転生悪役令嬢おじさん、ついに正式に婚約破棄される件
学院大講堂。
壇上に立った王子クラウディオは、深く息を吸い込み、声を張り上げた。
「今ここに、正式に宣言する!
エレナ=フォン=クラウスとの婚約は――破棄する!」
その瞬間、会場はざわめきに包まれた。
これまで何度も繰り返された言葉。だが今回は、王子が真剣な表情を浮かべている。
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俺はドレスの裾を直し、ため息をついた。
「……またかよ。もう五回目くらいじゃない?」
観衆「ぎゃははは!!」「カウント入ったぞ!」
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だが王子は食い下がる。
「笑うな! これは王家の威信を懸けた正式な儀式だ!
そもそもお前は……令嬢らしくない!」
「……まぁな。中身はただのサラリーマンだし」
観衆「おぉぉぉぉ……開き直った……」
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リリアーナが一歩前に出る。
「殿下! 今こそ堂々と“正妻の座”をお示しくださいませ!」
「そうだ! 俺にはリリアーナがいる!
王家に必要なのは、健康ではなく血統だ!!」
その叫びは必死だった。だが――
観衆の目は冷静だった。
「血統? でも王子、握力28kgだし……」
「しかも血圧158/102でしょ……」
「体力測定すら平民以下なのに、王家の威信って……」
ざわざわと笑いが広がる。
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俺は立ち上がり、静かに言った。
「王子。婚約破棄? いいぜ。好きにしろ。
ただな――婚約を切れるのは書類だけだ。
本当に切れるかどうかは、“人の記憶”だぞ」
「な、何を……?」
「お前がどんな王になろうと、
今日ここで皆の前で“健康も愛も笑いも守れなかった王子”として覚えられる。
それが一番キツい破棄だろ」
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会場は静まり返った。
やがて一人の貴族がつぶやいた。
「……やっぱり悪役令嬢おじさんの方が“強い”な」
次々に声があがる。
「健康派に票を!」「いや、王家はもう時代遅れだ!」
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王子は顔を真っ赤にし、震える声で叫んだ。
「なぜだ! なぜいつもお前ばかり……!!」
リリアーナは涙目で抱きつく。
「殿下ぁぁ! でも……もう誰も見てくれませんわぁぁ!」
観衆「ぎゃはははは!!」
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こうして――
俺は正式に婚約破棄を突きつけられた。
だがその瞬間から、悪役令嬢おじさんは学院だけでなく、社交界すら揺るがす存在となったのだった。
王子の宣言で婚約破棄は成立した。
だが会場の空気は、彼が思い描いた「勝利」からはほど遠かった。
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「……殿下の威信はどうなるのだ……?」
「悪役令嬢おじさんを追放するどころか、むしろ人気が……」
廷臣たちの声は震えていた。
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壇上の俺は、椅子に腰かけて水を一口飲む。
「ふぅ〜……いやマジで喉乾いたわ」
セバス「……お嬢様、場が完全におじさんの休憩室になっております」
観衆「ぎゃはははは!!」
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だが王子は必死だった。
「違う! 俺は勝ったのだ! 婚約破棄は成立した!
お前はもう王家の婚約者ではない!」
「そりゃそうだろ。
……でもな王子、婚約破棄した相手がここまで拍手されるのって、お前的にどうなん?」
観衆「おぉぉぉぉ……!」
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リリアーナが涙を拭き、声を張り上げた。
「殿下! わたくしがいます! この勝利を、わたくしと共に祝福いたしましょう!」
だが観衆は冷ややかだった。
「……何を勝ったんだ?」
「むしろ王子、惨敗では……」
「ヒロインが泣きながらフォローしてる時点で詰んでる」
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王子の顔は蒼白になり、拳を震わせる。
「くっ……なぜだ……なぜ俺は、何をしてもお前に負ける……」
俺は立ち上がり、軽く肩をすくめた。
「簡単な話だ。
――お前、まだ“自分の数値”を直視してないんだよ」
観衆「おぉぉぉぉ!!」
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セバスがため息をついた。
「お嬢様、結局最後は健康ネタに持っていくのですね……」
俺「おーっほっほ! 悪役令嬢おじさんの哲学は“婚約破棄より血圧優先”だからな!」
観衆「ぎゃはははは!!!」
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こうして“正式な婚約破棄”は成立しつつも――
なぜか世間はますます悪役令嬢おじさんを支持する流れへ。
王子の威信は地に落ち、健康派と伝統派の対立は、次なる舞台へと持ち越されるのだった。
本日の“婚約破棄騒動”は王子の気力がどっと削られて終わりましたが……
現実でも、日々の小さなストレスってじわじわ効いてきますよね。
そこで今回は、科学的に裏付けのある「日常のちょっとしたストレスマネジメント」を紹介します。
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1. 深呼吸と呼吸リズムを整える
浅い呼吸は自律神経を乱しやすいですが、4秒吸って・6秒吐くくらいのペースに整えるだけで副交感神経が優位になり、リラックス効果が得られます。
(研究でも「呼吸法で心拍の安定や不安軽減につながる」と報告あり)
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2. 短時間の運動を取り入れる
激しい運動じゃなくても、10分の散歩や階段を上る程度で十分。
軽い有酸素運動はコルチゾール(ストレスホルモン)を下げ、気分を前向きにする働きがあります。
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3. 睡眠を味方につける
寝不足はストレスを増幅します。
完璧に眠れなくても、同じ時間に布団に入る習慣をつけるだけで体内リズムが整い、ストレス耐性が高まるといわれています。
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4. 人とのつながりを持つ
孤独は強力なストレス要因。
信頼できる人と話す、短い雑談でも気持ちが落ち着きます。
これは実際に心理学や神経科学の研究でも「社会的サポートがストレス軽減に寄与する」と確認されています。
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5. 小さな楽しみを確保する
音楽を聴く・コーヒーを淹れる・お気に入りの本を読む……。
脳は「小さなご褒美」でもドーパミンを分泌し、ストレスを和らげます。
特にルーティン化すると効果的。
まとめると、
•呼吸をゆっくり
•少し動く
•同じ時間に寝る
•人とつながる
•小さな楽しみを習慣に
この5つを意識するだけで、毎日の“婚約破棄(みたいな理不尽イベント)”にも耐えられるメンタルが育ちますわ!
おーっほっほっほ!




