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第5話『小さな犠牲』

放課後の実験室。試験管がずらりと並ぶ棚の前で、リョウが足を滑らせた。未来音が鋭く響く。


「危険…!」


カイは瞬時に反応し、手を伸ばしてリョウを支える。倒れる寸前、二人の体がぶつかり合い、棚の一角に置かれた試験管が倒れる。ガラスが割れる音が響き、危機は最小限で回避された。


リョウは息を整え、少し笑いながら言った。

「お前、本当に頼れるな…」


カイも微かに笑うが、心の奥には不安が残る。小さな犠牲を防いだだけで、この先の大きな波を思えば胸が重くなる。


ユナは少し距離を置き、冷静な目で二人を見守っていた。

「小さな変化も見逃さない…それが生き残る秘訣よ」


未来音が再び囁く。「波は連鎖する…次はもっと大きな波」


カイは深呼吸をひとつ、決意を固める。

「守るんだ、仲間も、街も…」


遠くの廊下で、黒瀬の低い声が風に乗る。

「小さな犠牲は、大きな未来を生む」


小さな波紋は、確実に広がり始めていた。


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