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[ 完結長編]蔑ろにされた王妃様〜25歳の王妃は王と決別し、幸せになる〜  作者: コマメコノカ@女子・女性向けWEB小説家・23時投稿


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22/23

22.ユーミアとシリス

「…で、何故私が王宮に呼び戻されなければならないのかしら」

 と、ユーミアは若干怒りながら隣のシリスに言った。

 現在ユーミアは馬車に乗って、シリスと2人で王宮に向かっている最中だった。

「…それは、俺が王になるから、あの俺の拠点をどうするか?という話が出ててな、ユーミア元王妃に任せたらどうか?という話になったのだ」

「………何故そんな突飛な話が…?私孤児院の経営もありますのよ…?」

「いや。たぶんアラブが先王に話して、手を回したんだ。ユーミア王妃を又王宮に戻そうと…」

「アラブ…。あの方本当に策士ですわよね」

 と、ユーミアはやれやれという風にアラブのことを言った。

「でも、私が行った所で何もならないと思いますけどね」

「そんなことはないさ」

「…しかし、シリス様の拠点の事は確かにどうしたら良いか…。それは気掛かりですわ」

「だろう?」

「…シリス様」

 すると、じとっとユーミアはシリスを見た。

「…私が居なくても、彼処を何とかするのがシリス様の役目では??」

「…はい。そうです。仰る通りです…」

「でも、本当に、私は孤児院の経営があるので、そこを頑張りたいんですよ…。」

「でも、彼処から1人優秀な人間を出してしまったじゃないか。ユーミアは…。…だから実績があるんだよな。」

「だから私が呼ばれましたの?もしかして、あの兵士様の事ですか?」

「ああ。短期間で合格して、貴族になっているぞ」

「す、凄いですわね。あの方、優秀だったんですね」

「まあな。素直だからな」

「確かに可愛がられそうなタイプでしたわ」

「…じゃあ、あいつに任せるか?」

「それはまだまだですわよ。もう少し任せられそうな人が良いと思いますわ。しかし、それで良いのですか?シリス様は」

「別に。優秀だったら、平民だろうが、貴族だろうが。あの拠点を任せたいと思うぞ」

「そうなんですね」

 と、ユーミアは言った。すると、

「…あの兵士気になるか?」

 と、シリスが聞いてきた。

「いや、別に…何故そう思いますの?」

「いや、あの兵士、ユーミアに好意抱いていたし」

「…そうでしたね」

「…それに、最近、プロポーズをすると言っていたと報告があった」

「…え?冗談ですよね」

「本当だ。俺は、あいつの言うことは本気だと思っている」

「そ、そうなんですか?」

 最近の若い人って怖いわ…。と、ユーミアは呟いた。本当に本気なのか?とユーミアはやはりその疑念が拭えないが。

「…でも、ユーミアも放っとかれないタイプだからな。…若干バルコニーの気持ちもわかる」

「…ああ。バルコニー様は無事シリス様の元に辿り着いたのね」

 と、ユーミアは言った。

「……バルコニーの本当の気持ち知りたいか?」

「いや…もう終わったのでもう良いです」

「…そうか。ならいいか」

「…やっぱり聞きたいです」

「…バルコニーは、ユーミアが自分に構ってくれなくなって淋しくなったと。だからってさ」

「ああ。…でも、わたしに嫉妬させたかったってことですか?」

「そんな感じらしい」

「…そうなんですね。でも、その割にはミセスに入り浸っているから逆効果だとは思いますが」

「俺もそう思うよ」

 と、シリスは切なさそうに笑った。

「まあ、でも伝えベタな所はあったかな。とは。そんな所かな」

「…そうですわね。…はあ。私、男心は良くわからないですわ…」

 と、ユーミアは言った。すると、シリスがユーミアを見た。

「ユーミア。俺のことはどう思っているんだ?」

「シリス様のことですか?シリス様は気が合う友人です…」

「違う。男としてだ」

「あ、あの近いです。…シリス様」

 すると、シリスは、ユーミアに顔を近づかせ、頬に手をやった。

「もう、はぐらかされたくないからな…いやか?」

「…別にいやでは、ないです、けど」

「…俺はユーミアの事を男として、愛しているんだ。だから、俺の妻になって欲しい」

 と、シリスは言った。

 すると、ユーミアは下を向く。

「…でも、又王妃になるのも違うと思うのです」

「そうだよな…」

「…あの、シリス様は王になりたいのですか?」

「…俺は可能なら降りたいな。ユーミアと一緒になりたいから。ユーミアがならないなら、俺もなりたくないんだ」

「じゃあ誰が王になるんですか?」

「うーん…。先王にでも任せるか」

「もう先王様は歳なんですよ…」

「でも、俺はユーミアじゃないと嫌なんだ」

「そ、そこまで…?」

「うん」

 ユーミアは犬みたいに目を潤ませるシリスに困惑する。

「…又同じ事になるのは嫌ですの」

「俺は、バルコニーみたいな事はさせない。…先王にも愛人制度を廃止して欲しいと言ったしな」

「…そうなんですね」

「…ユーミアが王妃になりたくないなら、俺も王にはならないから」

「……」

 ユーミアはシリスの言う事に黙った。

「…それでも、ごめんなさい。今は、考えられないわ」

 と、ユーミアは言葉を絞り出した。

「…うん。…そうだよな。でも、俺は、ずっと前からユーミアのことを好きだったのを…伝えたかった」

「…いいえ。有り難う御座います。シリス様」

「…でも、それでも、…ユーミアの元へ来ても良いか?」

「ええ。孤児院に是非いらしてください。シリス様」

「ああ」

 そうして、二人は王宮に向かった。




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