98 拷問でも始まるのだろうか
「それで、まずは何をしてきたのか教えてもらいましょうか。」
クランハウスの会議室で対面に座ったルリさんがそう言った。これから拷問でも始まるのだろうか。
「えっとですねー、ノリで島の神を倒しちゃいました、あはは。」
「そうなのね~、あはは~。って流せるわけ無いでしょ!」
そう嘆いたルリさんの声は会議室に響き渡った。
「で、ですよねー。」
「現状、攻略最前線の人たちでもまだ第二形態に到達できた人達が数組でてきたくらいなのに~。どうやって倒しちゃったのかしらね~?」
「そ、それじゃー、とりあえず最初っから何してきたか話しますね。」
それから10分ほどかけてさっきまでしてきたことを一から説明していった。
「なるほどね~、まぁクーちゃんもともとボスだしね~。」
「それでなんとか討伐できたんだけど、まだ謎が残ってるんですよね。」
「噂の金のリンゴのことだね~、一応今わかってる情報だと食べるととても美味しいらしいわよ~。でもそれだけなんだそうよ~。」
「よーっす、今美味しい物の話してたよね。そんな話はまず私にしなさいよね、ルリ!」
急に入ってきたルンがいきなり話に割って入ってきた。
「あら~?こんな時間に店はいいのかしら~?」
「あぁー、それがイベントってアイテムの持ち込みが制限されてるじゃん?それで料理の持ち込みは禁止されてるから、店は閑古鳥が鳴いてんだわ。だから締めて私もイベントクエストにちょっと参加してきてみたところなんだ。ま、私は戦闘からっきしだから逃げながら採取だけして帰ってきたけどね。それは置いといて、何の話してたんだ?」
「それがイベント内で取れる金のリンゴがあるんだけど、その使い方がまだわかってなくてそれの話をしてたんだ。」
「そんなの美味しく料理して食べる以外に何か使い道あるのか?」
やはりこの人はそういう発想になるんだなと思った。
「ま~、これ以上のことはいろいろ試さないとわかんないわね~。私は引き続き情報集めはしておくから何かわかったら教えてね~。」
「「はーい。」」
「あとはみんなで挑戦するときにどこまで目指すかって話になってくるんだけど~。ここは当日にみんなで決めるのがいいのかな~っては思ってるんだけど。」
うんうん、確かに。
「ま、ユウに関しては一人でやれるとこまで気が済むまでやるだろうから気にしないとして~、ルンはどうするの?」
「あたしか?そーだなー、ほどほどにランキング報酬貰えればいいかなーって思ってるけど。何がもらえるんだっけ?」
「そうね、500位以上でステータスポイント+10、250位以上で更に10、100位以上で追加スキル枠1枠追加が主な報酬かな~?あとは3トップにはトロフィーを授与だったかしら~。」
「となると目指せ100位って言いたいところだが、どうなんだ?」
「ん~、当日になってみたいとわからないけど、ボス討伐を目指さないと厳しそうね~。」
「そのボスってのはどれくらい強いんだ?」
「それは~、実際に討伐してきたアカリちゃんに聞いて頂戴~。」
そう言って私の方に目線を向けてきた。釣られるように、ルンもこちらを向く。
「え、えーっと、私も倒せたのは偶然で、強さ的にはものすごく大変なレベルかと。たぶん普通のパーティーならステージがどんどん溶岩に沈んでいくので動きが制限されますし、何より1回の攻撃がなかなか強力なのでどうしたものかと。ただ、さっき言ってたリンゴに何か秘密がありそうで、そこに突破口があるんじゃないかなってのが私の感想ですね。」
「と、なるとあたしに出来ることあるんかな?」
「そうですね、結構フルーツが採れるからそれで何か作るとかかな?料理品もポイント加算されますし。」
「おっしゃ、それなら任せろ!ルリあとで採れるもののリストくれないか?最高の料理を考えておくから!」
戦闘と言うことで少しテンションが下がっていたルンだったが、自分に出来ることがあるとわかって嬉しかったのか一気にやる気を出してくれた。
「いいわよ~、ただまだ情報が少なくてね~。明日以降でもいいかしら~?」
「オッケー、じゃそれまであたしは好きにしておくぜ。それじゃ!」
ほんと自由な人だ。話を聞き終わるとすぐどこかへ行ってしまった。
「私はちょっとさっきのでだいぶ疲れたからしばらくはのんびりしたいかなー。あんな戦闘何回もやれる体力は私にはないから。」
「なら、もう少し詳しく攻撃パターンとか聞いてもいいかしら~?」
「わかりました。」
それからは覚えてる範囲で形態ごとにどういったことをしてきたのか細かく説明して、それを聞いたルリさんは対処法などを考えながらメモを取っていた。
「それじゃ~、落石に関してはアカリさんのポータルでなんとかできそうではあるけど、本体の攻撃をどうするかよね~。ま、戦うときはクーちゃんを出してもらおうことになるだろうけど~、うちのクランって回復できる人居ないのよね~。消耗戦になるのはわかってるから、どうしたものか~。」
話を聞き終えたルリさんは一人頭を抱えながら考え込んでしまった。ま、あとはうちに参謀に任せておこう。
「それじゃ、私もちょっと放牧場でみんなと遊んできまーす。」
そう言って私もその場を後にした。
|ω・)
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