。今後の楽しみにしておこうかな。
「そう言えば、今日はユウさんはどこ行ってるんですか?」
「ユウにはアクセスの街付近の川辺で素材取ってもらってきてるわ~。そろそろ帰ってくるんじゃないかしら。」
ユウさんもどうやら素材採取の手伝いをさせられているみたいだった。
「スクショも取れたし、私はそろそろ戻りますね~、レンタル時間がもったいないですし~。」
「はい、今日はいろいろありがとうございました。」
「何度も言ってるけどお互い様よ~、ありがとうね~。それじゃね~。」
ルリさんはパーティーを抜けて町に戻っていった。
私は好奇心が抑えられずにレイの背中に乗ってみた。乗るためにレイは伏せの体勢になってくれた、ありがとうね。座席に座るとレイがゆっくり立ち上がった。目線がすごく高くなって少し怖いが、それとは別にいつもと違う風景にワクワクもしている。一度社員さんを魔結晶に戻し、いざ出発する。目的地は鉱山前の南側の森。
|ω・) さぶい、しぬ
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