11.シリスとの食事
ユーミアは、ユーミアの実家に行き、シリスと食事を取ることにした。ユーミアはシリスを実家の邸宅を案内する。
その後、ユーミア、ユーミアの父、シリス、ユーミアの母とで食事をとることになった。
食卓には先にユーミア父と母が待っており、ユーミアの実家の案内が終わった後、ユーミアとシリスが訪れた合流した。
「いやあ。シリス君、立派になったな。中々会えないから、君が此処に来てくれて嬉しいよ」
と、並べられている食事をつまみながら、懐かしむようにユーミア父は、言い、有難うございます。と、シリスは言った。
昔から、シリスは、ユーミアとバルコニー王が昔から婚約をしていたせいで、シリスも付き合いがあり、ユーミア父はシリスの事を昔から知っている。それに、ユーミア父も、元々外交官として働いている過去を持っている為、シリスとは仕事の付き合いとしての交流もあるのだ。
「ここでは特に、仕事の話をするわけではないから、気軽に腹割って話そう」
「ええ」
と、シリスはユーミア父の言うことに返事をした。
「普段、王都に来ないが、バルコニー王の事で王宮に来るようになっているのだろう?」
と、ユーミア父が言った。
「…まあ。しかし、困っている事があるので、個人的には早く戻りたいのですが…戻るに戻れない」
シリスは、はあ。と、溜め息をついた。
(…ああ。バルコニー王の事ね)
と、ユーミアは思った。
「…昔は、あやつも良い男だったけどなあ。人情みがあって、人の意見を聞いていたようなタイプだったのだが」
と、ユーミア父は呟く。
「…ユーミアの前で聞くのは悪いが、バルコニー王は今どうなんだ?」
すると、シリスはユーミアを見た後、今ですか…と言う。
「大丈夫ですよ。シリス様。堂々とおっしゃられて」
「…ユーミアが言うなら…。今ですが、私が補佐してるという状況ですかね」
「ラビア宰相がいるのにか?」
「…バルコニーはラビア宰相にあまり頼りたくないという感じなので、私が、城に居るのを幸いと思い、結構な仕事を振ってくるのです」
と、シリスは言った。
「そりゃあ、帰るに帰れないな…」
「まあ…ユーミアが苦労する理由がわかりました。…こんなになるまで放ったらかして本当にすまない」
「いいえ。大丈夫ですわ。…言っちゃ悪いですが、今はもう関係ないですしね…。だけど、王妃を降りて良かったこともありますの…。私が、特定の施設を見学にいけば、その施設は王妃のお手付きだなんて言われますし。…でも、今は私が、直接運営しているので、そんな事がでませんの。元王妃がなんだかんだとは言われますが…。現役時代程ではありませんわ。…まあ、ある意味政務から逃げたので、それが、気がかりがないとは言えませんが…」
「そうか…。まあでも、今が幸せならそれでいいよ」
「シリス様…」
「まあ、世相は大分荒れてるけどな…」
と、シリスは言った。
「読みましたわ。新聞」
「やはり、ユーミアが居なくなって、不信感を募る所はあるようだな。」
「…はい。分かってます。私を批判する声もあります。…でも、そもそもミセスは公認の愛人で周囲に認知済みだったから、ある程度の問題はありませんでしたわ」
「…そうか…」
「これからだ。ユーミア。まだわからないぞ」
すると、ユーミア父は真剣な表情をする。
「…そうですわね。…でも、それでもバルコニー王はミセスを選ぶようですもの。こればっかりは仕方ありませんわ…。それでお互い拗れていって爆発したら、何れどうなるか分かりませんもの」
「………」
「でも、これから私のやることも、国民の皆様に認めて貰わなければ…」
「そうか」
「でも、私、今凄く幸せなのです。昔は何かの奴隷のような感じでしたが、今は自分の意思で何かを、成し遂げようとしてて、それにとても居心地の良さを感じますわ」
「…そんな感じはする。孤児院の経営も幸せそうにしてるしな」
と、シリスはユーミアに向かって微笑んだ。
「好きなように生きればいいさ」
「…有難うございます」
と、ユーミアは言った。
「…そういえば、シリス様は今何に困っていらっしゃいますの?」
「ああ…。それが、最近郊外の方で、怪しい動きをしている…暴動の準備をしていると噂で聞いててな。それで、俺が直々に向かって対話しようと思っているんだが、中々王宮からでられないから、その対処にいけないんだ」
「…それ、私のせいでは?」
「……」
すると、シリスは目を逸らした。
「やっぱ、そうなのですね…。でしたら、私に任せてくれませんか?」
「ユーミアに?」
「私も責任とって、その方達と話し合いをしにいきます」
「…いや、でもここから遠いし、危険だ。」
「大丈夫ですわ。…私はもう王妃ではありませんし。それに、私の責任だと思いますもの。自分でケリをつけに行きます。…どう思います?お父様」
「そうだな…。護衛をつけて行ってみても良いと思うが、どう思うかね。シリス君」
「…それは…」
「…孤児院の経営は母に任せよう。シリス君。ユーミアを是非行かせてくれ」
「…なら、私と行きましょうか」
と、シリスは言った。
「そういえば、シリス様は妻子や婚約者いらっしゃいませんでしたっけ?」
「…俺は、独身だ。少し前婚約していた人はいたが、破談になった」
「そうだったんですか…」
「…まあ、大丈夫なら。でも、気になるから何人か自分の部下も連れて行くし、ユーミアも、自分の信頼できる護衛を連れてきて貰えるか?」
「わかりましたわ」
「王宮のことは、シリスの代わりにクロード家の秘書を派遣しよう」
「…有難うございます」
と、ユーミアはシリスと共に辺境へ行くことになった。




