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転生悪役令嬢おじさん、砂糖信仰国家で外交血糖バトルに巻き込まれる件

サクロ王国の会議場は、純白の大理石で造られた荘厳な空間だった。

長机の上には、ずらりと――砂糖壺。

中には真っ白な角砂糖がぎっしり詰まっており、神官や貴族たちが恭しく祈りを捧げている。


「……あれ、祈祷道具っていうよりティータイムの備品じゃねぇの?」

俺――エレナ=フォン=クラウス(中身はどう見てもおじさん)は、思わずタオルで額を拭った。


神官長が立ち上がり、威厳たっぷりに声を響かせる。

「サクロ王国の外交会議は、“神の結晶”を味わうことから始まります。角砂糖を三つ、舐めてから言葉を交わすのが礼儀!」


国王は隣で頷き、「ふぉっふぉっふぉ! 面白い儀式じゃの!」と笑う。

王妃も優雅に扇を広げ、「外交ですから、従いましょう」と小声で釘を刺してきた。


俺は銀の器に盛られた角砂糖を見つめた。

(……いやこれ、糖負荷試験だろ。外交という名の耐糖能チャレンジかよ)


観衆が固唾を飲む中、会議は――砂糖三つから幕を開けた。


角砂糖を三つ舐め終えた瞬間、

俺の舌はしびれ、頭にじわっと甘さが押し寄せた。


「……あまっ……っ!」

思わず声が漏れたが、会場の神官たちは満足げにうなずく。


「よろしい。では交渉を始めましょう」

神官長が両腕を広げ、荘厳に宣言する。

「まずは――砂糖交易の完全自由化。我らの聖結晶を、王国にも義務として輸入させるのです!」


「おぉぉぉ!」

信徒たちが一斉に拍手。

机を叩き、角砂糖をジャラジャラ鳴らして盛り上がる。


国王は腕を組み、「ふぉっふぉ……」と苦笑し、王妃は表情を崩さず俺に視線を送ってきた。

要は――ここからが俺の出番ってことだ。


「おーっほっほ!」

タオルを肩にかけ直し、俺は立ち上がった。

「確かに砂糖は文化、甘味は喜びですわ! しかし! 健康を害する量を輸入せよとは……我が国を“糖尿王国”にするおつもりですの!?」


会場「ざわざわ……!」


神官長の顔がひきつる。

「な、なにを申すか! 砂糖は神の恵み! 多ければ多いほど、民は幸せなのだ!」


「いいえ!」

俺は血糖測定器を取り出し、観衆の前に掲げた。

「砂糖は楽しむものであって、崇拝すべきではありません! “適量”こそが神の本意ですわ!」


会場は騒然。

砂糖信仰と健康派の対立が、外交会議を大きく揺らしていた。


交渉は一時休会となり、案内役の神官が俺たちを街へと連れ出した。

「まずは我らが“砂糖文化”をご覧ください」


石畳の大通りには、信徒たちが角砂糖を積み上げて作った“白い塔”が並んでいる。

子供たちはそれをガリガリとかじり、大人たちは手を合わせて祈っていた。


「……これ、完全に“砂糖の鳥居”じゃねぇか」

思わずつぶやくと、ユリウスが渋い顔でうなずいた。

「エレナ殿……子供の虫歯率、確実に高いぞ」


さらに奥へ進むと、広場には“砂糖噴水”が。

透明なシロップが滝のように流れ、信徒たちが柄杓で掬って飲んでいる。


「おーっほっほ……インスタ映えはするけど、血糖値爆上がりスポットですわね」

セレーネは扇で口元を隠しつつ、小声で「……吐き気がしますわ」と囁いた。


そして、極めつけは街の中心――“聖砂糖市場”。

露店には、砂糖漬けの果物、砂糖衣のナッツ、砂糖コーティングされたパンまで、ありとあらゆる“甘味兵器”が並んでいる。


庶民「ぎゃはは! 砂糖まみれだー!」

国王「ふぉっふぉっふぉ! 余は“砂糖串カツ”を所望じゃ!」

王妃「……陛下、せめて一本に抑えてくださいませ」


俺はタオルで汗を拭いながら心の中で呻いた。

(……こりゃ交渉どころじゃねぇな。完全に“砂糖観光ツアー”じゃねぇか……!)


砂糖観光ツアー(?)を終え、俺たちは再び会議場に戻った。

重厚な大理石の壁、天井には砂糖の結晶を模したシャンデリアが輝いている。


壇上に立つ神官長が厳かに声を張った。

「見たであろう、我らが“砂糖文化”を! 甘味こそ繁栄、白き結晶こそ神の恵み! 今こそ両国の同盟を砂糖で結ぶのだ!」


会場「おぉぉぉぉぉぉ!!」


俺は深く息を吐き、タオルで額を拭った。

「おーっほっほ……なるほど。確かに文化としては見事ですわ。ですが――」


懐から取り出したのは、俺の愛用“血糖測定器”。

「角砂糖ひとつで血糖値は145まで跳ね上がりました。これを“神の恵み”と言うなら――寿命を削る恵みですわね」


会場がざわめく。

「な、なんと……角砂糖ひとつで……」

「俺も昨日、甘い物食ったあと頭がガンガンして……」


神官長が杖を鳴らし、怒鳴りつけた。

「黙れ! 血糖値など一時の数値! 繁栄は甘味の力によってこそ続くのだ!」


俺は負けじと声を張り上げる。

「繁栄を続けるには健康が不可欠! 伝統を残すためにも、まずは生き延びることが大前提ですわ!」


観衆「おぉぉぉぉ!!」


その瞬間、神官長がにやりと笑った。

「……ならば見せてやろう。我らの“最後の証拠”を!」


兵士たちが運び込んできたのは――巨大な黄金の砂糖壺。

その中から、ぞろりと現れたのは“砂糖鎧”をまとった兵士たちだった。


ユリウス「……砂糖の鎧!? 汗で溶けてベタベタするぞあれ!」

セレーネ「……見ているだけで虫歯になりそうですわ」


俺はタオルを握り直し、前に出た。

「……なるほど。次は“砂糖武装”で勝負ですのね」


会場が一気に緊張に包まれる。

砂糖と健康――外交交渉は、ついに“武力(?)対決”の様相を呈し始めていた。


皆さま、今回は 生姜しょうが のお話ですわ!

料理でも薬膳でもおなじみですが、実は 科学的にもかなり研究が進んでいる食材 なんですのよ。



1. 主な有効成分

•ジンゲロール

 生の生姜に豊富に含まれる辛味成分。

 ・抗酸化作用

 ・血行促進

 ・消化を助ける働き

 が注目されています。

•ショウガオール

 加熱や乾燥によってジンゲロールが変化したもの。

 ・体を温める

 ・抗炎症作用

 ・発汗を促す

 といった効果が期待されます。

つまり「生で食べる」とスッキリ整腸寄り、「加熱して食べる」とポカポカ温熱寄り、と使い分けできるわけです。

•ジンゲロン

 こちらも加熱で生成される成分。

 脂肪燃焼促進や代謝アップに関与すると言われています。



2. 学術的な観点

•複数の臨床研究で「生姜摂取により悪心(吐き気)が軽減した」と報告されています。特に 乗り物酔いや妊娠初期のつわり に対する効果が有名です。

•抗炎症作用のメカニズムについては、ショウガオールやジンゲロールが NF-κB(炎症に関与する転写因子)の活性を抑える ことが知られています。

•循環器系では「血流改善作用」が研究されており、冷え症や末端の血流不足に役立つ可能性が示唆されています。



3. 摂取量の目安

•一般的には 1日10〜20gの生姜(親指大程度) が目安。

•サプリメントでは 1g前後のジンゲロール換算 で使われることが多いです。

•過剰摂取(1日50g以上)すると、胃の刺激や胸やけの原因になることもあるので注意。



4. 料理への応用

•生食:すりおろして薬味に(ジンゲロール多め → 整腸や吐き気対策)。

•加熱:紅茶にスライスを入れる、スープに煮込む(ショウガオールやジンゲロン多め → 温め効果)。

•保存:乾燥生姜パウダーや蜂蜜漬けにすると有効成分が長持ちします。



まとめ


生姜は「食べ方や調理法によって効能が変わる」面白い食材。

冷え対策や代謝アップ、整腸や吐き気軽減など、多方面に活躍してくれる万能選手ですわ。

ただし「取りすぎは逆効果」なので、1日親指サイズ程度を目安に、美味しく取り入れるのがポイントですのよ。

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