18 トレードショップ
ギルドから出て大通りを歩いて次の目的の場所へ向かった。
掲示板で調べて買いたいアイテムをいくつか見つけていた。
まずはいつもの雑貨屋さんへ足を運んだ。ここで買いたい物はずばり望遠鏡だ。かなり遠くまで見ることができ探索の役に立つらしい。
私としては遠くから気づかれずにモンスターを眺めることができる神アイテムなのだ。
あとは念のため回復薬などを買って、余っているヒールベリーなどを売却した。
次に向かったのは雑貨屋さんから少し離れた場所にあるトレードショップと言われるお店だ。ゲーム内でプレイヤー同士でアイテムのやり取りをするには2種類あるらしく、その一つがこのトレードショップらしい。ここでは売りたいプレイヤーがアイテムと出品額を設定し登録する。買いたいプレイヤーはアイテムを検索し、その中から選んで購入するという手順である。メリットとしては売りたい側は登録さえしておけばいつでも売却できる。が、デメリットとして手数料がかかるため売上の一部を徴収されてしまう。
もし買いたい物が出品されてなかった場合や、素材との交換などを希望する場合は依頼としてプレイヤーがギルドの依頼のように発行する事もできる。
総じてプレイヤー間での取引に便利な施設となっている。
ちなみにもう一つの方法は直接プレイヤー同士で会ってから売買する方法もある。こちらは直接会う必要があるためその手間がかかるが、手数料がないのとその場で金額を決められるらしい。アイテムの生産をしているプレイヤーの一部はこの方法でしか売らないって言う人もいるらしい。
とことこ歩くこと数分、トレードショップにたどり着いた。外観は大きな白い石柱が入り口の両側に立っており壁や床なども真っ白い材質のものでできていた。中には真ん中に赤い絨毯が敷いてあり、天井には大きなシャンデリアが飾ってあった。雰囲気的に少し高級なホテルのような内装をしていて少し緊張してしまった。
絨毯の先にはカウンターがあり、両脇には2階に繋がる階段が設置してあった。カウンターの中には白シャツに黒のスーツを着て、青いネクタイをした男性が一人立っていた。
カウンターの前には数人のプレイヤーが集まっていてそれぞれパネルの操作をしていた。先程ギルドで見たのと形式は一緒のようだった。
とりあえずカウンターに近づいてみると、カウンター内にいたボーイ風の男性から話しかけられた。
「トレードショップへようこそ、メニューからお好きな取引をお選びください。」
そう言ってニコッとされると、目の前に半透明なパネルが表示された。出品、購入、依頼の3項目あった。今日は購入を選んで操作を進めていく。
今欲しいのは、私の新しい装備と社員さんに装備できるサドルなんだけど。
まずは私の装備だけど、けっこう高い。今の所持金だと武器か防具しか買えなさそうだった。どっちかだけとなると安全第一でやっぱ防具かなと思い、私に装備できる防具に絞って検索してみた。
このゲームはデザインを細かく制作者が作成できるためいろいろなデザインのものがあった。その中から気に入ったデザインのものを探して購入を決意した。
【レッドボアの革装備:そこそこのしなやかさと耐久性がある装備。被ダメージ5%軽減】
赤茶色で膝上まである革のコートに白のパンツ、コートと同じ色のロングブーツになっていた。コートは長袖になっていて、袖は手首の部分が少し広がるような形でフリル状になっていた。同じくコートの裾部分もフリル状のデザインになっていて可愛くなっている。
購入を済ませると、出品者へメッセージを送れるようだったのでデザインが気に入った旨を書いて送信した。
武器は諦めることにして、社員さんのサドルを検索してみたが出品が全く無く少し悲しくなった。やはりあまりテイム自体人気が今のとこないようだ。
依頼の方も確認してみたがそれっぽいものは見当たらなかった。どうするか迷ったが諦められなかったので依頼を出してみることにした。
《シャインディアのサドルの作成依頼》
・依頼人:アカリ
・依頼内容:うちの子のサドルの作成をお願いします。レッドボアの革ならお渡しできるので、これで作成してもらえばと思います。費用や他に必要な素材あれば要相談でお願いします。
・タグ:サドル テイム
誰か作ってくれる人が現れるといいけどと願いながらしれっと撮っていた朝日で光る社員さんのスクショをつけて発行した。手数料として少しお金を取られたが致し方あるまい。
とりあえず今日の買い物は済んだので、ギルドで受けた依頼をこなしにまた街の外へ行くために城門へ向かって歩いていった。
|ω・)お買い物回?
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更新は毎週火曜と金曜を予定してます。




