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吸血鬼シリーズ

私と後遺と吸血鬼

作者: アサ
掲載日:2025/10/11

同棲していた吸血鬼がハンターに打ち倒されて1カ月になろうとする。

恋をしていた訳でもなし、拾ってきたような相手だから断じて悲しんではいない。

それでもいつの間にか家の中を取り仕切っていた存在がいなくなったおかげで、私の生活は激変してしまった。

埃をかぶったフローリング、たまった洗濯物、シンクに置きっぱなしの食器、冷蔵庫の中で腐敗した食材。

色彩を失くした、生活。

思わず刃物を持ってハンター問い詰めようとしてしまう。どこにいるのか分からなくて途方に暮れるけど。

どこにいるんだろうか。のうのうと。息をして。

あいつはもういないのに。

いや、正確に言えばいないけれど、いる。

深くへこんだクッション、用途の分からない調味料、勝手に使われた日焼け止め、私の腕に残る傷跡。

いない、と思えば消えてしまうけど、どこにでもいると思えば、日常の景色の至る所に存在してしまう。

いると思ってもいないと思っても、どちらも同じくらいあいつは確かに存在して、どちらも同じくらい遠い。

それが、とても、苦しい。




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