第7話 変化した世界と談笑
長さが各話ごとにバラバラなので、ご注意下さい。
説明パートが長めに入りそうなので、読みづらいかもしれません…
2人が入ってすぐ桜田さんが寄ってきて、手を引いてくれた。
どうやら歩きながら話すみたいだ。
多分距離があるのだろう。
「君が弟さんかい?すまないが名前を教えてもらえるだろうか?」
子供相手だからか、砕けた感じの喋りになっていた。
ま、その方が楽だから別に気にしないが。
「はい。月夜見 冷夏といいます。」
一応、笑みを浮かべてそういった。
第一印象は大事らしいからな。
「れいか君か。ちなみに文字ではなんて書くんだい?」
やっぱ、そこ聞くよな…
女っぽい名前だし。
「冷たい夏と書きます。」
「ほう。これはまた変わってるな。何だか涼しげで風流な感じがするよ。いい名前じゃないか。」
褒められた!
今までまともにそんなこと言ってくれなかったのに…
喜びのあまり、騒ぎたくなるのを抑え、精一杯の笑顔で返す。
「ありがとうございます!そういえば、名前と言ったら桜田さんも変わってますよね?もしかして『ハーフ』と呼ばれる方ですか?」
「ああ、そうだよ。母が欧米人で父が日本人なんだ。まあ、欧米も日本も今はないからなんとも言えないんだけどね。」
「確か、種族戦争後の種族間協定、別名五星島協定でしたよね?そうなったの。」
「ああ、よく知ってるね。それによって人間の国があった場所には天使又は堕天使、悪魔、人間の大きく分けたこの3種族が入り混じって生活しているんだ。」
「まあ、この五星島は特殊ですけどね。」
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今からおよそ100年前、平和だった世界は突然変わった。
地球全体を覆うほどの亀裂が空にでき、異空間、もしくは異世界と呼ばれる場所とこの世界は繋がってしまったのだ。
その亀裂からは、漫画やアニメなどの二次創作物や神話の中に登場する様な者たちが現れた。
所謂、悪魔や天使、詳しく言うなら魔物や獣人、魔人、魔法使いなどだ。
世界中でそのことがメディアなどで取り上げられ、直様広まった。
そして、その様な者たちが降り立つと同時に、人間はその者たちの餌食になっていった。
殺され、犯され、盗まれ、囚われ…という具合に。
そんな状態になってから、およそ10年。
人間は全ての国々と同盟を結び、その者達を『異界の者』と称し、全ての武器や知識を使い、総力戦を行った。
これが後に言う『世界合同異界人抹殺戦争』又は『種族戦争』である。
15年近くに及ぶ長期戦となったものの、結果は人間の惨敗…いや完敗だった。
戦後、世界の人口は4割程度にまで減った。
減った所為なのか、異界の者達はあまり来なくなった。
その間に人間は次の戦争に備え、同時に徐々に復旧していった。
それから約30年経った頃、再び亀裂から異界の者がやってきた。
しかし、今度は天使が5名、堕天使が5名、悪魔が5名、獣人3名、魔法使い2名の合計25名だけだったのだ。
不思議に思った人間は、異界の者達を一箇所に集める事にした。
そこで選ばれたのは当時放置されていた島であるこの五星島だ。
たまたま残っていたビルの一室で、それは行われた。
その当時一番まともに異界の者対策に完成していた言語翻訳システムを通し、異界の者との会話が交わされた。
会話は続き『この世界と異世界との間で技術や知識、種族間の交わりをしないか?』という内容の協定を結ばないか、ということになった。
様々な条件を出し合うことにより、合意に至った。
これが後に言う『種族間協定』又の名を『五星島協定』である。
これによって2つの世界の間で異界の者と人間は共存することになり、今に至る。
世界の歴史全集より一部抜粋。
細かい点は多々あるがこれが今の子供達の歴史の教科書にも載っている大まかなものだ。
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そんな会話をしているうちに、治療室についた。
コンコンコン
ドアノックの音が廊下に響く。
「失礼します。桜田 アルベルト、只今怪我人をお連れしました。」
「どうぞ。」
白塗りの木の扉は、泊まる部屋とは違う、横開きの扉だった。
ガラガラガラ…
あまり聞かない音に戸惑いを覚えつつも、桜田さんに続いて入った。
不定期更新ながら読んでいただき、ありがとうございます!
受験が終わったのでこれからはもっと更新していきます!
余談ですが、本当はこの序章4話程度のペラペラなものだったのですが、書いてるうちにストーリーが浮かんできてしまい、今に至ってます。
桜田 アルベルトや花宮は思いつきなので見た目の描写が少ないかと思います。
ちなみに序章はまだ続きそうです笑
加筆修正をマメにしているので、ちょくちょく読み直していただけると、尚この話について行きやすくなるかと思います。
勝手や無駄が多いですが、これからもよろしくお願いします。長々と失礼いたしました。