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103 な、なじゃこりゃー!!!


ジャングルの上空を泳ぎ進むと集合地点になっている例の大樹が見えてきた。まだ結構距離はあるが大きさがゆえに存在感がバッチリだ。既に木に葉が生い茂っているのを見るにルリさんたちは川をせき止めていた岩を破壊し終えたようだ。急いで向かうとしよう。


「クーちゃんあの大樹の根本が集合地点だから、そこに向かって全速前進!」


クゥーーン!!


「えええ、まだ加速するんですかー、あわわわ。」


力強く尾びれを上下させ、木々の上を全力で進んでいく。どれくらいの速さなんだろうか?風よけがないせいか体感60キロくらいありそうなくらい空気にぶつかる感覚がある。風に押されて飛ばされないようにしっかり掴まっているハルカちゃんの顔は少し涙目になっていた。風で目が乾燥してるのかな?


「お~い、こっちよ~。」


大樹に近づくと、真下に先行していた二人が待っていた。クーちゃんをすぐに降下させてそこへ向かう。


「よいしょっと。クーちゃんありがとうね。」


「え、あ、ありがとうございました。」


降りてからクーちゃんを撫でつつちゃんと褒めておく。私は褒めて伸ばすタイプの人間だからね。


「お待たせしました。そっちは大丈夫でしたか?」


「ん~バッチリよ~。」


「今時間ってどれくらい経ちました?」


「ちょうど4分半ってところね、順調順調~。」


「ハルカちゃん、報酬のバターと小麦粉頂戴。」


「あ!はい。」


カツアゲするかのようにハルカちゃんから食料を貰うルンであった。ルン渡された食材を手に持ちそのままクーちゃんの上に乗っていった。


「一旦ユウ待ちだね~、もうすぐ着くみたいだけど。さて、そのまま練習がてらボスに挑むか~、それとも他の組み合わせでここまでの流れをやってみるか~。どうしましょうか~?」


「そうですね、まだサブクエスト関連は時間詰めれそうなとこありそうですよね。一旦今回はボスに挑戦してみて、その結果で考えません?」


「そうね~、ボス戦で時間足りなかったら前半を詰めてみる方向で行きましょうか~。そもそもボスに太刀打ちできるかわからないしね~。今回は一旦通しでやってみましょう。」


「お待たせ…。」


「うわっ、びっくりしたー!」


話し込んでいると真後ろからユウさんが現れた。


「時間どう…?」


「ん~、ちょうど5分ってところね~。」


「よかった…、それでこのあとは?」


「一旦ボス戦もやってみようかって話てたところです。」


「それじゃみんなでクーちゃんに乗って行きましょうか~?」


一人づつクーちゃんに乗った。先に乗ってたルンはというと、調理道具を広げて何やら料理中みたいだった。この人もなんやかんやマイペースだよなーと思いつつ、全員が乗ったのを確認して出発した。


「それじゃ火山の火口目指して全速前進!」


「それでルンは何を作っているのかしら~?」


「ふっふっふー、できてからのお楽しみだよ。あとちょっとだから待ってね。」


ほのかに香るフルーツの甘い匂いからすると多分お菓子類なのだろうか、少し楽しみだ。


「ルン…、これ上げるよ…、余ったやつ。」


「お、サンキュー。」


ユウさんはポーチからヤシの実を出して投げて渡した。ルンは難なくキャッチしてすぐに手斧を出してガンガン叩きつけるように切れ込みを入れて中身を取り出し始めた。


「おー、これまた甘そうな果実だとこ。仕上げに使おうっと。ありがとなー。」


「一体何ができるんでしょうか?」


「甘いものだと思うよ…、何かは知らないけど…。」


そんな事をしているうちにあっという間に火口の上まで来てしまった。


「着いたわよ~、みんな遊んでないで戦闘準備~。」


ましたにはとぐろを巻いて鎮座する真っ黒い大蛇が見えている。さてあの強力な大蛇をこのメンバーで倒すことができるのか、少しハラハラしてきた。各々装備を変えたりして準備を始めた、若干1名を除いて。


「ちょっと待った!はい、出来立てだから戦う前にみんなで食べよう!」


ぴりっとした空気だったのが一瞬で解かれていた。声の主はルンだった、未だに調理道具を広げていたがやっと出来上がったのか片付けを始めていた。まったくタイミングがいいのか悪いのか、ルンらしい。


「はい、私特製のフルーツタルトだよ。召し上がれー。」


タルト生地の上には島でとれる南国フルーツが綺麗に並べられており、色鮮やかなものになっていた。外側からマンゴー、パイナップル、バナナにスイカ、中央にあるのはスターフルーツというやつだろうか、初めて見た。タルトは8等分されてそれぞれお皿の上にフォークを添えて乗っけてあった。


「はいはい、どうぞどうぞー、腹が減っては戦ができぬ、これを食べてから挑もうよ。」


やはりみんな女の子だ、こんな美味しそうなタルトを見せられたら食べない選択肢はない。視線が釘付けだ。


「そ、それじゃ一口。もぐもぐ、んー!美味しい!」


「うん…、美味しい。」


「ん~、甘みが暴力的ね~。」


「お、美味しいです。」


あまりの美味しさにみな夢中になって食べ始めた。


「クーちゃんやーい、これどうぞー。」


いつの間にかクーちゃんの先端まで行っていたルンはクーちゃんの口の中に向けてタルトを投げ入れた。うまくキャッチして食べることに成功したクーちゃんは美味しかったのか体を激しくくねらせてみせた。乗っている危うく私達はバランスを崩してしまいそうなほどだった。

|ω・) 秋はどこー

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