6、約束
あれから、セレナはどこかへ行ったので4人は一旦荷物を部屋に置いて食堂に向かうことになった。食堂に向かおうと部屋から出て来た所へ1人の男性が物凄い勢いで4人に話しかけて来た。
「お前達、セレナに何をしたんだ!?」
「え?」
「私達何もしてないですよ?」
「お話しかしてないよね?」
「うん…あ、もしかして」
「心当たりがあるんだな!」
蛍達3人に迫る姿に飛鳥が間に入り止めに入る。そして、男はそこで冷静さを取り戻したようで、少し離れ、一呼吸置いて話し始めた。
「私は、セレナの兄、ジーゼン・バロックと申します」
「…それで、何故オレ達をそんな剣幕で話しかけて来たんだ?」
「さっき、セレナが研究室に興奮しながら戻って来たんだ。そのまま、研究に没頭し始めたんだ。何があったのか分からなくてな。さっきまで風呂に行っていたのは、セレナの見た目で判断し風呂に居た人に何かあったのか聞いたんだ」
「それで?」
「お前達の話しを聞いて、事情を知っているのではないかと言う事になってお前達を探していたんだ」
その話を聞いて、一緒にお風呂に入っていた3人は心当たりがあった。そして、納得がいったという感じだった。簡単にお風呂で起きた出来事について話しをするのだった。だけれど彼女達は一つ疑問があった。
「私達、お風呂上がってからゆっくりお話ししましょうって言っていたんですけれど」
「うん、いつの間にかいなくなっちゃってたんです」
「まぁ、大勢の人に迷惑を掛けたし謝ってたしね?」
「成程。ありがとう。多分調べ物を一旦するために研究室に籠るつもりなんだと思うが…多分、妹が迷惑を掛けると思うが、なるべく協力してくれると助かる」
「あ、一族で研究しておられるんですよね?」
「あぁ、私も一緒になって没頭したいのだが…妹と私はちょっと分野が違うからな」
「そうなんですね」
「取りあえず、私も研究させてもらう為の準備をさせてもらうよ。改めて伺わせてもらうよ」
そう言って、ジーゼンは研究室に戻っていった。