国王陛下、王妃にパーソナルトレーニング現場を見られて怒られる件
王城・玉座の間。
そこでは今、王国の頂点に立つ男――国王陛下が、汗だくになっていた。
「ふぉぉぉ……! これは……効く……!」
ドレス姿の俺(悪役令嬢おじさん)が後ろから声を張り上げる。
「もっと腰を落として! 膝はつま先より出ないように! はい、胸を張って!!」
国王「ふぉおおお!! あぁ……胸が近い……! これは……ご褒美じゃ……」
(鼻の下を伸ばしながらスクワット)
王子「父上ぇぇぇぇぇぇぇぇ!?!?」
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その瞬間。
バァン!!
大扉が開き、王妃が颯爽と入場した。
黒髪をきっちりまとめた気品あふれる姿、だが目は氷のように冷たい。
「……アンタ、何やってんの」
玉座の間、沈黙。
国王「ち、違うのじゃ! これは健康のためであって! 浮気とかでは――」
王妃「言い訳すんな!! 鼻の下伸ばしてドレス娘に後ろから支えられて……国政ほったらかして何してんのよアンタぁぁ!!」
国王「ひぃぃぃ!!」
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俺は慌ててフォローに回る。
「王妃様、誤解ですわ! これは“健康第一のスクワット”! 国政に不可欠な国王の体力づくりですの!」
王妃「……ほんとぉ?」
国王「ほ、ほんとじゃ! この通り汗もかいて……なぁ?」
(必死に俺を見る)
俺「はい、見事なフォームでございました」
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王妃は腕を組んでため息をついた。
「……もう。健康のためなら仕方ないわね。でも」
彼女は国王の隣に立ち、スカートの裾を軽く結び上げた。
「夫婦は一緒にやるものよ。……ほら、アンタ。せーの」
国王「えっ!? まさか王妃まで!?」
王妃「スクワット!」
国王「ひぃぃぃ!! 膝が割れるぅぅぅ!!」
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観衆の廷臣たちはざわついた。
「おぉ……夫婦でスクワットだと……!」
「王国は完全に健康派に染まった……!」
王子は青ざめ、新ヒロインは膝をついて嘆く。
「殿下……もう止められませんわ……王家まるごと健康派ですわ……!」
王妃「ふんっ……ふんっ……」
(スカートをたくし上げてスクワットを繰り返す)
国王「ひぃぃぃ……! わ、わしよりフォームがきれいではないか……!」
俺「王妃様、素晴らしいですわ! 膝もブレていませんし、太ももにしっかり効いております!」
観衆「おぉぉぉ!!」
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王妃はにっこりと微笑んだ。
「ねぇアナタ、意外と悪くないわね。筋肉って、背筋が伸びる感じがするのよ」
国王「お、おお……そ、そうか……」
(尻に敷かれているのに、なぜか鼻の下を伸ばしてご満悦)
王子「や、やめろぉぉぉ! 父上も母上も! 王家の威厳が筋肉で汚されるぅぅぅ!!」
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新ヒロインが震える声を上げる。
「殿下、落ち着いてくださいまし! ……わたくしたちも鍛えれば……!」
だが王子は顔を真っ赤にして叫んだ。
「俺はやらん! 筋肉など邪道だ! 王家の血統こそが伝統だ!!」
すると観衆から冷たい声。
「28kgの握力で何を言うか」
「立位体前屈マイナス5cmの婚約者に未来はないな」
王子&新ヒロイン「ぎゃああああ!!!」
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王妃は腰に手を当てて宣言した。
「いいこと? 王国の未来は健康にかかってるの。アンタ(国王)も、私も、そしてこの子(王子)も!」
国王「ふぉぉぉ……妻よ、なんと力強い……!」
俺「(いや、この夫婦……キャラ濃すぎだろ……)」
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こうして――
国王も王妃も完全に健康派に染まり、王子と新ヒロインの立場はますます危うくなった。
パーソナルトレーニングを終えた国王は、タオルで汗を拭きながら満足そうに笑った。
「ふぉっふぉっふぉ……余は生まれて初めて、汗をかくことの楽しさを知ったぞ」
俺もドレスの袖で汗を拭い、思わず頷いた。
「わかりますわ……あの“終わったあとの爽快感”。これこそ筋トレの醍醐味ですの」
国王「うむうむ! 仕事で嫌なことがあっても、鉄を持ち上げればすべて忘れる!」
俺「残業でストレス溜まっても、ベンチで一発挙げれば気分爽快ですわ!」
国王「わかる!!」
俺「あとプロテインはチョコ味派ですわ!」
国王「余もじゃ!!」
二人「ガッハッハッハッハ!!!」
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その様子を見ていた王妃のこめかみがピクピク震えた。
「……アンタら、気が合いすぎでしょ」
国王「いやいや、なに、これは純粋な男同士の友情であって――」
俺「おーっほっほ! 心は中年サラリーマン、魂のレベルが合うのですわ!」
王妃「サラリーマンって何よ!? もう! 国政そっちのけでジム仲間ごっこしてんじゃないわよ!!」
国王「ひぃぃぃ!!!」
俺「す、すみません王妃様!」
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観衆の廷臣たちはざわつき、王子と新ヒロインは顔を覆った。
「……もう無理だ。父上も母上も、そして悪役令嬢も……国を健康ジムに変える気だ……」
王妃の怒号が鳴り響き、玉座の間は凍りついていた。
だが国王は――こっそり俺の袖を引っ張った。
「なあ……その、プロテインのことなのだが……余は牛乳で割るとお腹を下すのだ」
「……ああ、乳糖不耐症ですわね」
俺は真顔で頷く。
「水割りか、アーモンドミルク割りがおすすめですわ」
国王「ほう……! やはりそうか! 実は余も気づいておったのだ!」
俺「やっぱり! あと風呂上がりに飲むと吸収効率が――」
二人「ガッハッハッハッ!!!」
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王妃「まだやってんのかぁぁぁぁぁ!!」
(スリッパを脱いで国王の頭を叩く)
国王「いってぇぇ!! そ、そんな本気で叩くな!」
王妃「健康よりまず頭冷やせっての!!」
廷臣たち「……王妃様、強すぎる」
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その後。
王妃がため息をつきながらも、俺に目を向けた。
「……まあ、アンタ(令嬢おじさん)のおかげで、この人の血圧が下がるなら……少しくらいは許すわ」
国王「おお! 妻よ!」(再び鼻の下伸びる)
王妃「……だから鼻の下伸ばすなっつってんの!!」
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観衆は爆笑。
王子は膝から崩れ落ち、新ヒロインは涙目。
「もうダメですわ……完全に家庭内まで健康派に……!」
俺はタオルで汗を拭いながら、改めて深いため息をついた。
「……いやだから婚約破棄どこいったんだよ」
今回のトレーニング回にちなんで――プロテイン解説タイムですわ!
「結局どれを選べばいいの?」って迷う人、多いんですよね。
ホエイプロテイン(牛乳由来)
•WPC:安くて手に入れやすい。吸収早め。乳糖が残るからお腹ゴロゴロする人は注意。
•WPI:乳糖ほぼゼロ! お腹弱い人でも安心。値段はちょい高めだけど安定感抜群。
•WPH(加水分解):最速吸収! ただし高価で、味も苦味が出やすい。ガチ勢向け。
ソイプロテイン(大豆由来)
•吸収がゆっくり(4〜6時間)。
•腹持ちがいいのでダイエットや就寝前におすすめ。
•イソフラボンでホルモン系にも良い効果が期待される。
カゼインプロテイン
•超スロー(6〜8時間じわじわ吸収)。
•「夜の守り神」。寝る前に飲むと筋肉の分解を防いでくれる。
ビーフプロテイン
•牛肉由来、乳糖なし。
•アレルギー体質でも安心だが、味が独特な商品もある。
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吸収率の指標「DIAAS」って?
•ホエイは100超えで最強クラス。
•牛肉も高め。
•大豆は80前後で少し劣るけど、日常の栄養補助には十分。
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おすすめの使い分け
•朝・運動後 → ホエイ(WPC or WPI)
•夜・間食 → カゼイン or ソイ
•乳糖不耐症の人 → WPIかビーフ
•コスパ重視 → WPC
•ダイエットや健康志向 → ソイやカゼイン
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要するに、ホエイが一番無難で強いけど、シーンに合わせて使い分けると効果的ってことですわ!
婚約破棄より大事なのは――タンパク質摂取ですわよ!!!




