15 レッドボア
今日もきれいな着地を決めたウサ吉に心の中の審査員も満足していることだろう。拍手を送ってやりたいがウサ吉の体力の回復が先だ。ポーチからヒールベリーを渡し、社員さんを召喚した。
「社員さん、ヒールでウサ吉の体力を回復してあげて。」
社員さんは首を2回縦に振ったあと少し光って魔法を発動させた。体力ゲージが徐々に回復していくのを見ながら一先ず安心した。
レッドボアを倒した場所にはお肉と革が転がっていた。食べ物が地面に落ちてるのは衛生的にどうなのだろうと思いつつもポーチに収納した。
【レッドボアの肉:筋肉質だが味わい深いお肉、料理の材料】
【レッドボアの革:そこそこ丈夫な革、防具やサドルなどの素材】
料理スキルは取ってないので肉の使い道は売る以外なさそうだが、味には少し興味が湧いてきた。革の方は使用用途が多そうで少し集めたいと思ってしまった。防具の更新をしたいのもあるが、サドルはどうやら一部モンスターに装備させるものらしく、騎乗ができるようになったり荷物の運搬の助けになったりと種類によっていくつか機能があるようだった。
にしてもなぜレッドボアに気づかれたのだろうか、イノシシだから鼻がいいのかもしれないなと考えていたらちょうどウサ吉の回復が終わったようだった。
元気になったウサ吉を社員さんの背中にのせながらウサ吉のステータスを確認した。
【ウサ吉】(コットンラビット)Lv3
体力(HP) 40/40→45/45
スタミナ(ST) 30/30→32/32
筋力(STR) 15→18
知力(INT) 10
俊敏性(AGI) 25→30
器用さ(DEX) 10
重量(WT) 5→7
スキル:<衝撃吸収:Lv3> <収集(植物):Lv4>
ちゃんとウサ吉もレベルアップしていた。体力が未だに心もとない数値だけど衝撃吸収のおかげで意外と数値以上にタフになっているかもしれない。にしても定期的に収集してくれてるおかげでスキルレベルの上昇が早いな。やはりと言うべきか、俊敏性だけ飛び抜けて高いのはご愛嬌のようだ。
さて今後のために少し革を集めて帰ろうと思いすこし寄り道することにした。レッドボアを探してフラフラしていると何かを食べているレッドボアの集団を見つけた。3匹のレッドボアたちは木の根本に生えている赤いキノコをむさぼっているようだった。あれはガッツキノコだ。
なるほど、だからさっきのレッドボアに気づかれたのか。さっきウサ吉が持ってきたガッツキノコを1つポーチから出してレッドボアたちの足元に投げてみた。
一番近くにいたレッドボアはそれに気づいたのか投げたガッツキノコを食べだした。やはり彼らの好物で間違いないようだ。
好物がわかったことだし、作戦を考えた。と言ってもいつも通りだ、ポータルで罠を作って落とすしか私に手段はないんだけど。罠への誘導はウサ吉に任せるとして、もし倒せなかったら安心と信頼の鈍器(魔導書)で殴る、これもいつも通りだ。魔導書にポータルとワープをセットして、ウサ吉にガッツキノコを咥えさせて作戦を開始した。
ウサ吉はレッドボアたちに向かって走り出した。レッドボアたちの近くに行って挑発するようにウサ吉は跳ね回った。それに釣られてレッドボアたちがウサ吉を追いかけ始めた。
ウサ吉が走って逃げる先の地面に私はポータルの入り口を設置した。その後出口を上空に設置したが、私は一つだけいつもとは違うことをやってみた。前に思いついたことをついでに実践で試すことにした。
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