自重しない赤ん坊
若干どころじゃないグロがあります。
お気をつけて
ベルフェレナ帝国後宮で、今日も悲鳴が上がる。
生後一ヶ月のローバルクが、また乳母の乳首を噛みちぎったのだ。
本人としては、出来る限り優しくしているつもりなのだが、ちょっと気を抜くとこんな感じだ。
まだ歯が生えてきてない時点でコレである。
ちなみに、最初の乳母は指を砕かれた。
人差し指で、頬をくすぐってきたのを、なんとなく掴んだらそうなった。
ペッと、血塗れの口から、乳母の乳首を吐き出し、胸を抑えながら涙を流す乳母を見つめる。
別に憐れみとか、謝罪とか、そんな気持ちはない。
乳母兄弟、今何人いるんだろな、とか、そんなどうでも良い事を考えていた。
「またですか。」
侍女長を務めるおばちゃんが、駆けつけて来た。
なんか青褪めた顔してる。
いや、やりたくてやってる訳じゃないんですよ?
「この者を医務室へ。固く口止めするように。」
あら、口止めすんの?いいじゃん別に。
「誰か、殿下をベットにお連れして。代わりの乳母を連れて来なさい。」
流石、慣れたもんでテキパキしてる。
十人ちょっとの乳首を噛みちぎった俺の世話をやらされてんだもんな。これぐらい出来なきゃ、即刻クビだ。
ベッドに移された俺は、ぼへーっと天井を見上げている、ように周りには見えるだろう。
実際は次の乳母が来るまで暇なので、探査魔術を使って精神体でお散歩と洒落込んでた。
いやぁ、この宮殿広いわ。
謁見の間とか、野球とか余裕でやれそう。
緊急時と官僚の朝礼にしか使われないらしく、侍女っぽいのと下男っぽいのが密会に使ってたりするのが玉に疵だが。
覗きは趣味じゃないので、男の陰茎を風の魔術で切断しといた。
いやほら、やっぱリア充は敵だしさ。爆発させなかっただけ、優しいよな。俺。
俺にあんなもん見せた、あいつらが悪い。
あぁ、覗きと陰茎と言えば、一度、オヤジとオカンの情事も覗きに行って、魔術でオヤジを種無しにしといた。
後継者争いとか面倒じゃん。
従兄弟とか、皇族はそこそこいるし、問題ないだろ。
え、めちゃくちゃやり過ぎって?
いやさ、可愛いもんだぜ?俺なんて。
貴族連中なんてダルマ女とかやっちゃってるし、豪商とか豪農とかの奴隷の扱いマジパネェ。
最初はビックリしたが、もう慣れた。
そして、俺はだいたいの事は許されるし、だいたいの事はやっちゃおうと思った訳だ。
乳首噛みちぎってるのも、なんかそんな逸話持ってる人が、前世の歴史上にいた気がしたからだ。
いや、わざとじゃないんだよ?最近は。
まぁ、そんな訳で暇さえあれば、精神体でふわふわしながら、見識を広めている。
現代日本じゃ許されないフリーダムっぷりに、時々びっくりするが、おかげで価値観の擦り合わせは着々と進んでいる。
あ、死体も見たぜ。
宮殿の地下に牢屋があって、なんかヤバイプレイをしてる野郎共がいてさ。
いやぁ、凄かったね。
責める方は、汗びっしょりになりながらニヤニヤしてんの。
責められてる方は、血だらけで泣いてんの。
両方ともおっさんだぜ?いやぁ、ビビった。
もう通ったね。毎日通った。
最後に血だらけのおっさん殺されたんだけど、責めてたおっさん、泣きながら血だらけのおっさんを刺してた。
俺にはわからん世界だったけど、おかげでグロ耐性ばっちり。
鼻をそぎ落とすんじゃなくて、削られてたもんな。おろし金で。
お、代わりの乳母が来たみたいだ。
力加減、そろそろ完璧にしないとなぁ。




