表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
114/142

108 かんぱーい!


「かんぱーい!」


「「「「かんぱーい!!!」」」」


みんなでイベントクエストを挑戦してからちょうど1週間が経った。今日はみんなでイベントの祝勝会としてパーティーだ。ルンが作った豪華な料理が机いっぱいに並んでいる。飲み物は小洒落てシャンパンだ、ルリさんが手に入れてきたらしい。正直5人じゃ食べられないような量だが、ここはゲームの中だ。胃袋に制限なんてものはないので、食べたいだけ食べられる。それに残ってもアイテムとして保管しておけばいい。


「こら、ユウ~!それ私が取ろうとしてたのに~!」


「早いもんがち…。」


「あわわ、ふ、二人共落ち着いてください。」


「ハルカちゃん大丈夫だよ、あれが平常運転だから、気にしないで。」


「そうそう、食ったもんがちだから無くなる前に食べなよ。」


わいわいとした雰囲気でパーティーの時間は進んでいった。さてと、今回のイベントクエストの最終結果だが、最終ランキングは23位で終わった。ランキング報酬は一番豪華なトップ10には届かなかったものの、50位以内のものをもらえた。一番嬉しかったのは、その中にスキル枠増加チケットというアイテムだ。名前の通りに、使用すると自身のスキル枠が1つ増加する。つまり、新しいスキルを獲得できるっていう訳だ。何を取ろうかまだ決めてないけど、今後が便利になるのは間違いないね。


さてと、後日談にはなるのだが、私達が挑戦してから1週間で何があったのか少し話そうと思う。まずはあのあとすぐの話だ、ルンがイベント攻略の掲示板にこう書き込んだ。



176:ルン(もふもふファーム)


もふもふファームの窓口担当ルンだ、攻略情報が欲しけりゃあたしの店まで来な!

場所は西の町ラヘルの弁当屋だ。本日の用意した弁当が売り切れたら終了だ、急いで来な!



その後掲示板は嵐のように湧き上がったらしい。すごい数のスレで埋まったらしい。それは掲示板だけではなかった、ルンの店も長蛇の列が出来上がったみたいだ。しかも遠方からも来たのだろうか、普段は見ない豪華な装備の人たちでごった返していたみたい。というのも満員御礼というコメントと共にルンが掲示板に投下していた。


さてさて、そんな感じで大量の人が押し寄せた訳だが、もちろん弁当が欲しくて来たわけじゃない。情報が欲しくて殺到した人たちだ、更に言うとランキングを目指してるような人たちだ。中には荒くれ者たちもいたらしいらしい。ルンがそんな奴らに手を焼いているとそこに現れた者がいた、その名もトワル騎士団。今回のランキング1位のクランであり、このゲームで最大規模のクランでもある。騎士団と言う名なだけはあってかなり礼儀のある振る舞いをしてくれていたらしい。なんならお店にできた列の整理に人員を割いてくれたらしい、紳士な人たちもいるもんだね。そんな訳でお礼として情報をすべて渡したらしい。本来、来店した人たちには「リンゴは美味しいから食べてみな、神すら天にも昇る味だから。」というヒントを与えるだけであとは自分たちで考えなさいというものにしていたみたい。もちろん秘匿するつもりで情報を出し渋った訳ではなく、この情報化社会だ、ゲームの攻略なんて調べればでてくるのが当たり前の中で自分たちで手探りで攻略する楽しみが少なくなってきている。そんな機会だからこそ、その楽しみを奪いたくはなかったというのがルンたちの考えだった。と、結局はすべての情報を騎士団に任せる形になったのがだ、彼らにその意図が伝わらなかったのか、それともそれ以上に紳士的にあるべきと考えたのか情報はその日のうちに騎士団からすべて開示されることになった。その日からはランキングの更新合戦がすごかった。私達の記録も翌日には数チームには抜かれていた。そんな感じでイベントの期間が過ぎていった。と、まぁ、イベント期間はそんな感じで終わった。



「そういや、トワル騎士団のリーダーが直接お礼が言いたいって言ってたぜ。」


「へー、そうなんだ。良かったね。」


「いや、アカリンに言いたいってさ。」


「えっ!なんで私!?」


「さぁ、なんかしたんじゃね。知らないけど。」


「いやいや、何もしてないから!」


「とりあえず、今度会いに来るって言ってたぜ。」


どんな人なんだろうか、会う分にはいいんだけど。ま、いつ来るかあとで聞いておこう。そんなことよりいつの間にか机に並んだ料理がどんどん減っていっていた。私も負けじと自分のお皿に大量の料理を取り分けておく。他のみんなもそれぞれ話しながら食べているが、満腹がない以上美味しい料理なんてすぐになくなっていく。


「ユウさん、あ、あのう、相談があるんですけど。」


「ん…、いいよ…。」


「新しいスキル枠が増えて、またスキルの相談に乗ってほしいんですよ。」


「いいよ…、また今度練習がてら狩りに行こう…。」


「あわわ、ありがとうございます!」


どうやらハルカちゃんはまたユウさんと特訓するのかな?


「あはは~、やっぱお酒って最高だわ~。ね、リーダー?ちゃんと飲んでる~?」


どすっと後ろから呑んだくれたルリさんが覆いかぶさってきた。このゲーム内で酔うっていうデバフはあるものの実際に酔うことはないのだが、この人たぶん味だけで酔っ払っているのだ。


「ルリさん飲み過ぎですよ。」


「え~、のりが悪いな~。こういうときは楽しくはしゃがなきゃ~。」


全くこの人は、酔ったふりをしているみたいだった。


そんな感じでわいわいとみんなで騒ぎながら今日のパーティーは進んでいった。

|ω・) 先週も今週も曜日間違えてました、すまね。あとメリクリ。

誤字脱字等ありましたら報告いただけると助かります。

感想や評価、ブックマークやいいね等していただけると喜びます。

更新は不定期を予定してます。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ