5、風呂
自分の機体も確認でき、食事時まで少し時間があるので彼等はお風呂に入る事になった。サカキは艦長に呼び出されてこの場にはいない。
「ここでは、混浴が主流なんですね」
「ん~、ちょっと勇気いるなぁ」
「オレが中を確認した後、外見といてやるから行ってっこい」
「え?でも…」
「遠慮はしなくていい。だが、長湯だけはするな。オレ達は居候の身だ。周囲には迷惑はかけられないからな」
「飛鳥はいつ入るの?」
「…気にするな、はやくしろ」
何とも男らしい。飛鳥の好意に甘え、3人はお風呂を楽しむことにした。
3人が体を洗い終え、湯に浸かる頃誰かが入って来た。恐れに驚く3人。
「え?」
「飛鳥、誰も入れないって言ってたのに!?」
「誰ですか!?」
「きゃぁ!?」
「…女の人の声?」
「真っ白で見えないですぅ~」
背の低い少女の様な、女の人が近づいて来た。3人は相手の姿を見て落ち着きを取り戻す事ができた。よくよく考えてみれば、あの飛鳥が女の人までも入れないなんてありえないことだ。
入って来た時に驚きの声を上げてしまったことの謝罪を述べた後、お互いに自己紹介をして打ち解ける事が出来た。彼女の名はセレナ・バッロクというらしい。研究者として兄弟でこのエスペラントに乗船している事をはなしてくれあ。研究者と言う事は、年齢がそれなりにいっているのではないか?そんな疑問が浮かび
「セレナさんは、お幾つなんですか?」
「私ですかぁ?私は、19ですぅ~」
「えぇ!?」
「ふふふ、年下だと思いましたぁ~?よく容姿が幼いので、よく言われるんですぅ~」
「あ、いえ…すみません」
「蛍さん、謝らないで下さいぃ~」
「でも、19で研究者の一員として乗船出来るのは普通の事なんですか?」
「そうですねぇ~、まぁ兄の助手として一緒に乗船しておりますしぃ~、中々無いかもしれませんねぇ~」
ほのぼのと会話を繰り広げていた。セレナが3人が身につけている石が先程から気になっていたようで、その石は何なのかと質問を投げかけた。それに、ジェレジークと呼ばれる宝石だと話しをすると、セレナが豹変した。
「ジェレジーク!?何処でその秘法を入手したんですか!」
「え?」
「セ、セレナさん!?」
「教えてください!」
「お、落ち着いて下さい」
「もしかして、研究対象ってこのジェレジークだったりしますか?」
「そうです!バロック家は代々このジェレジークについて研究をして来たのです!」
「そうなんですか」
「私達兄弟はバロック家代表としてこのエスペラントに乗船し、研究しているんです!是非とも!是非とも詳しくお話と石を見せてください!!」
大興奮するセレナを何とか落ち着いて貰う為一旦お風呂からでる承諾を得る事がなんとか取り付ける事が出来た。
ようやく上がって来た4人を見て飛鳥は溜息をついた。セレナが生き生きし、蛍達が疲れた表情を見せていることからして何かあったのは容易に想像は着いた。だが、風呂場の外には結構な人数の人を足止めさせた飛鳥は一応注意をする事にし、セレナを含める4人に周囲に迷惑をかけた事に対し謝るように促すのだった。