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第48話:大久保大和の運命

流山で包囲された近藤は、大久保大和という偽名を名乗り必死に生き延びようとした。だが皮肉にも、元隊士の証言で正体が露見してしまう。敵将に「近藤勇だな」と突きつけられた時、彼は絶望で言葉を失った。しかし、その無言の姿を敵は覚悟を決めた名将の風格と見なし即座に処刑を決定した。

処刑前夜、暗闇に紛れて土方が救出に現れた。鉄格子を掴む土方の手は震えていた。

「勇、今すぐここを出るぞ。まだ終わらせねえ」

だが、近藤は静かに首を振った。自分一人が逃げれば多摩の家族や残された仲間がどうなるか、今の彼には分かっていた。近藤は、震える声で土方を突き放した。

「……二度と、僕の前に現れるな。君は、君の戦いを続けるんだ!」

それは、友を生き永らえさせる為の近藤の人生で唯一の本物の嘘だった。

土方はその言葉の裏にある深い慈愛を悟り、涙を拭って立ち上がった。

「……分かったよ、勇。お前の想いだけ連れて行く」

近藤は去りゆく友の背中を見送りながら、静かに泣き崩れた。運命の刃は、もう目の前まで迫っていた。

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