16.ラビア視点 ラビアの政務
ラビア宰相はシリスの所に行った。
(しかし、きな臭い所だ)
シリスはラビアの拠点に行き、そう思う。ラビアは案内されたシリスのテントに入っていった。
「ようこそ。ラビア宰相」
「シリス様」
と、シリスはラビアを案内した。テントの中にはシリスとアラブがいた。
「アラブ…様?」
シリスはその様子に驚いた。まさか、暴動の一因が小国の王だとは。と、ラビアは思う。
ラビアは昔ユーミア王妃と共にアラブの国に訪れた事がある。その時からの知り合いだ。
まさか、その王が、たかが王妃を変えたことでやってくるとはラビアは思いもしなかった。
(あんな遠い所から、良くこんな所まで来たな)
と、ラビアはアラブに対してそう思った。
「お久しぶりですね?アラブ王様」
「ええ。ラビア宰相。…でも、今は王ではなくアラブとお呼び下さい」
「…そうですか。先王から聞きました。何か、不安なことがあると。それで、私と対話したいとの事ですね?」
「はい。ユーミア王妃が居なくなってしまったので、その確認がしたく、貴方との対話を求めました」
「…成る程」
(そうか、ユーミア王妃は外交がメインだったからな…)
と、ラビアは思う。
そして、ラビアは二人との対話をすることにした。
「…アラブ様はどのような要件で?」
と、ラビアはアラブとシリス、3人で対話をする事にする。
「はい。実は、私達の国の産業の為に、国を庇護してもらう。その約束でした。しかし、ユーミア様が居なくなったので、ラビア宰相。貴方に引き継ぎをお願いしたいのです」
「ああ…」
と、ラビアは言った。
(…結構このこと、面倒くさいと思っていたんだよな)
と、ラビアは内心思っていた。
(…しかし、せっかく私はユーミアが居なくなり、上になったのだ。なら、他国にも強気で居た方が良いだろう)
と、ラビアは思う。
「うーん。その事ですが、…私はお断りしてもよろしいでしょうか?」
と、ラビア宰相は言った。すると、その事にアラブはしかめっ面をした。
「では、アラブの条件を飲まないと?」
と、シリスは言う。
「ええ。たかが、小国に投資することに何のメリットがあるのですか?」
と、ラビア宰相は切り捨てた。
「…たかが小国?小国としても、国民は存在しており、私はその国民の命を私は守っているのですよ?」
「成る程…なら国として存在するなら、貴方だけで守れば良いのでは?私の大国では貴方のような小国を守るメリットなどないのです。だから、この機会、我々は貴方と決別したいと、私は前々から思っていたのですよ」
と、ニコニコとラビア宰相は笑いながら言った。
すると、シリスは顰めっ面し、ラビア宰相を見た。
「ラビア宰相、それはないだろう?君は宰相なのに、…相手に対して善意がないのか?」
「…シリス様は、もう少し切り捨てる所を考えた方が良い。何でもかんでも取り込んでしまうと、国が割れ、何れ破裂すると思いますよ」
「国が割れる…?アラブの国とは前々から交渉し、基盤が出来ている筈だが?」
「私が宰相になったからには、余計なものを排除していきたいのですよ」
「…余計なものね」
すると、二人の間には険悪な空気が流れる。
「成る程。なら、今後私の技術を求めにならない…という解釈にしまして、私達との貿易を断交しましょうか?と、なると、…国民は飢えてしまいますね?我々に頼り切っているわけですから」
「何?」
「ご存知ではありませんでしたか?農業の半数は我々がまかなっていることを」
「…知りません。ユーミア王妃から聞いてはない」
「…ユーミア王妃はラビア宰相に伝えたと言っていたぞ。」
(聞いてないぞ…)
と、ラビアは思う。いや、うろ覚えで聞いていたから、ラビアは覚えていなかったか。
「…渡された書類があるだろう?そこには書いていないのか?」
「大事な書類は城に置いてきているのです…」
「いや、もういいです。しかし、ラビア宰相が言うなら我々の国と交易を断つということで。私の国もそのような事にしましょう。これで話は終わりですね」
と、アラブは立ち上がろうとした。それに、シリスとラビアが慌てる。
「え?アラブちょっと待ってくれ…」
「なあっ!?」
すると、ラビアはアラブの前に来て、頭を下げた。
「すみません。考え直して貰えませんか」
「貴方が先に言ったことだ。…今更撤回などしない」
すると、アラブはどす黒い声でラビアに聞かせる。
「…貴方は私に対して不愉快きまわりない態度をとった…。舐めきった態度で人を対処して。…それが上に立つ人間の在り方か?…あまり、政治を舐めるな」
と、アラブは言った。ラビアはそのことに顔を青ざめる。そして、ラビアはシリスの方を見た。
「今の宰相は君だ。ラビア。…君が決めるしかない」
と、ラビアにシリスは言った。
「…大変失礼しました。アラブ様。すみません。ちょっとこの問題は持ち帰らせてくださいませんか?書類をとってきて、確認をしたい」
ラビアはアラブに頭を下げた。
「はい。私は待てますので、ここのシリス様の拠点で又待ってます」
そうして、ラビア宰相は、一旦王宮に帰った。
×××
(これは、失敗か?)
まさか、交渉は決裂したなんて先王に知られたら不味い。と、ラビアは一旦王宮に戻って考える。
(まさか、あの小国があんな力を持っていたとは…)
と、ラビアは焦りで一杯だった。
(では、あの王をぞんざいに扱うと不味くなるのか?しかし、いつの間にあんな権力を?)
と、ラビア宰相は思う。
「ラビア!」
と、ミセスが又迎えに来た。
「あら?ラビアどうしたの?」
すると、ラビアに走り寄ってきたミセスに何かおもいついた。
「…ミセス。一緒に来てくれませんか?」
「え?」
「実は、今困っていて、王妃として私と一緒にシリス様の拠点に来てほしいのです」
「え…あー。…あんな遠い所に?」
すると、ミセスは嫌がった。ラビアは、そう言うと思ったと思う。
「…ミセス。シリス様の拠点にも、結構美男もいらっしゃいますし、それに今王妃として支持率が下がっているではありませんか。シリス様の拠点にいき、王妃として、外交を行えば、国民が見直してくれると、思います。何、ちょっとした観光気分で私についてきてもらえば良いのです」
「え!?そうなの!?イケメンが沢山いるんだ!」
と、ミセスは言った。
「うーん。まあ準備が大変だけど…うん!いいわ。ラビアの為だもの」
と、ミセスが言った。
「じゃあ、バルコニーも連れて行くわね」
「ええ勿論です」
ラビアは言った。




