始まり
プロローグ
1台のバイクが目の前を流れって行った
正確には通り過ぎて行った
私は高橋結衣15才中学三年生、高校受験の前日の朝の出来事だった。
『結衣ー、また見てたの?』
親友の花谷麻妃からの声を掛けられる。
「だってー大好きなんだもん」
「まぁーよく言えるわ、話したこともないんでしょ?」
「前にコンビニで声きいたよ?」
「顔見てたらさ、こっち見ながら退いてねって、手が肩にあたったのー!」
麻紀は、目が??ってなってる。
「それで、アンタは急に勉強しだしてあんな偏差値の高いとこ、受験するわけ?」
「だって麻紀もそこ行くじゃない」
「私は、医者なるって夢があるわけよ」
「私だって夢は、、、結衣は、あの人と少しでも一緒にいたいだけだから!」
透き通る様な声で、肩まで掛かる髪が風に揺れていた
「んーっ、女の子してるねぇー」
名前もしらない、1度見ただけの人にここまで、恋ってできるんだねー
結衣に今まで告白してきた男子は、可哀想にみえてきたわ、思わず笑ってしまう。
「でも明日の受験大丈夫かな」
結衣は消えて仕舞う様な声で、そっと呟いた
私は、結衣の女の子らしい仕草にちょっと嫉妬した。
高校に入ったら私にも恋できるだろうか。
「ああっー大丈夫大丈夫、あんたが遅刻しなけりゃね」
麻紀が笑いながら、わたしを指さす
「結衣は遅刻常習犯だからね!」
「だってぇー、結衣は身体弱いからですよ」
「身体弱い子が、走って学校くる?」
「むー」
結衣の父母は、朝が早く起こしてくれない。
受験勉強で、毎晩遅くまで勉強してたからなのに。
でも結局は自分が悪い。
「でも大丈夫よ、明日は絶対にね」
「私がモーニングコールでもする?」
「あの、御願いできますでしょうか」
俯いて結衣が苦笑した。
そして当日の朝
麻紀から約束のモーニングコールがきた。
「ありがとうね」
って言ってからスマホを置く
眠気覚ましにシャワーをあびよっ
独り言を言いながら、お風呂に向かう
今日は何故か上手く髪型が纏まらない
時間は過ぎてくけど、この髪で外にでるのは気がひける。
「うん、やっと纏まった」
わっ時間ギリギリ
早く出なきゃ
戸締りして、家の鍵を締める
走らないと間に合わない。
はっはって息が乱れる、信号が赤に変わってしまった。
ちょっとだけ足を踏み出す
「ここって車通り少ないのよね」
同時に、右からキィッーと聞こえた。
私は尻もちを着いていたみたいだった。
「あぶねっ、怪我してない?」
ヘルメット越しに声が聞こえた。
「多分…」
「手擦りむけて無い?本当に大丈夫?」
「ん?中学生?」
「はい、そうです」
ナンパ?朝から?私中学生ですよ?
彼は1度ヘルメットを脱いだ
…っ、先輩!
「もしかして受験生?」
はっ!時計見て焦った
「大丈夫です、行かないと遅刻なのです」
「学校どこ?」
「…第二中学です」
「じゃなくて、受験!」
「高槻学園です」
「うちの学園か、わかった」
彼はもう一個のヘルメットを
無造作に私に被せた。
私は初めてバイクに乗る、乗り方が良くわからい
少し眺めてた、どのくらいかな
「乗りなって分からないか、自転車の二人乗りみたいに横乗りして」
言われた通りそうした、先輩はジャケットを脱ぎ私のスカートが捲れない様に包んでくれた、耳まで紅くなっているのが気づかれないか心配した。
「腰に手を廻して!、あっダメだ」
そりゃ知らない子に、しがみつけって
無理言わないで死んじゃうよ?
自分で付けていた手袋をくれた
明日、天に召されてるかも。
「危ないから、グローブして」
「はい!」
嬉しかった、暖かい、顔から火が吹きそう
「行くよ!しっかり腰に手を廻してね」
これから定期的に投稿出来るように頑張ります
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