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転生悪役令嬢おじさん、外交の砂糖漬け文化に血圧で挑む件

宮殿の大広間。

煌びやかなシャンデリアの下、並べられたのは――“砂糖フルコース”。

前菜からデザートまで、何から何まで角砂糖まみれである。


「……これを食えって正気か?」

俺――エレナ=フォン=クラウス(中身はおじさん)は、タオルで額を拭きながら呆然とした。


前菜:角砂糖カナッペ。

スープ:ただのシロップ。

メイン:牛肉に角砂糖ゴロゴロ。

デザート:高さ二メートルの“神聖ミルフィーユ”。


庶民「ぎゃははは! 糖尿一直線だぁ!!」

国王「ふぉっふぉっふぉ! 余は楽しみじゃ!」

王妃「……医療班を先に呼んでおきますわね」


壇上の神官長がにやりと笑う。

「さぁ、“悪役令嬢おじさん”よ。砂糖を拒めば敵対。食せば友好。我らの外交は“甘味”で決するのだ!」


観衆「おぉぉぉぉ!!」


俺は深く息を吐き、ドレスの袖から血糖測定器を取り出した。

「おーっほっほ。外交だろうと健康診断は逃げられませんわ!」


長テーブルに並ぶ砂糖フルコース。

俺は渋々、銀のフォークで角砂糖まみれのステーキを突き刺した。


「……おーっほっほ。では“外交儀礼”として、一口いただきますわ」


ガリッ。ジャリジャリ……。

……甘いっっっ!!!!


舌がしびれ、涙がにじむ。まるで砂漠で角砂糖を噛み砕いてる気分だ。


会場がざわめく。

「食べたぞ!」「悪役令嬢おじさんが砂糖を受け入れた!」

神官長が誇らしげに頷く。

「見よ、砂糖こそ神の力! これぞ命を潤す味わい!」


俺はタオルで額を拭い、袖から血糖測定器を取り出した。

「……いえ。ここで大事なのは、事実ですわ」


観衆「おぉぉ……」


指先に針をチクリ。

ピピッ。


表示された数値は――


「血糖値……180。――立派な食後高血糖ですわ」


会場「たっかーーー!!!?」

庶民「ぎゃははは! 一口でHbA1c爆上がりコースだぁぁ!!」

「神の祝福=血糖スパイク……?」

「やっぱ呪いじゃねぇか!!」


神官長が顔を真っ赤にして杖を突いた。

「ば、ばかな! 砂糖は神の涙! 血糖上昇こそ魂の高揚なのだ!」


俺はきっぱり言い放つ。

「甘味は楽しみの一つ。ですが、過剰は命を削る毒ですわ。

外交であろうと、この“砂糖漬け文化”を正すべき時ですのよ!」


会場「おぉぉぉぉぉぉ!!!!」


俺の「過剰は毒ですわ」宣言にざわめく会場。

だが神官長は負けじと杖を振り上げた。


「戯言を! 砂糖の力を否定するなら、証明してみせよ! ――砂糖剣舞隊、出よ!」


ガシャーン!

奥の扉から、またぞろ入ってきたのは……全身砂糖鎧をまとい、角砂糖を削り出した“砂糖剣”を携えた兵士たち。


会場「おぉぉぉぉ!」

庶民「ぎゃははは! まだ出てくんのかよ!」


兵士たちは剣を抜き放ち、キラキラ反射する。

しかし振りかざすたびに粉砂糖がバサバサ落ちて、床は真っ白に。


「ぬちゃ……!」

一人が滑って転倒、見事にスライディング。


観衆「ぎゃはははは! 武力より摩擦係数ゼロだー!!」



兵士のリーダーが剣をこちらに突きつけた。

「悪役令嬢おじさん! 砂糖を否定するなら、この剣を受けてみよ!」


俺はタオルを肩にかけ直し、ドレスの袖から血圧計をすっと取り出す。

「おーっほっほ。では証明しましょう。“砂糖武力”がいかに脆弱かを!」


兵士「な、なにぃ!?」

会場「出たーー! 必殺“健康診断”タイムだーー!!」


庶民「キャーー!!!」


俺はリーダーの腕にカフを巻き付け、ギュウゥゥ……。

ピピッ。


「上……195。下……120。――高血圧ステージ2確定ですわ」


会場「たっかーーー!!!」

庶民「もう死ぬぞこれ!!」


兵士はガクッと膝をつき、剣が床に転がった。

「な、なんと……角砂糖三つの力が……裏目に……!」


俺は堂々と宣言する。

「砂糖剣は剣ではなく、“ベタベタした罠”。――真に国を守るのは、筋肉と心肺機能ですわ!」


ユリウスが横で拳を握りしめ、声を張る。

「その通りだ! 剣よりスクワット! 筋肉は裏切らない!」


会場「ぎゃはははは!! スクワット外交だーー!!」



神官長は顔を真っ赤にして杖を振り上げた。

「ぬぬぬ……このままでは……! ならば、伝統派の“最後の聖具”を出すしかない!」


観衆「おぉぉぉ!!!」


──そして次の瞬間、運び込まれる“巨大プリン”の影が会場を覆い始めた。


ズゥゥゥン……!!

大広間の扉が開き、兵士たちがごろごろと押し入れてきたのは――直径三メートルの“巨大プリン”。


表面はぷるぷる震え、カラメルソースがだくだくと垂れて床一面をベタベタにしていく。


観衆「おぉぉぉぉぉ!!!」

庶民「ぎゃははは! 床がカラメル沼だー!!」

国王「ふぉっふぉっふぉ! 泳ぎたくなるではないか!」

王妃「……掃除係の悲鳴が今にも聞こえますわね」



神官長が杖を掲げ、高らかに叫ぶ。

「見よ! 伝統派秘儀、“聖プリン”の降臨である!!」


プリンの頂上に浮かんだ魔法陣が輝きだし――

「ぷるん♪ ぷるん♪」

と謎の擬音が大広間に合唱のように響き渡った。


観衆「ぎゃははははは!! プリンが歌ってるぞ!!」

ユリウス「くっ……筋肉が……この甘さで震えている……!」

セレーネ「……これは糖質の化身。放置すれば、国全体が倒れますわね」



次の瞬間、プリンの表面が盛り上がり、どす黒い生クリームに覆われた“プリンアーム”がずるんと伸びた。

ブンッ!

――大広間の柱が粉砕され、カラメルが飛び散る。


「甘いっ!!」

「ぬちゃぬちゃするぅぅ!!」

会場は大混乱。


庶民「ぎゃはははは! プリンが暴れてるぞー!!」



俺は額の汗をタオルで拭い、ドレスの袖から血圧計を取り出した。

「……おーっほっほ。外交がデザートバトルに変貌するなど、聞いたことがありませんわね」


観衆「出たーー!! 悪役令嬢おじさんの必殺“健康診断”だーー!!」


神官長が絶叫する。

「無駄だ! 聖プリンは神の甘味! 血圧計など通じぬわ!!」


俺はプリンアームにカフを巻き付け、ギュウゥゥ……。

ピピッ。


表示された数値は――


「上……280。下……180。――超絶ハイパー高血圧ですわ」


観衆「ひぃぃぃ!! プリンが倒れるーー!!!」


プリン「ぷるるるるるぅぅぅ……!」


ドスゥゥゥゥン!!!

巨大プリンは崩れ落ち、大広間がカラメルの沼地と化した。



俺はタオルを翻し、堂々と叫んだ。

「外交であろうと何であろうと――健康を害する甘味は、討つしかありませんわ!!」


会場「うぉぉぉぉぉぉぉ!!!!」

おーっほっほ! 本日の“役に立つあとがき”は――そう、唐辛子についてですわ!


唐辛子の辛味成分といえば カプサイシン。

この物質は交感神経を刺激し、発汗や血流促進をもたらすことで「代謝アップ効果」があると知られておりますの。さらに、カプサイシンには食欲を適度に刺激し、脂肪燃焼を助ける作用も期待されておりますわ!


しかし! おーっほっほ! 摂りすぎれば胃腸に負担をかけ、粘膜を荒らすリスクもあるのです。学術的な報告でも「大量摂取で胃炎・下痢のリスク増大」と示されておりますわ。

つまり――ほどほどこそ最強!


料理的な使い方としては:

•少量を油で炒めて香りを引き出す(ペペロンチーノ的手法)

•スープや鍋に乾燥唐辛子を丸ごと入れて“出汁”だけをもらう

•粉末を薬味として仕上げに振る


この三段活用で辛味の強弱を自在に調整できますの。


適量の目安? 1日あたり乾燥唐辛子1〜2本程度、粉末なら小さじ1/2前後で十分効果が得られますわ! それ以上は汗だくでお手洗いに直行する未来しか見えませんことよ。


結論!

唐辛子は“刺激的な相棒”。健康にも料理にも役立つが、無理して大量に摂るのはご法度!

おーっほっほ! 燃やすのは脂肪であって、胃腸ではありませんわよ!


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