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21 謎の美女

描写がとんでていたので修正


「大丈夫…?」


と抑揚のない少し無気力な声に私は振り向き返事をした。


「うん、大丈夫。助けてくれてありがとうございます。」


お礼を言ってお辞儀をした。顔をあげるとそこには私より頭1個分くらい高くてスラッとした長い金色のポニーテルの謎の美女が両手にナイフくらいの剣を持ち立っていた。


「よかった、間に合って…。」


無事を確認して安堵したような返事だった。がしかし相変わらず無気力な声が帰ってくる。

にしてもきれいなお姉さんだ。目は少しけだるげだけどそれ意外は凛とした雰囲気を出している。

見とれていると謎の女性はあっという間にシルバーウルフたちを倒していった。

少し緊張しながらも勇気を出して聞いてみる。


「あの、私はアカリっていいます。お名前を聞いてもいいですか?」


「私は…、ユウ…。」


きっとこのテンションが彼女の普通なんだろうか。クールと言うか、無口で不思議な人だ。でも助けてくれたのだからいい人なのだろうか。


「シルバーウルフを倒そうとしたんだけど、罠を見破られちゃって囲まれちゃったんです。ほんとに助かりました。」


「そう…、助けに入って正解だった…。」


「キングウルフを倒しに来たんですけど、その前にシルバーウルフにやられるとこでした。ユウさんは?」


「私も同じ…。でも倒せなかったからレベル上げをしてた…。」


ユウさんも同じ目的のようだった。でも残念なことに私より強そうなユウさんでも倒せなかったのか。


「私よりも強そうですけど、ダメだったんですか?」


「うん…、一人じゃダメだった…。」


「パーティーとか組まないんですか?」


「私、友達いない…、から…。」


「それはなんかごめんなさい。」


地雷を踏んでしまったようだ。ま、私も一緒にやる友達いないんだけど。

にしてもさっきからユウさんの視線がすごく気になる。恥ずかしがり屋なのか、さっきから私の足元に視線が行っている。

つられて私も自分の足元を見てしまった。そこにはくつろぐウサ吉がいた。


「触ります?」


「いいの、触って?」


ユウさんの目がやっと輝いた気がした、めっちゃ期待している目だ。

そっと足元にいるウサ吉を抱き上げて渡してあげた。受け取ったユウさんは少し光を取り戻した目を細めて優しい顔になった。にこやかな美人さんって感じで朗らかな雰囲気をかもし出していた。


「ユウさん、抱きながらでいいんだけど聞いてもいい?」


こくこくと首を縦に振って答えてくれた。なんか小動物みたいでかわいいな。


「今レベルはどれくらいなんですか?」


「今さっきのでレベル5になったよ…。」


「おぉ、おめでとうございます。ちなみにもう倒せそうなんですか?」


「一人じゃまだダメだと思う…。キングウルフとの一騎打ちなら倒せそうだけど、ボス用のフィールドに子分のシルバーウルフもいて邪魔…。どっちかだけなら勝てると思う…。」


なるほど、専用のフィールドがあってボスのキングウルフと子分のシルバーウルフがいるのか。一人じゃたしかに大変だ。


「じゃぁ、ユウさんがいいなら私たちと一緒に挑んでみませんか?って言っても私まだレベル4だから囮くらいにしかならないかもだけど。」


「名前教えてほしい…。」


あっ、まだウサ吉と社員さんの紹介をしてなかった。


「えっと、今抱いているのがウサ吉で足が速いのが特徴かな。こっちの子が社員さん、回復魔法を使えるよ。」


「ありがとう…。わかった、一緒に行こう…。」


即答である。そして次は社員さんに興味が移ったようだ、ウサ吉を撫でる手は止まってないが目が今は社員さんに向いている。


「社員さんも撫でます?」


こくこくとまた首を振ってウサ吉を私に返してくれた。そしてさささっと素早く移動して社員さんを撫でだした。いまいちいい人なのかわからないな。


ユウさんから返してもらったウサ吉の体力が少し減っていたのでステータスを確認してみた。


【ウサ吉】(コットンラビット)Lv5

体力(HP)   25/45→25/55

スタミナ(ST) 32/32→32/36

筋力(STR)   18→21

知力(INT)   10→12

俊敏性(AGI)  30→40

器用さ(DEX)  10→12

重量(WT)   7→9


スキル:<衝撃吸収:Lv4> <収集(植物):Lv4> <増毛:Lv1(NEW)>


いつの間にかウサ吉にレベルを超されていた。ま、さっきも頑張ってくれてたしね。そして何かスキルが増えている。

増毛はスタミナを半分消費してなんと毛が増えるらしい。ちなみに増毛中は打撃ダメージを無効化し、斬撃ダメージを軽減するそうだ。


「打撃?斬撃?」


「攻撃には斬撃と打撃、魔法がある…。」


つい口に出してしまった。そしてユウさんが親切に答えてくれた。そうか、そんなのがあるんだ。


「どう違うの?」


「鋭いものや尖ったものが斬撃、殴ったり叩いたりが打撃、魔法はそのままの意味…。」


これまた丁寧に答えてくれた。ただ聞いてもピンとこなかったためついでに聞いてみた。


「このスキルってどうなんですか?」


ウサ吉のステータスを見せて聞いてみた。すると興味が次はこっちに移ったのかまた素早い動きでこちらに寄ってきた。


「無効化は強いと思う…。よかったら見てみたい…。」


目をキラキラさせながら答えてくれた。期待に押しつぶされそうなのでウサ吉にやってもらおう。


「ウサ吉、増毛!」


「キュキュッ!」


今まではバスケットボールくらいだったウサ吉が返事とともにボンッと膨れ上がりバランスボールくらいの大きさに変身した。

少し驚いたけどさらにもこもこ度がましてつい手が伸びてしまった。手を当てるとどこまでも沈んでいきそうなくらいもこもこだった。そして案の定、ユウさんがそわそわしながらこちらを見ていた。


「ユウさんもどうぞ?」


答えるとすぐにウサ吉に詰め寄り、幸せそうに撫でていた。

たぶんユウさんも私と同じでただのモフモフ好きなのだろう。そしてモフモフ好きの人に悪い人はいないと私は思っている。

とりあえずただ大きくなるだけでなくちゃんと使えるスキルのようだ。


そんなことより私はこのモフモフに耐えられなくなったのでウサ吉に飛び込むように抱きついたのであった。

|ω・) ダウナー系美女

誤字脱字等ありましたら報告いただけると助かります。感想もお待ちしております。

更新は毎週火曜と金曜を予定してます。

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