表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
110/142

104 大蛇に突っ込めー!


ルンの作ったフルーツタルト食べた私達のステータスは倍以上に増えていた。原因は間違いなくあの黄金のリンゴだろう。


「あははー、まさかここまでバフされるなんて思わなかったよー。作ったかいがあったな。」


「いや、笑ってる場合じゃないでしょ。これからどうするのよ!リンゴ食べちゃったらボス戦で使えないじゃん!」


「いや、待って~、案外これが正解なのかもよ~?」


「正解?」


無責任に笑っているルンに怒った私をルリさんが止めながらそう言った。


「そう、リンゴを食べたことによる能力アップを前提にこのボスは作られていたんじゃないかしら?」


「確かにそれはあるかも…。攻略組でも討伐するのはギリギリみたいだし…。」


「ほんとにそれでいいのかな?老人は黄金に光る太陽を持ちし勇者って言ってた気がするけど。」


「ま、美味しかったんだからいいじゃんか。」


まったく、調子のいいやつだな、と心のなかで思いつつ、とりあえずはルリさんの考えに納得した。


「これだけステータス上がってれば倒せる…!」


「そうね~、じゃ打ち合わせ通りに一回やってみましょうか~?ダメなら次考えればいいわ~。」


という事でそのまま続行らしい。さっきから黙っているハルカちゃんの方に目を向けると。


「ハルカちゃん大丈夫?緊張してる?」


「は、ひゃい!だだだ、大丈夫です。」


タクトを強く両手で握り、肩をすくませていた。緊張するのも仕方ない、これからの戦いで実は一番大事な防御を任せられてるのだから。ハルカちゃんの魔導盾で落石を弾く予定になっている。大きな岩はなるべく盾に負担をかけないためにルリさんが銃で粉砕する予定になっている。


「ま、今回は練習と思って気軽にいこう。時間が許す限り何回でも挑戦できるんだから。」


「わ、わかりました。頑張ってみます!」


「それじゃ、みんないい?クーちゃん、大蛇に突っ込めー!」


「「「おぉー!」」」


急降下するクーちゃんにしがみつきながら接近するのを待つ。まずは大蛇に突進してひるませる。その好きに地面まで近づいたらルンとユウさんは地上に降りて戦闘をする。残った私はクーちゃんへの指示、残りの二人はクーちゃんを攻撃から守る役割だ。


ドスンッ!


勢いの乗った急降下からの突進はものすごい反動になった。しっかり掴まっていた私も衝撃で落ちそうになってしまった。その成果のおかげで大蛇の体力は2割ほど削れていた。みんなの方を見ると私以外もみんな衝撃に耐えるのに必死のようだった。


「あれ?ユウさんがいない。」


見渡すと、突進の直後に飛び移ったのか、大蛇の顔の上に立っていた。両手の短剣を構え、大蛇の眉間に突き刺さした。が、刃は刺さらず鱗に弾かれてしまったみたいだ。少し悔しそうな顔をしながら身を翻しながら顔から降りていった。


「ルン、今のうちに降りれる?」


「あいよ、じゃな!」


ルンもなんとか地面に送り届けることができた。あとは一旦少し浮上して攻撃の準備だ。


「クーちゃん少し離脱して、距離を取れたらエアブラスト。防御は任せますね、ふたりとも。」


「は~い。」「は、はい!」


浮上中に大蛇も動き出した。尻尾を地面に叩きつけ、地鳴りが響き出した。


「落石来ます!」


ハルカちゃんが盾を構えると、それがだんだん広がったクーちゃんを覆うほどまでになった。どうやら魔導盾にも属性を付与できるのか、盾と言うより水のベールのようなものになっていた。私もポータルを駆使して大岩をなるべく大蛇に向けて落とすようにしている。手が回らない分はルリさんが銃で破壊してくれている。今回仕様している銃はとても長く、話によると戦車にも穴を開けれるほどの威力のあるスナイパーらしい。ほんとこの人はどれだけ武器をもってるんだろうと不思議に思う。順調に落石を防いでいると、クーちゃんの準備が終わったのか口を開けて空気の渦を吐き出した。顔面めがけてクリーンヒットしたエアブラストは前回よりもだいぶ大きなダメージになっていた。しかも、驚くことにスタミナの消費も減っており、どうやら料理の効果がだいぶでかいのかもしれない。エアブラストの直撃でのけぞった大蛇にユウさんは再び飛び乗り、今度は目に短剣を突き刺した。遠くからなのではっきりとはわからないがダメージが入ってるのを見るに、攻撃は聞いているようだった。ユウさんを振り払うためなのか顔を振り回し、壁に衝突する。そしてその衝撃で再度落石が始まってしまった。


「とりあえずは落石の対処を!」


なんとか2回目の落石も対処し、被弾はせずに済んだ。と安堵したときだった。側面の壁から急に大蛇が飛び出してきた。落石の対処に追われたのと、壁にぶつかった衝撃で舞った砂埃が目隠しになったのもあって、大蛇が地面に潜ったことに私達は気付けなかった。不意の衝撃により、私はバランスを崩してクーちゃんの背中から足をすべらせてしまった。この高さから落下すれば即死だろうなと頭の中をよぎった。痛いのは嫌だなぁ。

|ω・) さむみがましてきたね

誤字脱字等ありましたら報告いただけると助かります。

感想や評価、ブックマークやいいね等していただけると喜びます。

更新は不定期を予定してます。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ