5.決心
(やっぱり何言っても無駄か)
バルコニー王との話し合いが終わった後の部屋から戻る最中の廊下でユーミアは考えた。正直ユーミアは何もかも諦めた。淡い期待はあったが、あれではもうユーミアの言葉なんて届かないだろう。
(なら、もう私が王妃として存在している意味なんてある?)
ユーミアの考えはラビア宰相にも届かない。このまま王妃として存在していても、バルコニーの愛も受けられず、一生飼い殺しになるような気がしていた。
(しかし、私自身の幸せを考えると国が危機に合い、あの王が職権乱用してくることに危惧を感じるし、ミセスも散財で財政圧迫するのでは?)
と、ユーミアは思い始める。
(そしたら国民が路頭に迷うのは目に見えている…)
ユーミアはその事に危惧する。
(でも待って?じゃあ、なぜ今までこの状況が改善されていないのかしら?)
と、彼女は疑問を持った。
(私が思っていることは周囲は思ってる筈なのに、しかし、私が何か言っても、改善することはなかった。王にも、ラビア宰相に言っても。なんだか周囲が同調してて、何か物を申す私が悪者になっている状況じゃ、私が段々と追い詰められていくだけでは?)
ユーミアは自分の状況を考えた。幸い自分を慕ってくれている侍女や家臣は沢山いる。しかし、肝心の王があれでは何言ったって届かないのでは?とユーミアは思う。この国では王が最終的に決定する権限を持っているのだ。
(じゃあ、私は黙ってこの状況を見届けろと?ミセスに酔いしれるバルコニー王に黙り淡々と王妃の業務をこなしていく。そんな日々をずっと強いられなければならないの?…しかし、確かにバルコニー王にとって私は何のメリットもない女だ。もう向こうにはミセスがいるから)
もうバルコニー王の心はミセスのものなのだ。すると
(私も、私の幸せを考えたい。私だって子どもを産んで、幸せな家庭を持ちたい)
と、ユーミアはそんな思いを持った。
ここで王妃を辞めたら辞めたら後ろ指をさされそうだが、何もせずに空虚な時間を過ごすのはもう嫌だった。自分の力を発揮できない環境で王妃の仕事を続けていても無意味だと。
(ラビアやバルコニー王以外はこの状況に対し、どう思っているのだろう)
と、ユーミアは疑問を持った。
(一旦父に相談してみよう)




