最終決戦 終結
ーー帰還ーー
囲い石の空間から3人が帰還する。
それを喜ぶデッカやジュンイ軍、そして兵士達が集まる。
それぞれが歓喜に満ち声をかけ抱きしめ合う。
戦いはおわった。
ジュンイ「最初は渋々頼まれて来たけど、ネロちゃんとハク……
あ……私達のリーダーは《ハク》って言うの。
結構、いい加減で弱いんだか、強いんだが、よくわからない人
だけど……まぁいい奴ではあるよ。
ネロちゃんが現れた時、ハクが此処に来るって聞かなかったけど
彼奴には彼奴のやらねばならない事があって、で頼まれて私が
此処に来たって訳」
「ちゃんと貴方の事、伝えておくから安心して」
「それと、あんな化け物は早々居ないから安心して、流石に
彼奴らも同じ場所を攻め込む時間はない筈だから……
かと言って、あの強さの魔物はこの世界にも複数いる筈だから
鍛錬を怠らないで」
「この世界にお止まらず今、世界そのモノが……
かなり緊迫しているわ。いつかこの世界にも
影響は必ずある……」
「貴方達の住むこの世界は貴方達のモノ、その世界は1つでは
無いけれど、その全ての世界を危険に晒す者と
私達は戦っている」
「貴方達は貴方達の世界を守る事がその脅威に打ち勝つ事に
繋がるわ、私達はもう行くけど……この世界の事は任せるわよ」
「特にリアム、貴方の事はヌクからも聞いているわ、
大変だろうけど、やるしか無いなら、やるだけよ、彼奴の
受売りだけどね」
ローザ「準備出来たわよ、ジュンイ」
ジュンイ「わかった!それとネロちゃん、
何故、此処に留まっているかは解らないけどね、貴方は
あるべき場所に帰らなくちゃならないの……貴方の残す後悔を
貴方自身が気付かなきゃ、いつまでも彷徨う事になる」
「そうなったら、貴方は生まれ変わる事も出来ず、
貴方の大切な者達と輪廻から外れ、いつか離れなきゃならない
事になるわ……いい?貴方は貴方自身と向き合ってね」
ジュンイ「リアム、貴方はこの子との因縁がかなり強いわね
彼の事頼むわよ。皆が皆、誰かを大切に想う事が出来れば
平和は必ず訪れる。それは世界の平和でも個人の平和でも同じ
紡ぐ事が大切なのよ」
「じゃ行くわね、みんなお元気で!」
リアム「……その……ありがとう……」
はにかむ様に笑いながらジュンイ達は空間魔法を使い、去った。
そして皆、元の場所へと帰った。
帰れない者は骸として……魂として……
生き残った者は愛する家族や恋人の元へ……
私利私欲に駆られ参戦した者すらいつか戦争が……
争いが無くなることを願って
ーー
そしてリアムもまた《鴉のついばみ》へと帰っていった。
そして時は経ちーー
リアムは《鴉のついばみ》の仕事を選ぶようになった。
しかし彼はその度に瀕死の重傷を負う事となる。
仕事は確実にこなすが、彼の成績はみるみる落ちる。
仕事自体は簡単なものから最難関の依頼を中心に
進んで受けるが、C級が受ける依頼をも瀕死の重傷を負う。
彼の実力なら簡単にこなせる筈のものであった筈が……
ただ依頼をこなす数だけは群を抜いて多かった。
リアムはルンガ砦の功績と実力を認められ、SSクラスに
昇進していた。《鴉のついばみ》の中でもトップクラスでは
あったが、後の審査により、そのクラスは最低クラスの
Eクラスにまで落ちていた。
Eクラスは評価次第ではギルドからの抹殺処分
を受けかねないものであった。
他のメンバーからは既に殺傷処分となる筈の待遇に不満を
持つ者も増え、彼の身はギルド内でも
危険な場所となっていた。
「コンコン……入るぞ」
デッカ「……久しぶりだな、最近調子悪い様だが、
何かあったのか?語りたく無ければそれもいい……」
「あらかた予想はつくがな……お前、このままなら……」
「いや……言うまい、お前の選んだやり方だ……」
デッカの後ろでとマシューとドルフレアも心配そうにいた。
デッカ「ボスがお呼び出だ……ボスの姿は俺も見た事がない。
そのボスから直々にお前に呼び出しがかかった」
「俺に付いて来い……リアム……念の為装備を整えて行け」
そしてリアムはデッカと共にボスの待つ部屋へ通された。
薄暗く大きいその部屋にはいたる所にカーテンがあり
お香の様なものが部屋から充満していた。
ボス「デッカ、お前は下がれ……」
デッカ「……了解しました」
ドアを静かに締め、デッカは部屋を後にした。
ボス「リアム……こちらへ来い」
指示に従いカーテンを開け入るリアムが見たボスは
ドルフ・アルベルトであった。
アル「そうだ俺がボスだ、今まで隠してすまない。
しかし正体は不明の方が何かと仕事がやりやすいからな。
事務仕事も俺には合わないし、不穏分子を暗殺するのも
俺の役目だ、まぁそう言う事だ」
「リアム、大体察しは付いているだろうが、ギルド内でも
お前に対する処遇の甘さに反論する声も多い、
示しを付けねばならない。
俺はお前を殺さなくてはならない……
だが……しかし……いや……」
(俺はお前を殺したくはない……)
「このギルドの掟は絶対だ。例外はない」
リアム「……」
アル「お前には、お前のやるべき事があるように
俺にも俺のやり方でやるべき事がある。
俺とお前のやるべく道に互いが対峙する事があれば
それは仕方のない事だ、俺は全力でお前を潰す」
「お前は、お前の道を進め、俺は俺の道をゆく……」
アルは手に持っていた鍵と石の入った袋をリアムに投げた。
「俺はボスとしてやる事をやる。今から5分後だ、
お前に《鴉のついばみ》の総力をあげ、抹殺命令を下す。
お前がお前の道を行くならば、それを跳ね除け、
お前はお前の道をもぎ取れ」
「その石と鍵は同じ、落ち人と……いや……友人としての
俺からの餞別だ。鍵はこの砦の鍵なら何処でも開くボスのみ
使用できる鍵だ。そして石は……友人の心が入っているとだけ
言っておく」
「さぁ……行け……お前の道はお前が作れ」
リアム「すまない……」
アル「いいか5分だ……」
リアムはドアを開け部屋を後にした。
アル「リアム、この時まで待っていた期間を理由はわかるよな
お前なら……もう出来る筈だ……我等、鬼であっても志し無き
鬼はただの鬼だ、お前は本当の優しさを持つ人間だ。
お前なら……最近のお前の、あのやり方なら……」
装備はデッカに言われた通り既に装備していた。
彼は一目散に砦の出口目指し疾走する。
やがて5分経ち通達が出された。
ボス「リアムの処分が決まった。今から全ギルド員に告ぐ、
リアム・キャンベルを抹殺せよ。
Eクラスといえど仮にも奴はルンガ砦の生き残りだ、
油断はするな、元SSクラスを考慮し、単独での暗殺は
危険とみなした。各ギルド員はチームを組みリアムを……」
「殺せぇーー!」
(生きろーー!)
任務を完遂した者は
ランク昇格となす。奴の首を我に差し出せ!」
一斉にギルド員達が騒めく。
「昇級のチャンスだ、奴を切り刻め!首を差し出せ!」
「ルンガの生き残りたって、デッカ長もついてたんだろ
手柄なんて生き残っただけで貰えたようなもんだろ
チームで当たりゃ俺たちDクラスでも事足りるぜ」
「あの白い仮面剥ぎ取って、さらしてやるぜ」
「殺せ!」
怒号が辺りに飛び交う。
砦のあちらこちらでベルが鳴り響く、
その音はデッカ達にも届いた。
デッカ「とうとう来たか……マシュー・ドルフレア、俺達は
俺達のやるべき事をなすだけだ。
ボスから通達があった。俺達3人はチームを組み奴を葬れとの
事だ」
マシュー「どう言う事だ!何故、彼奴が!いくら調子が
悪いったって、ルンガ砦の功績は鴉にとって最大の危機だった
筈だ……それを更に共に行動したこの3人で殺せと?」
ドルフレア「酷いですね……しかし掟は絶対です……」
マシュー「テメェ!」
ドルフレアの胸ぐらを掴み殴りかかろうとする腕を
デッカが止める。
ドルフレア「俺達は鬼だ、俺だって殺りたくねぇよ!
しかし、俺達はそれを含め鬼になったんだろーが!」
デッカ「ドルフレアの言う通りだ……マシューやるべき事を
しろ、俺達のやるべき事を」
マシュー「チッ……」
デッカ「恐らく奴は人気の少ない道を通る筈だ、炭鉱跡は
皆も監視している事だろう。
俺たちは裏をかいて宝物庫横の通路を行くぞ!付いて来い!」
こうしてリアムはギルドからも追われる身になった……




