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37 手伝いの報酬


鍛冶場は今日も盛況で、多くの人が一生懸命に金槌を振っている。と言ってもここに来るのは2回目なので普段がどれくらい人がいるのか分からないんだけれども。

トコトコと歩いてくルリさんの後を追うように付いていくと一つの扉の前に着いた。扉の横でルリさんは出てきたパネルを操作すると扉が開いた。


「ルリさんここは?」


「ここは個人用の作業場です~。公衆用よりも値段は高いのですがいろいろと便利なので今日はお借りしました~。たっぷりこれから精錬いたしますのでどんどん荷車から運んできてくださ~い。」


言われたとおりにゲートの外に置いてきた荷車から持てるだけ鉱石類を持ってルリさんの元へ運ぶ往復する。に、してもなかなかな重労働だ。ルリさんは顔に似合わず人使いが荒い気がする。


4~5往復目くらいになるだろうか、部屋に入ると隅に設置してある精錬炉からルリさんがどろどろに解けた金属を鋳造型に流し込んでいた。黄色とも赤とも言えない眩い光りを放つ液体がみるみるうちに冷え固まり、やがて銀色の金属光沢のある物に変わっていく様子に見惚れてぼーっと見てしまっていた。


「あら~、そんなに面白いの~?」


「はい、初めて見ました。こんなにも綺麗だとは思いませんでした。」


「ね~、私もこのゲームで初めて金属の加工なんてものをやったんだけど綺麗だよね~。後でもっと面白いの見せてあげるから運搬頑張って~。」


「はーい。」


それから30分ほど往復してやっとすべての荷物を運び終えた。終わった頃には一仕事やりきった達成感でいっぱいになっていた。


「ルリさん、終わりましたよー。」


「お疲れ様~、はいこれあげる。」


渡されたのはコーヒー牛乳だった。私は腰に手をあてもらったコーヒー牛乳をぐいっと飲み干した。仕事終わりのコーヒー牛乳は体に染みますね。おかげで少し元気を取り戻した気がした。


「さて、じゃ報酬にいいものを作って上げましょ~う。」


そう言ってルリさんは操作パネルを出して私の横に立って見せてくれた。

パネルには半透明なシャインディアの映像とその背中に跨るように2本の紐で繋がれた2つのバックだった。


「まずこれがシャインディアのサドルのデザインなんだけどどうかな~?胴体にぐるっと回す感じにしたんだけど~。」


「いいですね!背中の光る模様もこれなら見えますし、ちょっとしたアイテムを入れられそうですね。」


「そんなに容量はないから気持ち程度にはなっちゃうけどね~。それと次が~、これ。」


次に出てきたのはキングウルフの映像だった。これはレイの分のものなのだろう。皮のベストのようなデザインに背中にはプレイヤーが多分乗るのであろうちょっとした座席が着いていた。


「これはこれでかっこいいですね。レイに似合うと思います。」


「気に入ってくれてよかったわ~。これを装備するとダメージ軽減が10%つくからとてもいいわよ~。」


「デザインは全部ルリさんがやったんですか?」


「ゲーム内の装備や武器は全部プレイヤーが好きにデザインできるからね~。これは私が1からデザインしたものですよ~。」


そう、このゲームの魅力の1つでもあるクラフト要素には決められた容量内であればプレイヤーが好きにデザインし作成することができる仕様になっている。そのためNPCが運営する店で販売している物以外の武器などはほとんどが一点ものが多い。


「でもいいんですか?こんなにもらって。」


「ええ、もちろんいいわよ~。現状、こんなに大量にアイテム運べる人材ってそう居ないからとても助かるの。だからお願い、今度また時間があったら付き合ってほしいな~。」


「ルリさんはテイムスキル取ったりしないんですか?」


「それが、私はほとんどクラフト関係のスキルで埋まってるの。それにまだ取ってないものとかもあるから、当分は取れないわ~。」


「そうなんですね。テイマー仲間が増えると嬉しいんですけど。」


「最近は掲示板にちょくちょくスキル取ってる人が情報出してくれてるわよ~。アカリさんはあんまり見てない感じかしら?」


「ええ、あんまりそういうのは見ないですね。たまに自分のSNSにスクショを上げるくらいで。どういうモンスターがいるのか気になりますけど、先に知っちゃうと楽しみが減っちゃうというか。」


「そうなのね~。よかったらスクショ取らせてもらってあげてもいいかしら?」


「それは全然いいですよ!今からでもいいですか?」


「ええ、行きましょう~。」


とりあえずルリさんは今やってる作業を終わらせ、残りは帰ってからやることにするらしい。少し片付けをし、一緒に町の外まで行った。

|ω・) いんふりゅーでした。

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