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128 ニョキニョキ樹木作戦


ケホケホッ

「もう急にどうしたんですか?」


お茶を飲んでいたハルカちゃんが咽ながら聞いてきた。


「ふっふっふー、いい事思いついちゃった。われに秘策ありってね。」


「まーた良からぬことでも?」


「いやいや、あのカメを拘束して弱らせられるかもしれないんだよ!」


「またまたー。」


さっきのコミュニケーション作戦の失敗でハルカちゃんの信用はないようだった。


「まー、一旦話だけでも聞いてよ。耳貸して。」コショコショコショ。


「むむむ、それはいいかもしれませんね!」


「でしょー!じゃ、お菓子食べながら詳しく打ち合わせしようか。」


それから作戦会議を続けた。



「カスミ、これを持って適当にあの泥山に蒔いてきて。」


今回の作戦はシンプル、その名もニョキニョキ樹木作戦。まずはカスミに種子を持たせて、寝ているマックタートルの上空に行ってもらう。そしたら適当にその種子を蒔いてもらい、準備は完了。カスミが戻ってきたタイミングでみなを包むように隠密を発動する。


「じゃ、ハルカちゃん。思いっ切りお願い。」


「はい。グロウス!!」


蒔いた種が一気に成長し始める。芽がでたと思ったら、すぐに伸びていく。そのままぐんぐん成長し、地面にも根が張り巡らされていく。木は青々と茂り、あっという間に大木と言っていいくらいまで成長した。


ゴゴゴゴッ


流石に気づいたのか、マックタートルが起き上がった。しかしもう時すでに遅く、根っこが絡みつきほとんど動けなくなっていた。そう、これが私達の狙いだ。


「おー、いい感じだね。」


「いや、これからですよー。この木はブナなんですけど、水をものすごく吸い上げる木なんです。」


言葉通り、マックタートルの泥はどんどんと乾き始め、ヒビが入りだした。水分が抜けた泥はボロボロと崩れだす。


「おー、すごい。」


マックタートルは急に生えた樹木をどうにかしようと身悶えしている。もがけばもがくほど泥が落ちていく。泥の量がどんどん減っていき、半球状だった甲羅部分が今や半分ほどまで減っていた。ゾウガメのような立派な大きい甲羅も今やすっぽんのようになだらかな丘程度になっていた。気づけばもがく動きも鈍くなった気がする。


「うまく行ってそうですね。」


「だね、このまま弱ってくれるといいけど。」


どんどん広がっていくブナの木のせいで、マックタートルの泥は水分が抜かれ乾燥していく。泥だったものは今や土と言っていいくらいになっている。しかし、根っこが張り巡らされているせいなのか崩れ落ちることはなく固まっている。育つ木の重量に耐えれなくなったのかマックタートルは地面に伏せるように倒れ込んだ。マックタートルの体力を確認するとみるみるとバーが減っていっている。荷重で潰されて圧迫されだしたのだろう。


「そろそろ頃合いかな。畳み掛けよう。」


「は、はい。」


一斉に飛び出して、攻撃を仕掛ける。


「レイ、風纏いして攻撃!倒さないようにね。」


動けないマックタートルにレイが付き纏うように攻撃をしかける。絡みついた木のせいで甲羅へ逃げることもできず、ダメージが蓄積する。


「よし、そろそろいいかな。テイム!」


抵抗力のないマックタートルを光が包み、そして治まる。


《テイムに成功しました》

《スキルレベルが上昇しました》


「「やったー!!」」


今回は戦闘も少なく、被害はなし。作戦がうまく行ってよかった。


「ところで、ハルカちゃん。このブナの木はどうしようか?」


「あ、大丈夫です。ウィザー!」


すると青々と生い茂っていたブナの木たちは次々に枯れだした。そんなこともできるのか!そして、枯れた木々は根もゆらぎ、倒れだす。荷重が減ったおかげで体力の減少も止まり、動けるようになったようだった。とりあえず、ステータスをっと。


【】(マックタートル)Lv10

体力(HP)   5/120

スタミナ(ST) 100/100

筋力(STR)   40

知力(INT)   40

俊敏性(AGI)  5

器用さ(DEX)  5

重量(WT)   60


スキル:<土魔法:Lv5> <泥の鎧:Lv5> <腐葉土生成:Lv5>


土魔法は使ってきてたからいいとして。泥の鎧、これがあの硬くて柔い甲羅の正体のようだ。説明によるとダイラタンシー効果により、衝撃に強くなると書いてあった。ダイラタンシーってなんだろう?あとでルリさんにでも聞いてみよう。あとは腐葉土生成、これはまぁ名前の通りだ。なんでもいいので植物と土を与えると、腐葉土として背中から排出するらしい。これがハルカちゃんの欲しかったものでいいのだろうか。にしても俊敏と器用は壊滅的だな、他は特にレベル的にも甲乙ないステータスだ。


「ハルカちゃん、この腐葉土生成が目的のものでいいのかな?」


「はい!これでいい野菜が作れます!」


「それなら良かった。ところで、この子の名前はハルカちゃんが決めてよ。」


「えっ、そんな急に!」


「せっかくだし、いいじゃん。」


「わ、わかりました。考えてみます。」

|ω・) 来週は休むかも

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― 新着の感想 ―
ガジュマルかな?と思うような攻撃で(笑)
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