1、記憶の定着と始まり
過去に作った作品を処理していくために、とりあえず打ち込んで行くことにしました。誤字脱字が多いと思いますが、産休中で打てるうちに売ってい行こうと思います。一応4月に産まれる予定なので、それま打てるところまで打っていこうと思います。作品が完成したら、誤字脱字等の修正を行っていこうと思います。気長に見守っていただけますと、幸せます。
これは、私が体験した摩訶不思議な体験記録。以前からこんな体験をしていたらしいのだけれど、全く記憶に無かった。この時を堺に記憶は定着し冒険を続けている。
今回は、その記憶が定着した体験をここに書き記そうと思っている。
“春”桜が満開の頃、仲が良かった4人が集まって遊ぶ事なった。昔からカラオケが大好きで、高校生になり別の高校に通うになってから合う事も無かった。春休みに入り都合が合うようになり久しぶりに会って遊ぶことになった。
「…ちょっと早かったな?」
自転車を止めながら、集合場所であるカラオケBOXの自転車置き場で周囲を確認しながら目的の人物を探す。どうやら、一番乗りで来たようだ。そわそわとしながら、他のメンバーを待つ事に。
「あっ、美鈴~久しぶり~」
「え?蛍!?」
「相変わらずだね。まぁ、1年でそんなに変わらないかw」
「嫌々、蛍、すっごく痩せたね!?何かあったの?顔とか雰囲気は変わらないけれど…」
「そうかな?でも、美鈴は全然変わらないね」
「ヒドイ!」
「そうかな?褒めてるのに」
2人はすぐに大盛り上がり。それこそ、周囲の様子が見えなくなるくらい花を咲かせていた。そんな2人に静かに近づく者の気配などには全く気付かなかった。
ドン!
「きゃっ!?」
「うわぁ!?」
突然背中に受けた衝撃に2人は思わず転びそうになったが、相手も計算した上での力加減だったのだろう。転ぶ事は一切なかったが、驚きと怒りが瞬時に沸き上がった。そして、そんな事をする人物なんて昔から1人しかいなかった。だから、二人は同時に振り返り声をそろえて相手の名前を言う事が出来た。
「「飛鳥!!」
「御名答。大正解ですよ、お二人さん」
ニヒルな笑顔を浮かべながら返事する姿は今も昔も変わらない仕草ではあった。それが余計に腹を立たせる行為だと分かっているのだから、余計に達が悪い。
「何が御名答よ!こけそうになったじゃない!」
「いつもの事だろ?オレ流の挨拶」
「そうだとしても、少しはそう言ったところ直しなさいよ!」
「ん~?それだと、オレらしくないじゃん」
「だからってぇ~!!」
飛鳥と蛍が言い合っているのを見て、段々と落ち着いて来た美鈴が飛鳥容姿を見て
「え?ちぇっ!飛鳥髪切った!?」
「え!?」
「…嫌、逆に伸びた」
「と、言う事は…帽子の中?」
「正解」
「え?でも、そんなに髪が入っているようにも見えないし、出てる髪もそんなに長くないし…」
「…あ、春香来たぞ」
話をそらされてしまうが、最後に来た人物を受け入れない訳にはいかない。
全員そろった所で、飛鳥はさっさと受付を済ませ部屋に入って行くのだった。それに慌てて着いて行く。先程の事が気になるが、何だか言い出しにくい雰囲気の中時間が流れて行った。その内、そのきっかけをくれたのは紛れでも無い、飛鳥本人だった。
「そういやぁ、蛍スゲー痩せたな。男でも出来たか?」
「なっ!そ、そんなこと無いよ」
「ふーん…美鈴は相変わらずだな」
「蛍にも言われたけど、それ傷つく。ヒドイ」
「人の成長期は、個々によって違う。それが早いか遅いか…故意的に変えるのか、そうでないかは人それぞれだろ」
「そうだけど…」
「美鈴の場合、良い意味で変わっていない。全員が変わってしまえば寂しい物があるだろう?中身は根本的に変わらないだろうが、容姿なんていくらでも変えられる。変わって無い美鈴は、この場では安心するポジションだと言う事だ」
その言葉を聞いて、美鈴は目を丸くした。嬉しさと、そう言った深い意味が込められていたとは思わなかった。たてまえだけの言葉だとばかり思い、1人傷ついていたが飛鳥の言葉の真意は何時も考えさせられる。その言葉を素直に受け入れる事が出来るのは、飛鳥だからだろう。素直に喜ぶ事ができた。
「わ、私は?」
「春香も男が出来ただろ。それも肉体的な所まで」
「!!」
周囲はぎょっとした。それをドストレートに言ってしまう辺り、飛鳥らしいと言ったら飛鳥らしいのだが。何と言うか、飛鳥だからか恥ずかしいと言う感情よりも驚きの方が勝っていた。
「ど、どうして?」
「単純に雰囲気やしぐさ、服装が色っぽく男を意識したモノのように感じられたから」
それを聞いて、春香は顔を真っ赤に染め上げて行った。その様子に2人はさすがの力眼だと思った。春香は春香で、それを弁明しようと必死に訴え返すが…
「もー!!飛鳥だって、痩せたし!髪もバッサリ切って、より一層男らしくなって、一番変わったじゃない!」
「髪に関しては、逆に伸びて腰ぐらいまであるぞ」
「えぇ!?ウソ!!」
「嘘言ってどうする」
「さっきも話してたけど、いくら髪の毛を帽子…ニット帽に入れてたとしても入らないよね!?」
「うんうん。飛鳥マジック!!」
飛鳥は呆れながらも、マイクを持って持ち歌を歌いだした。これにより強制的に話は終了してしてしまったが、彼女達の不信感は治まらなかった。だが、飛鳥を怒らせると怖いのを知っている3人はコレ以上聞く事が出来ずにいた。しばらくして、美鈴が飛鳥の選曲に疑問を持ち始め、ポロリとつぶやいた。
「ん~、気のせいかも知れないけれど飛鳥の選曲、私達が最後に遊んだ時と同じ曲ばっかり歌ってない?」
「…言われてみれば」
「確か、あの時も今回も提案してくれたの飛鳥だもんね」
「だよね」
3人は思わず見合って笑った。そんな様子を飛鳥は静かに見ていた。
数時間が達、そろそろお開きの時間となった。身支度をしながら話をしていると、飛鳥がポケットから何かを取り出した。その行動に3人はじっと不思議そうに見た。手渡されらのはキレイな石だった。一瞬本物の宝石のようにも思えたが、さすがにそれは無いだろうと思い、キレイな石かガラス細工だと思った。
「どうしたの?」
「キレイなこの石貰っていいの?」
「…それぞれ水晶の中に宝石の原石が入り混じった、珍しい石なんだ」
「えぇ!?」
「そ、そんなもの貰えないよ!!」
慌てて、突き返すように石を飛鳥に渡そうとするが、丁重に返された。3人はこれには裏がありそうだと瞬時に判断する事が出来た。
「まぁ、聞け」
「嫌!」
「怖い!」
「絶対、何かある!」
「「「企んでる!!」」」
「…説明だけでも聞け」
溜息交じりにそういう飛鳥に、一応話だけは聞いてから判断する事に決めた。
「まず、蛍に渡した石だがそれは“レッド・ヴァージー”と言って、赤水晶とパールが入っているらしい」
「らしい?」
「美鈴のは“トゥルー・ビー”と言って、分かりにくいが水晶とダイヤなんだが、両方透明な部類だから、オレでもよく判別がつかん」
「えぇ!?だ、ダイヤ!?」
「近年ダイヤはよく取れるから、別に珍しい鉱石では無いからな。まぁ、混合と言う時点でどれも珍しい鉱石に格上げだ」
「では、私のは?」
「春香のは“セレジェレ”と言って、水晶とエメラルド。ぱっと見た目、エメラルドが多いから混合には見えにくいな」
丁寧に説明してくれる飛鳥だが、肝心の何故くれたのかが未だ説明を貰えていなかった。
「うんで、オレのが“ブロー・ダージー”と言うらしく、水晶とキャッツアイと言う宝石らしいが…まぁ、お前らが聞きたいのはこの石の混合成分の話しでは無い事くらい分かっている。取りあえず、こう言った混合鉱石の事を“ジェレジーク”と言うらしい」
溜息をつきながら、何故か至極めんどくさそうに説明を始める飛鳥に怪訝な雰囲気なるのは仕方ない事だろう。
「ねぇ、何でさっきから“らしい”っていうの?」
「今からする本題説明でわかる」
「ふ~ん」
「で、だ。この石はオレのもんじゃない。オレも言われて手渡すように言われた身だ。オレは使いぱしりということだ。癪な話しだがな」
「どうゆうこと?」
「…」
飛鳥が、この石を入手した経緯について話しをしようとした時何処からともなく声が響き渡った。それに、飛鳥は心底嫌な顔をしながら溜息をついた。
『汝、選ばれし者達よ。我が世界“ゾロジリナ”を救う者とならん』
「な、何!?このRPGとかファンタジーでありそうな臭い台詞」
「オレに聞くな」
「何言ってるのかよく分からないです」
「どうなってるの!?」
それぞれが、疑問に思った事をつい声に出して話していると周囲が目が開けられない程の光に包まれた。コレに内心、ありきたりだと思ってしまう者が居てもおかしくないだろう。そして、光が治まると当然のように、4人の姿は跡かたも無く消え去ったのだ。