13.交渉
シリスとユーミアは交渉先の人物が居るテントに入った。
「ユーミア王妃!?」
「あら?」
テントの中に入ると、かつてユーミアが、王妃時代に知り合った、小国の王ーアラブがいた。
「アラブ。久しぶりね」
「嫌、本当にお久し振りです。まさか、…本当にここに居るとは思いませんでした。」
アラブは本当に驚いたようで口をポカンと空けていた。外交先で行った先はユーミアの知り合いだった。
「知り合い…だったのか?」
と、シリスが言うので
「ええ」
と、ユーミアは言った。、
「そう言ったではありませんか?」
と、アラブは言った。シリスは、2人が知り合いな事を知らなかったようだ。
「王妃時代に、アラブの国に訪れてそれでこの国に必要な知識と技術を提供したのです。…そこからの付き合いですが」
「そんなことが。だから王妃を求めていたんだな」
「そういうことです」
そうか。と、シリスが言った。すると、アラブはユーミアの事を見る。
「ユーミアは王妃を辞めたんですよね?新聞で見ました。
「…ええ」
「やはり、そうなんですか…何故、王妃を辞められてしまったのですか?」
「…バルコニーの浮気と散財が酷かったから辞めたの」
「え?…あんなに真面目でしたのに?」
と、アラブは驚いた様子だった。
「相手は誰なのでしょうか?」
「今の王妃であるミセス・フロウよ」
「…どなたでしょう?」
「ラビア宰相が連れてきた愛人よ」
「ほう…」
と、アラブはラビアに何か思い当たることがあるような感じで言った。
「どうされました?アラブ」
「いえ…。でも、そういうことなんですね。今は何を?」
「孤児院の経営よ」
「成る程ユーミア様らしい」
と、アラブは言った。
しかし、ユーミアは昔馴染みに会えたのは良いが、彼に違和感があったので聞いてみた。
「暴動の準備をしているってのは本当ですか?アラブ」
ユーミアは彼にそう言った。
「暴動の準備しているってのは本当なの?」
と、ユーミアはアラブに聞いてみた。
ユーミアがシリスの拠点に来た理由は、暴動の準備をしているから、その、交渉をする為にユーミアは元王妃として赴いた。
「いえ。私はユーミア王妃…じゃなかった、ユーミア様が王妃を辞めたと聞いたから、その真相を知りたくて来たんです。只それだけですよ?」
「…勘違い?」
「はい。しかし、私は条件次第で敵になりますが」
と、アラブは言った。すると、アラブはユーミアの方を見る。
「ユーミア様は王妃に戻られないのですか?」
「……今はそのつもりはないわ」
「…そうですか。私は、ユーミア様に又王妃に、なってもらわないと困るのです」
と、アラブは困った表情でユーミアを訴えた。
「…ユーミア王妃が、私の国、アラブ王国を、支援してくださったおかげで私の国は今発展途上にあります。ですが、王妃が、変わることでこれが、持続されるか心配なのです」
「その事はラビア宰相に後を託しましたが…」
「私は、ラビア宰相は信頼できません」
と、アラブは苦痛な表情をした。
「ラビア宰相は、小国との貿易はやりたがらないです。面倒が増えますから」
「…そうかしら?意外と仕事はするタイプだから、大丈夫とは思うけど…」
「ラビア宰相は確かに、仕事をしますが、肝心な所を追求すると誤魔化してうやむやにしてしまうのでしかも、それが筋に通っているからやっかい…。それが今の私の国では良くないのです」
「そうね。あの方謎の屁理屈が多いのよね…でも論理が破綻してないから納得しちゃうのだけれど」
と、ユーミアはラビア宰相のことを思い出しながら言った。
「それに比べてユーミア様は、行動が早いといいますか…。だから私は、ユーミア王妃が王妃を辞めたと聞いたときは気が気ではなかった。…其事もあり、噂を流して貰い、呼び寄せてしまいました」
「…そうだったの…。なら、ラビア宰相を通さずクロード家と外交をはかるのはどうかしら?」
「そんな事ができるのですか?」
「ええ。王宮は人手不足だし、それぐらいできるのでは?どうですの?シリス様」
「……それは、無理かもしれないな」
「え?どうして?」
「そのような国単体とと一貴族の外交は、貴族が絶大な権力を持つことに繋がる。そんな事例が出れば裏で真似する貴族が出てくるだろう。だから、国同士というラインで繋いだ方が良いから…これに対してはバルコニー王か、ラビア宰相に相談するしかない」
「そうですわね。…バルコニー王がしっかりしてくれたら良かったのですが…」
「…バルコニーは…君臨すれども統治せずという立ち位置になりつつあるからな」
「…統治しなくても良いですが、ちゃんと顔は立ててほしいですわ」
「……本当だな。負石が此方に来る」
二人ははあっと一緒にため息をついた。
「ふふ。お二人共何だか似たような感じで面白いです」
すると、アラブが笑った。
「笑い事じゃないのよ…?」
「なら、直接ラビア宰相に来て貰おうか?俺から連絡しておこう」
「はい。有難うございます」
と、思った。




