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第7話『すれ違う心』
図書室。午後の柔らかい光が本棚の影を長く伸ばしていた。カイは一冊の本を手に取り、無意識にユナの存在に気づいた。
「……ここにいたのか」カイは静かに声をかける。
ユナは本を閉じ、無表情でカイを見た。
「探していたわけじゃない。ただ、あなたの動きを見ていた」
二人の間に、微妙な沈黙が流れる。友情だけでは測れない、複雑な感情。カイは胸の奥で、微かに高鳴りを感じた。
リョウが後ろから声をかける。
「二人で何してる?」
カイは言葉に詰まり、ユナも目をそむける。友情と恋心が微妙に絡み合い、互いの距離を測りかねていた。
未来音が小さく囁く。「距離…近づく」
その瞬間、本棚の端で小さな異変が起こる。本が倒れ、乾いた音が図書室に響いた。二人の心拍も一瞬早まる。
ユナは目を細め、低く呟く。
「小さな心の動きも、未来を揺らす」
遠くで黒瀬の影が微かに笑う。校舎の静けさの中で、予感の波紋はさらに広がっていった。
カイは深呼吸をひとつ、次の行動を決める。友情、恋心、守るべきもの。全てが試される瞬間が、すぐそこまで迫っていた。




