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第23話:苦手な観柳斎

伊東一派に続き、今度は軍学者の武田観柳斎が入隊を希望してきた。彼は非常に癖の強い男で常に相手の顔色を伺いながら、おべっかを使う。近藤は武田のニチャアとした笑顔が苦手で、つい顔を引きつらせて後ずさりしてしまった。

「……武田さん、僕はそんなに偉い人間じゃないからあまり顔を近づけないでほしいな」

近藤は本気で生理的な拒絶を示したのだが武田はそれを自分を試している、高潔な局長のテレだと強引に解釈した。

「……ヒヒッ、分かっておりますとも! 近藤先生は、あえて私を突き放すことで軍師としての気概を試しておられる。ああ、なんて深い愛情だ!」

武田は近藤の引き攣った顔を自分だけに向けられた特別な慈愛と読み違え、隙あらば近藤の横にピタリと張り付くようになった。

近藤は「……トシ、助けて! この人、ずっと僕の耳元で軍略の自慢話をしてくるんだ!」と涙目で土方に訴えたが土方は「いいじゃねえか、勇。変な奴に好かれるのも看板の役目だ」 と笑って無視した。こうして、近藤のプライベートは変な軍師に侵食されていくのである。

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