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27 ブラッドカウ


まだ地面に顔をおろしてもぐもぐと草を食べている様子で、そのモンスターはこちらには気づいてないようだった。


荷台にウサ吉を待機させ、社員さんとレイを連れて少しづつ近づく。少し離れた場所で2匹を低い姿勢にし望遠鏡をポーチから出してモンスターの様子を確認する。


名前は「ブラッドカウ」、血の牛?どうやら牛のモンスターらしい。名前のブラッドとは裏腹に体毛は真っ黒の毛で被われていた。普段私が見たことある牛と大きさとあまり変わりないが寸胴の体ではなく上半身を血管の浮き出るほどの筋肉を纏い下半身はキュッと締まっている。頭には2本の長い角が生えており、あの角に刺されたらひとたまりもないだろう。見た目は牛というよりはバッファローに近い見た目のモンスターだった。


まずは戦ってみようと思い、魔導書に魔法セットを行いながら社員さんとレイに指示を出す。


「社員さんはレイの体力を見ながら回復を、レイは私がポータルでやつの上につなぐから首元目掛けて噛み付いて。暴れてきたら一旦距離を置いて隙を見て攻撃。」


2匹は低い姿勢を保ったままこっちを向いてうなずいてくれた。ポータルをまずは目の前に設置し、レイに指で行けと合図する。合図とともにレイがポータルに飛び込もうとするのを見ながらブラッドカウの頭上に出口を出した。

勢いよくレイが跳び出しブラッドカウの首元へ噛み付いた。だが倒すには至らずブラッドカウに振り払われた。レイは華麗な身のこなしで着地し戦闘態勢を取って様子を見ている。


「ンゴォーーー!!」


ブラッドカウが大きな雄たけびとともに様子が一変した。全身を葉脈のように張り巡らされていた血管から赤い光が漏れ全身を黒い体から綺麗な真っ赤な模様が浮かび上がった。全身からは蒸気が発され殺気に満ちた目でこちらを見ていた。

なるほど、ブラッドの意味はこういうことか。一見綺麗な模様に見えるが殺気を纏うと少し禍々しい見た目の雰囲気を醸し出していた。


「レイ、遠吠えと風纏い。社員さんは変わらずレイのサポート。」


指示通りレイは風纏を発動させ、大きな声で遠吠えをしバフをかけた。その声に釣られたのかブラッドカウはレイの方に向き直り前足で地面をその場で撫でるように踏み込む。

するとブラッドカウは前傾姿勢になり勢いよくレイに向かって突進しだした。あんな巨体に突進されたら私は一発KOだろうなと思いながらレイの様子を見ていたら、さすが狼と言うべきか軽い身のこなしで突進を躱しブラッドカウのお腹に前足で裂いた。

だがブラッドカウは倒れることなく通り過ぎた後、ドリフトするように方向転換し再度レイに向かって突進する。しかしレイに当たることなくまた同じように躱しながらすれ違いざまに前足の爪で切りつけた。

少し体制を崩しながら通り過ぎるブラッドカウは勢いを殺しながら減速していく。その後こちらに再度向き直ると纏っていた殺気が消えその場に崩れ落ちた。そのままポリゴンになり消えていった。


倒れた場所にはアイテムが2つ落ちていた。

【ブラッドカウのロース肉:脂身の乗った赤身肉、料理の材料】

【ブラッドカウの角:武器などの素材になる】


お肉美味しそうだなぁー。

|ω・) 牛タンが好き

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