03 ステータス
降り立ったのは大きな噴水の前だった。遠くには辺り一周を囲む大きな城壁がそびえ立っていた。
周りは多くの人でごった返しており、すごくにぎやかな場所だった。
「さて、まずは何をしたらいいのかな。」
そんなことをつぶやきながら辺りをキョロキョロしていると半透明な矢印が出ていた。
視界の左上には『ギルドに向かい、冒険者登録をしよう』とでている。
たぶんこれがチュートリアルなのだろう。そう思いながら矢印を追って歩き出した。
矢印に沿って歩きながら道沿いの街並みを見ながら進んだ。道は灰色の石畳になっていて、建物は白い壁の中に黒い木材で枠組みをとっており白と黒を基調として造られた。屋根は色とりどりに染色されていて、モノクロな風景に彩りを添えていた。
歩いて1分くらいの所に他の建物よりも少し立派な建物があり、その中に向かって矢印が続いていた。少し大きな扉を開けて中に入ると木製の机と椅子がきれいに並べてあった。奥にはカウンターがあり、その後ろの壁の棚には数種類のガラス製の瓶が並んでいた。
どう見ても酒場にしか見えないこの建物がギルドで間違いないのだろうか。そんな不安をいだきながらカウンターに立っていたお姉さんに話しかけた。
「ここはギルドで合っていますか?」
「はい、ここは冒険者ギルドです。冒険者登録をご希望ですか?」
「は、はい。登録希望です。」
「では、この水晶に手をかざしてください。」
そう言ってカウンターの下から出した丸くて透明な水晶に手をかざしてみると少し発光したあとに元に戻った。
するとカウンターのお姉さんはどこからか四角いカードを持っていた。
「こちらが冒険者カードになります。ですがまだ仮登録になるため、まずは冒険者ランク1になるための簡単な依頼を受けてもらう必要があります。」
「何をすればいいんですか?」
「城壁の外の平原にいるコットンラビットの兎毛の回収が依頼内容です。戦闘経験はございますか?」
「いいえ、初めてです。」
「でしたらカウンター横の扉の奥に訓練所があるので、そこで訓練教官に訓練を受けて行ってください。」
指示された通りに扉の奥に進むと屋外に出た。屋外は壁に囲われていて中庭のような形だった。
扉を出て左の壁際には色んな種類の武器が立て掛けてあり、反対の壁には藁でできたかかしや白くて丸い的などが並んでいた。
そんな訓練所の真ん中には一人の男性が腕を組んで立っていた。見た目は細身だがしっかり筋肉の付いていて、顎には少し髭が生えているが清潔な感じのする中年くらいの男性だった。
いわゆるイケオジって感じの人ですね。ま、私はタイプじゃないんですけど。
「やぁ、私はここのギルド長のジェフだ。新人の訓練教官もやっている、スキルについてもある程度詳しいから気になることは聞いてくれ。」
そう言って白い歯を光らせていた。ますます苦手なおじさんかもしれないと思いながら色々聞いてみることにしてみた。
「まずはステータスを開いて私にみせてくれ。」
と言い終わるとまた視界の左上に操作説明が出てきた。それに従い操作を行うと目の前に半透明のパネルが出てきて数字と文字が並んでいた。
【アカリ】Lv1
体力(HP) 50/50
スタミナ(ST) 50/50
筋力(STR) 10
知力(INT) 10
俊敏性(AGI) 10
器用さ(DEX) 10
重量(WT) 10
ステータスポイント:10
スキル:< > < > < >
装備:
ついでにステータスについての説明も出てきた。
レベル(Lv)は戦闘経験やアイテムの作成などで経験値が貯まると上がる。上がると一緒に他のステータスも上昇する。
体力(HP)は0になると倒れてしまうため注意。回復薬や魔法で回復が可能。
スタミナ(ST)はアーツや魔法を使うのに必要。使用すると減少し、時間経過で回復していく。
筋力(STR)は武器などでの直接攻撃する際に関係してきます。
知力(INT)は魔法での攻撃や回復する際に関係してきます。
俊敏性(AGI)は移動などの行動に関係してきます。
器用さ(DEX)はアイテムの作成時に関係してきます。
重量(WT)は持ち運べる荷物の重量が増えます。
ステータスポイントは自分のステータスに自由に割り振る事ができます。レベルアップするなどで獲得することができます。
スキルは枠の数だけ取得可能です。スキルを覚えることでアーツや魔法が使用可能になります。またレベルが上がると枠数が増えたりします。
所々ふわっとしてる説明だなっと思いながら画面をジェフに見せた。
|ω・) 主人公のステータスは参考値程度で
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