13 シャインディア
殴ったシャインディアはその場に倒れ込み気絶した。
なんとかなった安堵感に満たれつつその場に倒れ込んだ。先に戦っていたプレイヤーのおかげである程度体力が減っていて、うまい具合に落下のダメージで倒すことができた。プレイヤーの救出には間に合わなかったのは少し申し訳ないと思った。
《アカリのレベルが上がりました、ステータスポイントを10獲得しました》
《スキルレベルが上昇しました》
このゲームでは体力が0になるとその場で消え、近くの街にスポーンする。特にペナルティーとかはないため、そこまで彼に被害はないだろう。
これが街から離れた遠い場所であったりすると話は別だ、このゲームの移動手段は今のとこ限られている。更に遠いところへ行けば行くほどモンスターも強くなる。今の攻略組と言われている最前線の攻略をしているプレイヤーたちはこれに四苦八苦しているらしい。
あまり過ぎたことを気にしても仕方ないと思いつつ、目の前に倒れたシャインディアに意識を向けた。まだ気絶してうごけないようだった。2回目なので慌てることもなく落ち着いてテイムスキルを発動した。
《テイムに成功しました》
よしよし、うまくいった。私のレベルも上がったしいい感じだね。
とりあえずステータスチェックっと。ステータスポイントを振るの忘れてたしついでにやっちゃおう。
【アカリ】Lv3
体力(HP) 60/60→60/70
スタミナ(ST) 45/55→70/70
筋力(STR) 12→14
知力(INT) 12→14
俊敏性(AGI) 17→24
器用さ(DEX) 12→14
重量(WT) 12→14
ステータスポイント:0
スキル:<テイム:Lv3> <隠密:Lv3> <転移魔法:Lv3>
装備:質素な魔導書、質素な革防具
体力に5ポイント、スタミナに10ポイント、俊敏性に5ポイント振っておいた。スキルのレベルも上がってるけれど特にできることは増えてないようだった。
次にテイムしたシャインディアだけど、名前はどうしようかな。シャイン…ディア…、よし決めた。
【社員さん】(シャインディア)Lv3
体力(HP) 2/90
スタミナ(ST) 60/60
筋力(STR) 20
知力(INT) 20
俊敏性(AGI) 15
器用さ(DEX) 5
重量(WT) 40
スキル:<サンチャージ:Lv1> <回復魔法:Lv1>
ステータスは体力と重量が高いのかな。モンスターってアイテム持ったりできるのかな、あとで調べてみよう。
スキルの方はなかなか有用なものだった。
まずはサンチャージ、これは日光を浴びている間はスタミナが高速で回復するというものだった。逆に暗い場所だとスタミナ回復が少なくなるそうだ。
次の回復魔法は名前の通りだが、体力を回復するような魔法を覚えていくようだった。現在できるのはヒールという味方のみ回復する魔法だけのようだった。
「社員さん、今後はよろしくね。」
起き上がった社員さんに挨拶をするとウンウンと首を振って返事してくれた。某公園の鹿みたいにお辞儀してきてちょっと笑いそうになった。鹿界の挨拶はきっとこれが定番なのだろう、そういうことにしておく。
さて挨拶も済ませたし、ここからは私の至福の時間である。
まずは背中を撫で撫で、短い毛に被われていて表面はさらさらとした感触。光る斑点模様のところはほんのり温かく、太陽の匂いがした。
次は角だ、ガラスのようにつるつるで半透明の黒色をしていた。少しひんやりしていて気持ちよく、頬ずりしたい気持ちになった。
最後に足だけど、モデルもびっくりのほっそい足をしていた。これじゃ折れないか心配だよと思いつつも、足を触ってもしっかりと立ってぶれないのでたぶんこれが普通なのだろう。
戸惑う社員さんをよそ目にその後も全身くまなく触ってもふもふ成分を吸収していると、辺りはだんだん明るくなってきた。
|ω・) ネーミングセンス☓
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