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[ 完結長編]蔑ろにされた王妃様〜25歳の王妃は王と決別し、幸せになる〜  作者: コマメコノカ@女子・女性向けWEB小説家・23時投稿


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20/23

20.複雑

「…」

 ラビア宰相がシリスの拠点に来る間、ユーミアはシリスの拠点である城に居た。暫く、国から離れた場所に居たかったので匿って貰っていたのだ。

 ユーミアは王妃教育で培ったものを、シリスの城で教室を開き教えていた。

「シリス様の場合3度目の仏はありませんから!」

と、あの兵士はシリスに怒られてしまった事を悔み、ユーミアを追いかけて、政務の事を教えてくれ!と頼み込み、必死に勉強した。すると、現在は王都に戻り、試験を受けている。

 その間、ユーミアは複雑な胸中を胸に抱いていた。

 バルコニー王とラビア宰相、ミセスが失踪した事を、ユーミアは知った。

「…私が王妃を辞めなければ二人は失踪することはなかった」

 ミセスはまだ何も分からない無垢な人間だから、間違った失敗をするのは当たり前である。ユーミアだって、昔は何度も失敗をした。だから、ミセスを気に掛けるのは当たり前だろう。

でも、だからってユーミア自身にもプライドというものはある。愛する夫を奪い、王妃の座を狙うような恋敵に教育を施し、自分の代わりに王妃を勤めさせるなんて、そんなことはしたくない。というか、そんな事をする馬鹿な人間なんて普通はいない。

(じゃあ、又王妃になりたいの?)

 王妃というのは何なのか?と、ユーミアは考えていた。王と王妃が失踪し、国が放置状態にあるのは分かってはいたが、しかし、

(暫くゆっくりしたい)

 と、ユーミアは思った。

(…私だって国を捨てたようなものだし)

 …と、ユーミアは思った。

「ユーミア」

「シリス様」

 すると、シリスがユーミアの部屋に訪れた。そして、

「ユーミア!迎えに来たぞ」

「お父様!?」

 と、ユーミアの父が、ユーミアを迎えに来た。

「まあ、自分で帰ると言ったではありませんか?」

「早く実家や孤児院に帰りたいだろうと思ってな。私が居ると、説得やらなんやらがスムーズに進みそうだろう?」

「お父様ったら…。元気ですわね」

「ふふふ。70まではまだまだ現役レベルで動く為元気でいるぞ!しかし、まだシリス君の拠点にいたいか?」

 と、ユーミアの父は言った。

「…そんなんじゃありませんわ」

「でも、ユーミアは居たそうにしてるぞ」

「だから、そういうのではありません」

 と、ユーミアはからかう父に対して、つっけんどんな態度をとった。

「…だそうだ。シリス君」

「………ショックだ」

「あ、い、いえ。シリス様が嫌いと言うわけではありません…」

「…その言葉を信じるが、俺はまだ居てほしいんだが?」

「うーん…私としては孤児院の子供達に一度会いたいですわ」

「そうだな…」

 すると、ユーミアはふと気になったので聞いてみる。

「…バルコニー王やラビア宰相、ミセス様は何処にいったのでしょうか?」

「先王は捜索中だと言っている」

「そうですか…」

 と、ユーミアは言った。すると、ユーミア父はユーミアに肩を置くと、

「…孤児院の子供がユーミアに会いたがっているぞ?」

 と言った。

「…そうね。では、シリス様。又孤児院に遊びに入らしてね」

「ああ」

 そうして、ユーミアは王都に行き、孤児院に戻っていった。


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