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第24話:禁門の変での活躍
元治元年、京都の街が火の海と化した禁門の変。新選組も出動したが近藤は、立ち上る煙と地響きのような大砲の音に腰を抜かしていた。
「……トシ、あんな巨大な鉄の玉が飛んでくるなんて聞いてないよ! 帰る、僕は今すぐ壬生に帰る!」
近藤が半泣きで踵を返そうとしたその時、至近距離で爆発音が轟いた。あまりの衝撃に近藤は無様にひっくり返り、地面を激しく転がった。
だが、これを目撃した会津藩の兵たちは、驚愕の声を上げた。
「見たか! 近藤殿のあの身のこなしを! あえて無様に転がることで死線を潜り抜けた。まさに、飛んでくる礫さえも見切る達人の業だ!」
近藤が泥だらけで「痛い、腰を打った……」と悶絶しながら立ち上がるとその苦悶の表情は、敵への凄まじい威圧と受け取られた。
「怯むな! 弾丸すら当たらぬ不死身の怪物が来たぞ!」
新政府軍である長州勢は、この転がる達人に戦慄して一時撤退。近藤はただ、泥を払いながら「……早く帰って、お団子食べて寝たいなぁ」と涙目で見栄を張るのが精一杯であった。




