番外編4 フリジャニ通信#5
SNSで告知通りに翌日の夜に公式生放送が開始された。
「「こんばんわ、フリジャニ通信へようこそ。」」
「本日も司会進行を務めます、プロデューサの笹沼Pです。それと?」
「ディレクターの竹岡さんです、よろしくお願いしますー。」
「さて、もうすぐ夏も終わりますけどみなさんどうお過ごしですか?学生さんは夏休みの宿題やったか?」
「私達は日々アップデートの制作に勤しんでますよ。」
「はい、ってことで今回は秋以降のアップデートスケジュールの紹介をしていこうと思います。」
アプデの情報と聞いてコメント欄は大盛りあがりを見せた。
「さてさて、まずはこちらをご覧ください。」
そう言って画面いっぱいに今後の週ごとの更新情報が表示された。
「はい、では1つづつ話していきますね。最初に明日のメンテにてスキルの種類を増やします。今回は一覧で表示だけにします。詳細情報は追加後確認してください。」
そう言って画面が移り変わり、種類ごとにスキル名が記載されたものが映される。
「では、この中からいくつか竹岡さんのおすすめのものを紹介してもらいましょう。」
「はい、目玉は武器関係のスキルですね。今回数十種の武器種を新規追加いたします。個人的に使ってもらいたいのが制作する際に苦戦した鞭ですね。モーションを作るのにだいぶ苦労しました。あとは珍しいもので言うと十手なんかもあります。あとは現状、条件を満たせば複数の武器種を1つの武器に適用させることができますが、今後の追加も考えてその条件を緩和いたしました。要するに複数種の武器スキルの適用がしやすくなるって感じですね。」
「てことで、みなさんイベントに合わせてスキルの見直しや武器の作り直しなんかを検討してみてください。生産職のみなさん、稼ぎ時ですよー。」
「自分だけの武器の組み合わせを追求してみてください。」
「そして、翌週。9月の最初の週から2週間、オータムイベントを開催します。まずはこちらのPVをどうぞ。」
そうして1本の動画が流れ始めた。
(それは新しく発見された鉱山でのことだった。)
「よーし、お前ら今日もバリバリ掘るぞ!」
「「おおー!!」」
カンカンとつるはしを振る男たち。一攫千金を求め、今日も肉体労働に励んでいた。
「おお、なんだこりゃ?」
坑道を奥に掘り進んでいると、急に空洞にぶち当たる。中を覗くと無数の蠢く何かがいた。
ギギギ
中から出てきたのは巨大な蟻たちだった。
「はい、ってことでご覧の通り、今回は鉱山に出現したジャイアントアントの討伐になります。こちらをご覧ください。」
そうして出された画像には数種類の蟻のイラストが描かれていた。
「このジャイアントアントは万を超えるコロニーを形成することで知られています。多数の蟻たちには役職があり、種類によって戦い方なども変わってきます。そして、たちが悪いことに奴らは連携し、襲ってきます。なおかつ、女王がいる限り際限なく増え続けます。という訳で、今回はジャイアントアントの女王を討伐することが目標です。」
「ええ、今回のイベントではプレイヤー同士で協力し、最奥にいる女王蟻を倒してもらいます。無事討伐されればプレイヤー全員に豪華報酬をプレゼントします。」
そうして出てきた画像には巨額の褒賞金とスキルリセット権、レア鉱石などが並んでいた。
「ちなみに運営としては討伐されない想定で難易度設定しています。ぜひ運営の想定を超えるプレイを楽しみにしています。」
「諸注意といたしましてイベントに参加した場合、イベント期間中は舞台となる炭鉱町から出られなくなりますのでご注意ください。また、アイテムの持ち込みは自身の重量の許す限りとします。また、この炭鉱町はできたばかりでほとんど何もございません。町の発展も今回の攻略の鍵になりますので生産系のプレイヤー方はそちらも頑張ってみてください。」
「何を持ち込んで、どう活かすか。イベントまでの間に大きなクランなんかは話し合ってみてはいかがでしょうか?」
「と、より詳しいイベントの内容は特設ページを確認してください。さて、9月後半の予定ですがレベル上限を30まで開放いたします。また10月以降にはマップの拡張も予定しておりますので、それに備えて鍛えてみてください。」
「ではみなさん、私達が用意したこの蟻の軍団を見事討伐してみてくださいね。ここまでのご視聴ありがとう御座いました。」
「ありがとうございましたー。」
そうして今回の放送も幕を閉じた。
|ω・)
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