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第3話『違和感の波』
午後の校庭。微かに風がざわめき、木々の葉が揺れる。カイは歩きながら、未来音に耳を澄ませた。小さな違和感が、身体の奥に重くのしかかる。
「何かが…近づく」
リョウが横で眉をひそめる。
「昨日より大きな波が来そうだ。大丈夫か?」
カイは小さく頷く。
「うん…でも、昨日より少しだけわかる気がする」
二人の心理は、迷いと不安が入り混じる。しかし守るべき仲間の存在が、決意を支えていた。
校庭の隅で、葉がひとひら舞い落ちる。その影が微かに揺れる。未来音が鋭く響く。「避けろ…!」
リョウは一瞬ひるむ。カイは瞬間的に手を伸ばし、リョウを引き寄せる。砂が舞い上がる中、危険はギリギリで回避された。
「…ありがとう、カイ」リョウは息を整えながら呟く。
「うん、何とか間に合ったね」カイは微かに笑うが、胸の奥には緊張が残った。
そのとき、遠くで低く響く声。風に紛れて、黒瀬の囁きが届く。
「予兆は序章に過ぎない…」
カイは目を細め、遠くの影を見据える。校庭に漂う違和感は、ただの風ではない。次に何が起こるか、すでに小さな波紋は動き始めていた。




