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第3話:若き天才の威圧

試衛館の庭では、若き天才沖田総司が軽やかに木刀を振っていた。彼は幼い頃からこの道場にいる、近藤にとっては弟のような存在だ。

「近藤さん、お手合わせお願いします!」

眩しい笑顔で誘う沖田に対し、近藤は内心パニックに陥っていた。

(総司は、天才だ……僕みたいな顔だけ番長が相手をしたら一瞬でボロが出て、ただの怖がりだとバレてしまう!)

極限の緊張で近藤の膝がガタガタと音を立てて震え始める。

「……っ、っ……」

近藤は必死に歯を食いしばり、総司を射抜くような(実際には怯えて見開いた)眼光で凝視した。

それを見た沖田は、はっと動きを止め木刀を落とした。

「なんてことだ……。近藤さんの身体、周囲の空気と共鳴して震えている! 稽古だというのに僕のわずかな殺気を察知して、闘争本能が爆発しかけているんですね!」

「えっ、あ、いや、総司、これはただの……」

「わかります! 近藤さんは、座っているだけで空気を震わせる武の極致に達したんだ。僕も早くその域に行きたいなぁ」

近藤は助けを求めて土方を見た。土方は縁側で欠伸をしながら、小声で囁いた。

「……よかったな勇。お前の武者震いが、天才にさらなるやる気を与えたぞ」

近藤の本性を知るよしもない沖田は、その日から近藤を歩く不動明王としてより一層崇めるようになったのである。

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