6.許諾
昼頃、ユーミアは自分の実家である、侯爵家に戻った。
「ユーミア!元気にしているか」
「まあ、ユーミア」
すると、ユーミアの両親がユーミアを歓迎する。
「元気ですわ。お父様もお母様も元気そうで何よりです」
と、ユーミアは両親との再会に喜んだ。
「何か話したいことがあると。リビングで話そう」
と、父が言ったので皆リビングに移動した。
☓☓☓
ユーミアと父と母3人はリビングで話す。
「バルコニー王のことです」
ユーミアは二人にそう言った。
「ミセス・フロウのことか?」
「ご存知で?」
「ああ」
と、父はユーミアを労るような感じで言った。
「バルコニーはミセスに入り浸り、王としての役目を果たしておりません。それどころか私に、仕事を押し付け、自分は仕事をしない状態が続いております」
「そうか…」
「それに、バルコニー王はもう、私に気持ちはないのです。なので、私はもう王妃の立場を降りたいと思っています」
「…」
私はそのように父に言った。
「…ユーミアがバルコニー王の事に悩んでいることがわかっていた」
と、父は言った。
「だが、ユーミアから切り出さないので何を言えば良いか分からなかった。わかってはいたが放置をしていたと。…ここまで悩ませてすまないな」
ユーミアの父はユーミアを労る物言いだった。
「しかし、ここまでそう思い悩むなら、相当苦悩しているだろう。もう良い。ユーミア。良く頑張って言ってくれたな」
と、父は言う。ユーミアに父に王妃を辞める事を認められないと思っていたので、ユーミアは少しびっくりした。
「…いいのですか?お父様」
「ああ。しかし、王妃を辞めるのはいいが、出来なくなることも多くはなるだろうし、それに、バルコニー王が王としての責務を果たしていないのなら、国の行く末が奈落に落ちていくことがあるだろうな」
「…そうです。他の家臣が不備を認め、王を是正する状況なら良いのですが、肝心の宰相も甘やかし、この状況を許すような実態になっています。まあ、私が辞めることで治るなら別にいいのですが」
「あの王が治ると思うか?…私が物申しても、先王が、言い聞かせても駄目だったからな」
「そうなんですか?」
「ああ。ユーミアが半分予想している状況は大体当たっているぞ」
「…やはり、王は国のお金を愛人に使っているのですか?」
「そうだ。王は認めてはないがな」
ユーミアは父の言う事に衝撃を受けた。
「しかし、ラビアが上手く隠しているからな。軽く問い詰めると、政務をこなしていない貴方に何がわかるのかと言うからな」
「…ラビア宰相は本当に、そのような言い方をしますよね。私も王は愛人と関わるのが仕事なんだ。愛人の仕事を奪うのか?といういなされ方をされましたわ」
「そうだな。私の言ったことですら、私が圧力を掛けている。と悲観的に言われるからな。なんというか、ラビア宰相はあまり物事を能動的に受け止める能力がないな。あれでは不備が起こった時、解決などできんだろう。与えられた仕事はこなせるだろうが」
はあ。とユーミアの父はため息をついた。ユーミアは自分が、ラビア宰相に思っている違和感は全部父が代弁してくれたと感じた。
「お父様もラビア宰相に思う所があったのですね。私も同じ意見ですわ」
「ああ」
「…それなら、やはり、私は王妃を辞めない方がいいのでしょうか?その、やはり王妃という、権力の立ち位置があった方が、それなりに解決できることが増えます。その立場を捨て仮に侯爵に戻っても…」
「…そうだな。正直私にもわからない。しかし、私は続けようが、続けまいがこの状況は変わらないと思うが、ユーミアが不安にのめり込まれ、壊れてしまう方が私には耐え難い。ここまで放置してしまった私にも責任があるが…。私は一旦引いたほうが良いように思える。…ユーミアの幸せをまずは第一に考えた方が良い。それに、王妃と王、二人で政務を作るのが、本来国の役目だ。…だからこそ、ユーミアとバルコニー王は二人同じ立ち位置であり、同等の権力だ。だから、ユーミアはこうだ。とバルコニー王のことを追求しても、バルコニー王には効かないだろう。逆も又然りだが…。まず証拠もない状態で、何か言っても無意味だ。…こればっかりは国民の意見が必要だろうな」
「…お父様」
「ならまずはユーミアの幸せを先に考えよう。結果は何をやっても変わらないだろうから。なあに、ユーミアの決めた事なら、私は全力で応援するし、向こうが何か言ってきたなら戦うさ」
なあ。と、隣のユーミアの母にユーミアの父が、言うとええ。と言った。
「有難うございます。お父様」
ユーミアはそうユーミアの父に言った。




