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第45話:沖田総司との別れ

慶応四年、江戸城が無血開城された。新選組の存在意義が根底から崩れる中、近藤は病床の沖田総司を見舞った。近藤は総司の痩せ細った姿を見て積もり積もった恐怖と悲しみが決壊し、その手を握って泣きじゃくった。

「……総司、もうおしまいだ。城も取られ、僕たちは賊軍だ。お願いだ、一緒に多摩へ逃げよう。そこで隠れて、静かに暮らそう……」

近藤は本気の敗北宣言をし、逃亡を提案したのだ。

しかし、死の間際にあった総司の瞳には近藤の涙は武士としての誇りを汚された、烈火のごとき悔し涙に映った。

「……近藤さん泣かないで、僕には分かります。あなたは、僕を安心させるために逃げようなんて優しい嘘をついているんですね。でも、あなたのその震える手は、まだ刀を離していません……」

総司は、近藤の恐怖による震えを再起への執念と読み違え満足げに微笑んだ。

「先生……僕の分まで、最強の局長でいてくださいね」

近藤は「……嘘じゃない、本気で逃げたいんだ!」と叫びたかったが愛弟子のあまりに清らかな信頼の眼差しを前に言葉を失い、ただ嗚咽するしかなかった。これが二人の最後の別れとなり、近藤は最強という名の呪縛を再び背負わされるのであった。

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