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ケモ耳メイドは天敵2と合間見える


 やってまいりました! お嬢様の入学式!!


 わたくし、お嬢様の御付きとして寮でのお世話係の座をゲットしましたっ わーーーいっっ


 ゲームじゃ、学園の長期休暇で帰ってきたお嬢様としか会えない設定だったので常にお側にいれるので嬉しいです!(ゲームだとその休暇中もヤンデレ……王太子がお嬢様を別荘だなんだと攫っていくからお留守番係は会えなくなるけど私は()()! ふっふっふ〜)


 ちなみにお嬢様が学園で授業を受けている間はヤンデレ王太子に許可を取って貰っているので、陰から護らせていただくことになっております(お嬢様には内緒です)

 悪役令嬢(その他諸々の方々)の悪巧みは逐一、王子に報告させて頂きます。ふふふ。


 さてさて、入学式ということで、初日だけは御付きの者も学園内を彷徨くことができます。

 これは、自分の仕える主人の案内、またはお使い等を頼まれた時にちゃんと仕事が出来るようにとの学園側の配慮。

 勿論、身元調査はしっかりとしていらっしゃるそうなので安心しております。

 なんせ、今年は王太子とその婚約者様が学園で過ごされるのですから、当然といえば当然。

 警備関係者の皆様、信用していますよ?

 

 さて、私、専属侍女としてウチの可愛いお嬢様のご起床から身支度までを手早く済ませ、美しく気品溢れるお嬢様と今から学園の正門をくぐろう、と前方に視線を走らせます。

 すると、ヤンデレ王太子と見知らぬ赤毛の男性が立っておりました。


 「アスラン様!」


 お嬢様が頬を染め、王太子の元へと走り寄ります。ぁあ、王太子の顔面締まりがないですね。気持ちは分かりますが、王族がそんなに感情を顕にしていいのかしら? え? ウチのお嬢様も思いっきり出てる? 可愛いから良いんです。ふふ。


 お嬢様に遅れては成らぬと、あくまで早歩きで三人の元に歩み寄ります。

 その時、前方の赤毛の男性がぱっと口に手を当て小さな声で言ったのです。


「ぇ、うそ? なんで学園にノワたんが……?」


 きっと普通の人でしたら聞き取れなかったかと思いますが、私、獣人なので。ばっちり聞こえておりました。


 日頃から感情を表に出さない様に心掛けている私でしたが、この呟きは……思いっきり動揺してしまいましたね。不覚です。


 常と違う私の反応に、私のことが大好きなお嬢様はすぐに気づかれ、声を掛けてくださいました。


「ノワール? どうしたの?」


 そうです。

 ここにきて漸く(ようやく)ですが、私、ノワールと言います。

 元々、モブである私にゲーム内では名前がありませんでしたので、()()()()()が好きすぎて付けた名前をそのまま引用させて頂いたのですが………。


 多分この名前は前世なら二人しか知らない呼び名で……しかも、今世に『○○たん』呼び文化はない。

 目の前の()()今『ノワたん』って言ったな……。



♢♢♢♢♢♢♢♢


 眉目秀麗で頭もそこそこによかった幼馴染は女子だけでなく男子にもモテていた。

 男子とは『ほんっと、お前、中身はオトメだよな! カワイイぜっっ』みたいな事を言われながら髪の毛をぐっしゃぐしゃにされながらジャレあっていたっけ……。


 中身がオトメ(?)と思われているなら隠さなくても良さそうなのに『男が乙ゲーしてるとか知られたら恥ずいだろ!!』と私を隠れ蓑にして楽しんでいた。

 そして、このキャラが本当に好きだった様で、勝手に名前をつけて、『ノワたんは可愛いんだ!!』と()()()()力説していたのだが………もしかして、お前か?!



♢♢♢♢♢♢♢♢


「………一樹(いつき)?」

「――――月華(つきか)?」


 もうすっかり忘れたと思っていた懐かしい日本語で呼びあう二人をじっと見つめる視線に気づいたのは数秒にも満たなかったと思う。



 ――――やらかした!!

 初対面の筈の王太子の護衛への反応として、あってはならない行動だった。


 見ろ! あの不審げな目っっ 私、怪しまれているじゃないか!!

 やっと、ヤンデレ王太子の信頼をもぎ取れそうになっていたのに!っていうか、あの赤毛の護衛! 

 ゲーム内で私の首を『チョンぱ』したヤツっっ

 

 天敵その2っっっ


読んでいただきありがとうございます。

わちゃわちゃな作者の作品ですが、これからもよろしくお願いします(ぺこぺこ)

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