王都を席巻!?ヘルシー・ロワイヤル商戦に悪役令嬢おじさん巻き込まれる件
王都の市場通り。
……なんだこの光景は。
「ヘルシー・ロワイヤル新発売だよー!」
「減塩なのに美味しい! 悪役令嬢おじさま推奨!」
「カリウム強化版! 一日一切れでむくみ知らず!」
屋台のあちこちで、例の「減塩ケーキ」が乱立していた。
しかも俺の顔をプリントしたシール付きで。
俺――エレナ=フォン=クラウス(中身は完全におじさん)は、頭を抱えた。
「……いや俺、これ推奨してねぇよ!? 勝手に肖像使うな!」
庶民たちは大盛り上がりだ。
「おじさん令嬢様のケーキなら安心だ!」
「減塩ケーキで長生きするぞ!」
「伝統派ざまぁ!」
(……いや“ざまぁ”って言うな。俺、そんなつもりでやってねぇからな?)
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すると横から声が飛んできた。
「エレナ様! やっぱり減塩が最強ですわ!」
銀髪のセレーネがティーカップを掲げる。
「薬草茶と組み合わせれば効果倍増。心も体も落ち着きますの!」
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「いやいや! やっぱり筋肉に必要なのは高タンパク!」
今度はユリウスがシェイカー片手に登場。
「プロテイン入りヘルシー・ロワイヤルこそ至高だ!」
庶民たち「でたーー! 薬草茶 vs プロテインの第2ラウンド!!」
俺「ちょっと待て。減塩ケーキに新しい抗争を乗っけるな!」
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そのとき、さらに人混みをかき分けて登場したのは国王夫妻。
王妃はにっこり笑い、国王は……なぜかケーキを両手に抱えている。
「エレナ。これは素晴らしい改革ですわ。わたくしも侍女たちに配っておりますの」
「ふぉっふぉっふぉ! 余は一日三切れ食しておるぞ! 筋肉の張りが違う!」
俺「……いや陛下、それ普通に糖質オーバーですからね!? 減塩でも血糖値は上がりますからね!?」
庶民「ぎゃははは! 国王陛下が砂糖管理で失敗してるー!」
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市場全体が「減塩スイーツ祭り」の様相を呈していた。
……どうしてこうなったんだ俺。
(婚約破棄のはずが、気づけば“異世界の食品監修アイドル”とか……もう訳わからんぞ)
「エレナ様!」
セレーネがついに広場の真ん中に立った。
銀の髪をなびかせ、ティーカップを高々と掲げる。
「減塩ケーキは素晴らしいですわ! ですが……真に健康を完成させるのは、わたくしの薬草茶との組み合わせ!
ポリフェノールの抗酸化作用が、甘味の罪悪感を浄化しますの!」
庶民たち「キャーー! セレーネ様ぁーー!!」
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だがユリウスも負けじと前に出る。
「違う! 筋肉は糖質をエネルギーに変える! だからこそ減塩ケーキの糖質を活かすには――俺のプロテインが必要なんだ!」
彼は豪快にシェイカーを振り、粉末の香りを撒き散らす。
庶民たち「うぉぉぉ!! ユリウス来たーーー!!」
セレーネ「薬草茶ですわ!」
ユリウス「プロテインだ!」
……いや、お前ら本当に何やってんの?
俺の存在、完全に“争奪戦の景品”みたいになってんだけど。
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そして庶民たちもノリノリで便乗する。
「薬草茶で減塩ケーキを流し込むぞ!」
「いやいや、プロテインで筋肉合成の相乗効果だろ!」
「茶! 茶!」「粉! 粉!」
広場は一瞬で“薬草茶 vs プロテイン in 減塩ケーキ戦争”に突入。
まるで応援合戦のような掛け声がこだまする。
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俺はタオルを握りしめ、ため息をついた。
(……いやいやいや。なんで俺が“飲料とケーキを組み合わせるオプション戦争”の真ん中に立たされてんだ?)
だがセレーネが一歩踏み出し、真剣な瞳でこちらを見つめる。
「エレナ様……あなたの心拍数、わたくしの茶で安定させてみせます」
ユリウスも拳を握りしめて叫ぶ。
「エレナ殿! 俺が守るのはあなたの筋肉と未来だ! 一緒にプロテインを!」
庶民「きたぁぁぁーー!! 直接告白合戦だーー!!!」
……おい。
完全に三角関係のラブコメになってるじゃねぇかこれ。
「薬草茶! プロテイン! 薬草茶! プロテイン!」
広場は完全に応援合戦モード。
もう社交界どころか健康飲料フェスティバルだ。
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そのとき――
カツン、と優雅な靴音が響いた。
「おーっほっほ! 何やら賑やかですこと」
現れたのは王妃。背筋を伸ばし、凛とした佇まいで群衆を見渡す。
「……エレナ。わたくしは薬草茶を支持いたしますわ」
その一言に会場が揺れる。
セレーネは瞳を輝かせ、両手を胸に当てた。
「王妃陛下……! やはりわかってくださいますのね!」
庶民「薬草茶派に王妃様きたーー!!」
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だが次の瞬間、ドスンと重い音が鳴り響いた。
「ふぉっふぉっふぉ! ならば余は当然プロテイン派じゃ!」
ジャージ姿で現れた国王が、その場でシェイカーをシャカシャカ振りながら吠える。
「筋肉は裏切らんのだ!!」
彼の大声に、プロテイン派が一気に熱狂する。
庶民「うぉぉぉ!! 国王陛下が筋肉推しだぁぁ!!」
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俺は頭を抱えた。
(……王妃が薬草茶、国王がプロテイン……って、国を二分する飲料派閥戦争に火をつけてどうすんだよ!!)
会場はますます混沌とし、
「王妃陛下に従え! 薬草茶こそ王国の気品!」
「いやいや、国王に従え! 筋肉とプロテインこそ繁栄だ!」
と叫び合う始末。
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ユリウスは王の背に隠れるようにして拳を掲げる。
「見ろ! 王も筋肉の偉大さを理解している! 俺たちプロテイン派が勝つ!」
セレーネは王妃の隣に並び、冷たい視線をユリウスに送る。
「……王妃陛下のお言葉こそ真理。心を落ち着け、長寿を支えるのは薬草茶ですわ」
庶民「ぎゃははは! 国を二分する“粉末 vs 葉っぱ”の代理戦争だーー!!」
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俺は額を押さえてため息をついた。
(……婚約破棄から始まった話が、いまや完全に“飲料内乱”ってどういうことだよ……)
おーっほっほ! 今日は トマト のお話ですわ!
甘味でもなく、完全に野菜(いや果実扱い?)でありながら、健康効果の宝庫――まさに異世界でも主役級の食材ですのよ。
1. 主成分と栄養素
•リコピン
赤い色の正体。強力な抗酸化物質で、活性酸素を抑えて動脈硬化や老化防止に役立つとされますわ。
•ビタミンC
美肌や免疫力サポートに必須。加熱で壊れやすいのが難点ですが、生食でしっかり補えます。
•カリウム
塩分を摂りすぎたときの血圧コントロールに。おじさん世代には必須栄養素ですわね。
2. 生食 vs 加熱
•生のトマト → ビタミンCが豊富。夏場のサラダやそのままかじるのが効果的。
•加熱トマト → リコピンの吸収率が約3倍に跳ね上がる。トマトソースやスープにすると本領発揮。
3. 吸収率を高めるコツ
リコピンは 脂溶性(油に溶けやすい)。
なので、オリーブオイルと炒めたり、スープに少し油を加えると効果倍増ですわ。
つまり「トマト+オイル=最強の抗酸化コンボ」ですわね。
4. 実践例
•トマトソースのパスタ(※健康派は全粒粉推奨)
•ミネストローネ(野菜との相乗効果)
•焼きトマト串(甘味が凝縮! 屋台でも人気間違いなし)
•トマトジュース(ただし塩分控えめタイプが吉)
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まとめると――
トマトは「生で美容、加熱で長寿」両刀使いの万能選手!
つまり、伝統派の砂糖ケーキを毎日食べるくらいなら……
「トマトソースパスタを週3で食べなさいですわ!!」




