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09 冒険者ランク1


来た道を戻りながら今後の予定を考えていた。

まずは受けている依頼の報告をして冒険者ランクを1に上げること。ウサ吉に夢中になって忘れてたけど、当初の目的は兎毛の納品だったので忘れないうちに済ませることにした。

それが終わって時間があれば街の散策をしようと考えている。


ウサ吉を抱きかかえながら歩いていると日が傾き始め、空がオレンジ色に染まっていった。ゲーム内では5時間で1日が終わるようになっていて、今はちょうど夕方に当たる時間帯のようだ。


そんなきれいな夕日を眺めながら帰る途中、いきなりウサ吉が腕から跳び出して草むらの中へ消えていった。何かあったのかなと思いながら草むらに近づいていくとごそごそっと音と共にウサ吉が顔を出した。口に何かを咥えてこちらに歩いてくるので、そっと屈んで咥えているものを手を伸ばして受け取った。


【ヒールベリー:少量の回復効果のある食べ物、回復薬の材料になる】


受け取ったアイテムを見てみるとそのような説明が出てきた。

ウサ吉にありがとうと感謝しながら頭を撫でてあげながらふと気になったことを聞いてみた。


「ウサ吉、さっきのがスキルの収集なの?」


「キュッ!」


キリッとしたドヤ顔でうなずいてくれた。かわいいな、こやつ。


「じゃ、また何か見つけたら取ってきてくれる?」


「キュキュッ!」


任せろと言わんばかりに胸を張ってくれた。いちいちかわいいな。

もらったヒールベリーをポーチにしまおうとしていたら、ウサ吉がすごく物欲しげな顔をしながら見つめてきた。


「これほしいの?」


「キュッキュッ!!」


すごい勢いでうなずきながら近づいてきた。どことなく上目遣いをしているような気がした。そっとヒールベリーを手のひらに乗せてウサ吉の前に出した。するといつもの3倍くらいの素早い動きで寄ってきた。その後夢中になりながら食べ始めた。


「そんなに好きなの?」


と問いかけてみたら、食べるのをやめずに首だけ上下して返事してくれた。

にしても自分で取ってきて自分で食べるなら地産地消ならぬ持参自消だなって心のなかで変なことを考えつつ食べ終わるのを待った。


「ウサ吉、今後取ってきたヒールベリーは私と半分ずつにしようね。」


そんな提案をするとウサ吉はちょっと間を空けてうなずいてくれた。渋々承諾ってところなんだろうか、どっちが主人なのかわかんなくなるなと思いつつももぐもぐしているウサ吉を抱きかかえてまた歩き出した。


その後、城門につく頃にはすっかり夕日も沈み切って暗くなっていた。

跳ね橋を渡り、城門をくぐると街は昼間とは違った風景になっていた。大通り沿いを街灯のランプが温かい光を灯しており、露店などは閉まっていていくつかのお店だけが営業していた。


そんな通りを抜けてギルドに着いた。カウンターにはこの前のお姉さんが変わらず立っていた。


「依頼の報告をしにきました。これが依頼の兎毛です。」


「はい、確かに依頼の内容と納品物の確認ができました。これで冒険者ランク1に昇格です、おめでとうございます。それとこちらはこの街と周辺の地域の地図です、今後の冒険者活動に役に立ててください。」


そう言って依頼の報酬金と地図を手に入れた。せっかく地図をもらったことだし、このあとは予定通り街の散策をすることにした。


|ω・)やっとチュートリアル終わったんだね

誤字脱字等ありましたら報告いただけると助かります。感想もお待ちしております。

更新は毎週火曜と金曜を予定してます。

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